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compiler.build.cSharedLibrary

C 共有ライブラリの作成

R2021a 以降

説明

compiler.build.cSharedLibrary(FunctionFiles) は、FunctionFiles で指定された MATLAB® ファイルを使用して C 共有ライブラリを作成します。

compiler.build.cSharedLibrary(FunctionFiles,Name,Value) は、名前と値の引数を 1 つ以上使用してオプションが指定された C 共有ライブラリを作成します。オプションには、ライブラリ名、出力ディレクトリ、含める追加ファイルなどがあります。

compiler.build.cSharedLibrary(opts) は、compiler.build.CSharedLibraryOptions オブジェクト opts を使用してオプションが指定された C 共有ライブラリを作成します。名前と値の引数を使用して他のオプションを指定することはできません。

results = compiler.build.cSharedLibrary(___) は、前述の構文にある入力引数の任意の組み合わせを使用して、ビルド情報を compiler.build.Results オブジェクトとして返します。ビルド情報は、ビルド タイプ、コンパイル済みファイルへのパス、およびビルド オプションで構成されます。

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魔方陣を生成する関数ファイルを使用して C 共有ライブラリを作成します。

MATLAB で、C 共有ライブラリとしてデプロイする MATLAB 関数を見つけます。この例では、matlabroot\extern\examples\compiler にあるファイル magicsquare.m を使用します。

appFile = fullfile(matlabroot,'extern','examples','compiler','magicsquare.m');

compiler.build.cSharedLibrary コマンドを使用して、C ライブラリをビルドします。

compiler.build.cSharedLibrary(appFile);

ビルド関数により、現在の作業ディレクトリの magicsquarecSharedLibrary という名前のフォルダー内に以下のファイルが作成されます。

  • GettingStarted.html — 共有ライブラリの統合に関する情報が含まれるファイル。

  • includedSupportPackages.txt — ライブラリに含まれるすべてのサポート ファイルをリストしたテキスト ファイル。

  • magicsquare.c — C ソース コード ファイル。

  • magicsquare.def — リンカーにモジュール情報を提供するモジュール定義ファイル。

  • magicsquare.dll — ダイナミックリンク ライブラリ ファイル。

  • magicsquare.exports — すべての非静的関数名が含まれるエクスポート ファイル。

  • magicsquare.h — C ヘッダー ファイル。

  • magicsquare.lib — インポート ライブラリ ファイル。

  • mccExcludedFiles.log — アプリケーションに含まれていないすべてのツールボックス関数のリストが含まれるログ ファイル。サポートされていない関数の詳細については、MATLAB Compiler の制限を参照してください。

  • readme.txt — デプロイの前提条件に関する情報と、デプロイ用にパッケージ化するファイルのリストが含まれる Readme ファイル。

  • requiredMCRProducts.txtMATLAB Runtime がアプリケーションを実行するために必要な製品の製品 ID が含まれるテキスト ファイル。

  • unresolvedSymbols.txt — 未解決のシンボルに関する情報が含まれるテキスト ファイル。

C ライブラリを作成し、名前と値の引数を使用してカスタマイズします。

この例では、matlabroot\extern\examples\compiler にあるファイル flames.mflames.mat を使用します。

appFile = fullfile(matlabroot,'extern','examples','compiler','flames.m');
MATFile = fullfile(matlabroot,'extern','examples','compiler','flames.mat');

compiler.build.cSharedLibrary コマンドを使用して、C ライブラリをビルドします。名前と値の引数を使用してライブラリ名を指定し、MAT ファイルを追加して、詳細な出力を有効にします。

compiler.build.cSharedLibrary(appFile,'LibraryName','MyMagicSquare',...
    'AdditionalFiles',MATFile,...
    'Verbose','on');

compiler.build.CSharedLibraryOptions オブジェクトを使用して、複数の C ライブラリを作成します。

この例では、matlabroot\extern\examples\compiler にあるファイル magicsquare.m を使用します。

appFile = fullfile(matlabroot,'extern','examples','compiler','magicsquare.m');

appFile を使用して CSharedLibraryOptions オブジェクトを作成します。名前と値の引数を使用して共通の出力ディレクトリを指定し、データ ファイルの自動検出を無効にして、詳細な出力を有効にします。

opts = compiler.build.CSharedLibraryOptions(appFile,...
    'OutputDir','D:\Documents\MATLAB\work\CLibraryBatch',...
    'AutoDetectDataFiles','off',...
    'Verbose','on')
opts = 

  CSharedLibraryOptions with properties:

           EmbedArchive: on
          FunctionFiles: {'C:\Program Files\MATLAB\R2023b\extern\examples\compiler\magicsquare.m'}
             DebugBuild: off
            LibraryName: 'magicsquare'
         LibraryVersion: '1.0.0.0'
        AdditionalFiles: {}
    AutoDetectDataFiles: off
        SupportPackages: {'autodetect'}
                Verbose: on
              OutputDir: 'D:\Documents\MATLAB\work\CLibraryBatch'

CSharedLibraryOptions オブジェクトを使用して C 共有ライブラリをビルドします。

compiler.build.cSharedLibrary(opts);

同じオプションをもつ関数ファイル myMagic2.m を使用してコンパイルするには、ビルド関数を再度実行する前に、ドット表記を使用して既存の cSharedLibrary オブジェクトの FunctionFiles 引数を変更します。

opts.FunctionFiles = 'myMagic2.m';
compiler.build.cSharedLibrary(opts);

FunctionFiles 引数を変更して再コンパイルすることにより、同じオプション オブジェクトを使用して複数のライブラリをコンパイルできます。

C ライブラリを作成し、ビルド タイプ、コンパイル済みファイル、含まれるサポート パッケージ、およびビルド オプションに関する情報を compiler.build.Results オブジェクトに保存します。

ファイル magicsquare.m を使用してコンパイルします。

results = compiler.build.cSharedLibrary('magicsquare.m')
results = 

  Results with properties:

              BuildType: 'cSharedLibrary'
                  Files: {4×1 cell}
IncludedSupportPackages: {}
                Options: [1×1 compiler.build.CSharedLibraryOptions]

Files プロパティには、以下のファイルへのパスが格納されます。

  • magicsquare.dll

  • magicsquare.lib

  • magicsquare.h

  • GettingStarted.html

入力引数

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MATLAB 関数を実装するファイル。文字ベクトル、string スカラー、string 配列、または文字ベクトルの cell 配列として指定します。ファイル パスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。ファイルには .m 拡張子が必要です。

例: ["myfunc1.m","myfunc2.m"]

データ型: char | string | cell

C ライブラリのビルド オプション。compiler.build.CSharedLibraryOptions オブジェクトとして指定します。

名前と値の引数

オプションのペアの引数を Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定する必要がありますが、ペアの順序は考慮されません。

R2021a より前では、コンマを使用してそれぞれの名前と値を区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'Verbose','on'

C 共有ライブラリに含める追加ファイルとフォルダー。文字ベクトル、string スカラー、string 配列、または文字ベクトルの cell 配列として指定します。パスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

例: 'AdditionalFiles',["myvars.mat","data.txt"]

データ型: char | string | cell

データ ファイルを自動的に含めるためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) または 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off'false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off logical 値として格納されます。

  • このプロパティを 'on' に設定した場合、特定の関数 (loadfopen など) の入力として指定したデータ ファイルは自動的に共有ライブラリに含められます。

  • このプロパティを 'off' に設定した場合、データ ファイルは AdditionalFiles オプションを使用して共有ライブラリに追加する必要があります。

例: 'AutoDetectDataFiles','off'

データ型: logical

デバッグ シンボルを有効にするためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) か 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off'false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off logical 値として格納されます。

  • このプロパティを 'on' に設定した場合、コンパイルされたライブラリにはデバッグ シンボルが含まれます。

  • このプロパティを 'off' に設定した場合、コンパイルされたライブラリにはデバッグ シンボルが含まれません。

例: 'DebugBuild','on'

データ型: logical

デプロイ可能なアーカイブを組み込むためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) か 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off'false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off logical 値として格納されます。

  • このプロパティを 'on' に設定した場合、関数はデプロイ可能なアーカイブを共有ライブラリに組み込みます。

  • このプロパティを 'off' に設定した場合、関数はデプロイ可能なアーカイブを別個のファイルとして生成します。

例: 'EmbedArchive','off'

データ型: logical

C 共有ライブラリの名前。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。生成されたライブラリの既定の名前は、FunctionFiles 引数の最初のエントリです。

例: 'LibraryName','mymagic'

データ型: char | string

デプロイ可能なアーカイブを難読化するためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) か 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off'false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off logical 値として格納されます。

  • このプロパティを 'on' に設定した場合、デプロイ可能なアーカイブのフォルダー構造およびファイル名はエンド ユーザーに対して難読化され、MATLAB ファイルに含まれているユーザー コードおよびデータはアーカイブ内のユーザー パッケージに配置されます。また、すべての .m ファイルがパッケージ化の前に P ファイルに変換されます。このオプションは、-j および -s を指定して mcc を使用するのと等価です。

  • このプロパティを 'off' に設定した場合、デプロイ可能なアーカイブは難読化されません。これは既定の動作です。

例: 'ObfuscateArchive','on'

データ型: logical

ビルド ファイルが保存される出力ディレクトリへのパス。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。このパスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

ビルド フォルダーの既定の名前は、ライブラリ名に cSharedLibrary を追加したものです。

例: 'OutputDir','D:\Documents\MATLAB\work\mymagiccSharedLibrary'

データ型: char | string

含めるサポート パッケージ。次のオプションのいずれかとして指定します。

  • 'autodetect' (既定) — 依存関係の分析プロセスにより、必要なサポート パッケージが自動的に検出され、含められます。

  • 'none' — サポート パッケージは含められません。このオプションを使用すると、ランタイム エラーの原因となる可能性があります。

  • string スカラー、文字ベクトル、または文字ベクトルの cell 配列 — 指定されたサポート パッケージのみが含められます。インストールされている、または特定のファイルで使用されるサポート パッケージのリストを表示するには、compiler.codetools.deployableSupportPackages を参照してください。

例: 'SupportPackages',{'Deep Learning Toolbox Converter for TensorFlow Models','Deep Learning Toolbox Model for Places365-GoogLeNet Network'}

データ型: char | string | cell

ビルドの詳細を制御するためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical 1 (true) または 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off'false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off logical 値として格納されます。

  • このプロパティを 'on' に設定した場合、MATLAB コマンド ウィンドウには、ビルド プロセス中のコンパイラ出力を示す進行状況情報が表示されます。

  • このプロパティを 'off' に設定した場合、コマンド ウィンドウには進行状況の情報は表示されません。

例: 'Verbose','on'

データ型: logical

出力引数

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ビルド結果。compiler.build.Results オブジェクトとして返されます。Results オブジェクトには以下が含まれています。

  • 'cSharedLibrary' であるビルド タイプ

  • 以下のコンパイル済みファイルへのパス:

    • LibraryName.dll

    • LibraryName.lib

    • LibraryName.h

    • GettingStarted.html

  • 含まれているサポート パッケージのリスト

  • ビルド オプション。CSharedLibraryOptions オブジェクトとして指定

バージョン履歴

R2021a で導入