OSTBC Encoder
直交空間時間ブロック符号 (OSTBC) を使用した入力メッセージの符号化
ライブラリ
MIMO
説明
OSTBC Encoder ブロックは、直交空間時間ブロック符号 (OSTBC) を使って入力シンボル シーケンスを符号化します。ブロックは入力シンボルをブロック単位でマップし、出力のコードワード行列を時間領域で結合します。詳細については、このヘルプ ページのOSTBC 符号化アルゴリズムの節を参照してください。
次元
ブロックは、OSTBC 送信の時間と空間の領域をサポートします。また、符号化計算が独立しているオプションの次元もサポートします。この次元は周波数領域として考えることができます。次の図は、OSTBC Encoder ブロックの入力と出力用にサポートされる次元を示しています。
次の表に変数を示します。
変数 | 説明 |
---|---|
F | 追加の次元。通常は周波数領域。符号化はこの次元には依存しません。 |
T | 時間領域の入力シンボル シーケンス長。 |
R | コードのシンボル レート。 |
N | 送信アンテナの数。 |
メモ
出力において、T/R は時間領域のシンボル シーケンス長です。
F は任意の正の整数にできます。N は [Number of transmit antennas] で示される 2、3、4 のいずれかにできます。N = 2 の場合、R は 1 でなければなりません。N = 3 または 4 の場合、R は 3/4 または 1/2 で、[Rate] で示されます。時間領域長 T は、各コードワード行列にあるシンボル数の倍数にしなければいけません。具体的には、N = 2 または R = 1/2 の場合、T は 2 の倍数にしなければならず、R = 3/4 の場合、T は 3 の倍数にしなければいけません。
ブロックの次元伝播を理解するために、次の表を参照してください。
次元 | 入力 | 出力 |
---|---|---|
F = 1 | 列ベクトル | 2 次元 |
F > 1 | 2 次元 | 3 次元 |
データ型
各ブロックの端子でサポートされるデータ型については、このページのサポートされているデータ型の表を参照してください。出力信号は、入力信号からデータ型を継承します。固定小数点信号の場合、複素共役は固定小数点パラメーター [Saturate on integer overflow] が扱わなければならないオーバーフローを引き起こします。
フレーム
出力信号は、入力信号からフレーム タイプを継承します。列ベクトル入力は、フレームベースまたはサンプルベースの入力を必要とします。それ以外の場合は入力はサンプルベースでなければなりません。
OSTBC 符号化アルゴリズム
OSTBC Encoder ブロックでは、5 つの異なる OSTBC 符号化アルゴリズムをサポートしています。[Rate] および [Number of transmit antennas] の選択に従い、ブロックは次の表に示すアルゴリズムの 1 つを実装します。
送信アンテナ | レート | OSTBC コードワード行列 |
---|---|---|
2 | 1 |
|
3 | 1/2 |
|
3 | 3/4 |
|
4 | 1/2 |
|
4 | 3/4 |
|
それぞれの行列において、行列の (l, i) エントリは、ブロックの l 番目のタイム スロットにある i 番目のアンテナからシンボルが送信されることを示しています。i の値は 1 から N (送信アンテナの数) までの範囲になります。l の値は 1 からコードワード ブロック長までの範囲になります。
パラメーター
- Number of transmit antennas
受信側でアンテナの数を設定します。ブロックは、2、3、または 4 の送信アンテナをサポートします。既定値は 2 です。
- Rate
コードのシンボル レートを設定します。3/4 または 1/2 のいずれかを指定できます。このフィールドは、2 よりも多くの送信アンテナを使用するときにだけ表示されます。このフィールドの既定値は、2 よりも多くの送信アンテナの場合、 になります。2 つの送信アンテナの場合、レート オプションは存在せず、レートは既定で 1 になります。
- 整数オーバーフローで飽和
固定小数点計算のオーバーフロー モードを設定します。固定小数点計算の大きさの結果が結果を格納するデータ型とスケーリングの範囲に収まらない場合は、このパラメーターで使用する手法を指定します。詳細については、精度と範囲を参照してください。
サポートされているデータ型
端子 | サポートされているデータ型 |
---|---|
In |
|
Out |
|
例
3×2 レイリー フェージング チャネル経由の OSTBCのモデル例では、OSTBC Encoder ブロックと OSTBC Combiner ブロックを使用します。モデルは、BPSK 変調を含み、独立したフェージング リンクと AWGN を使用して 3 つの送信アンテナと 2 つの受信アンテナに対する符号化率 ¾ の OSTBC をモデル化するように構成されています。
拡張機能
バージョン履歴
R2009a で導入