OSTBC Encoder
直交空間時間ブロック符号を使用した入力メッセージの符号化
ライブラリ:
Communications Toolbox /
MIMO
説明
OSTBC Encoder ブロックは、直交空間時間ブロック符号 (OSTBC) を使って入力シンボル シーケンスを符号化します。ブロックは入力シンボルをブロック単位でマップし、出力のコードワード行列を時間領域で結合します。詳細については、OSTBC 符号化アルゴリズムを参照してください。
例
多入力多出力 (MIMO) 通信システムでダイバーシティ ゲインを達成するために、直交空間時間ブロック符号 (OSTBC) をシミュレートします。この例では、リンクごとに独立したレイリー フェージングを使用し、3 つの送信アンテナと 2 つの受信アンテナを経由するデータ送信を示します。
モデルの検証
doc_ostc32 モデルはランダム バイナリ信号を作成し、2 相位相偏移変調 (BPSK) 手法を使用してそれを変調してから、符号化率 3/4 の直交空間時間ブロック符号を使用して波形を符号化し、フェージング チャネル経由で送信します。フェージング チャネルには、単一パス レイリー フェージング処理の構成から生じる 6 つの独立したリンクがあります。シミュレーションは、受信側でホワイト ガウス ノイズを追加し、両方の受信アンテナから受けた信号を 1 つのストリームに組み合わせて復調します。この結合プロセスでは、モデルは受信側でチャネル ゲインを完全に認識していることを前提にしています。シミュレーションは復調データと元の送信データを比較し、ビット エラー レートを計算します。シミュレーションは、処理が 100 個の誤りまたは 1e6 ビットに達するまで実行されます。

直交空間時間ブロック符号
この行列は、OSTBC Encoderブロックで構成された 3 つの送信アンテナの直交空間時間ブロック符号を使用した符号化率 3/4 の符号を示しています。

ここで、
、
、および
は行列で与えられた出力に対する 3 つのシンボル入力に対応します。OSTBC Encoder ブロックへの入力は 3 行 1 列のベクトル信号で、出力は 4 行 3 列の行列になっています。出力信号の列数は、このシミュレーションの送信アンテナ数を示し、最初の次元は時間を示します。OSTBC Combinerブロックは、3 行 1 列のベクトルを出力します。
符号化率 3/4 の OSTBC 符号モデルの場合、タイム ステップごとの出力信号強度は 3x(3/4) = 2.25W になります。チャネル シンボルは 3 データ ビットを伝送します。長さは 4 タイム ステップで、周期は 3e-3 秒です。受信側には 2 つのアンテナがあるため、各チャネル (アンテナ) のシンボル 1 つにつき 3/2 ビットになります。加えて、

ここで、k はシンボルあたりのビット数です。AWGN Channelブロックについては、チャネルごとに入力信号強度とシンボルあたりのビット数の値が必要であるため、Es/No 値を EbNo+10*log10(3/2) に設定して、シミュレーションで追加されたホワイト ガウス ノイズをキャリブレーションします。
パフォーマンス
ビット エラー レート解析アプリを使用して、モデルの性能と理論上の結果を比較します。このプロットは Eb/No 値の範囲のシミュレート済み BER をダイバーシティ次数 6 の理論上の結果と比較したものです。

理論上の結果とシミュレーションした結果は、よく整合しています。理論上の結果とシミュレーションした結果の間の差異は、主に、シミュレートされたフェージング チャネル モデルのわずかなドップラー劣化に起因します。シミュレートされたチャネルはブロック シンボル全体でわずかに変化するため、シミュレートした結果と理論上の結果には多少の差異が見られます。
端子
入力
入力データ。傾きが 2 のべき乗でバイアスが 0 の値をもつ列ベクトルまたは行列として指定します。詳細については、入力から出力までの次元を参照してください。
この端子はブロック アイコンで名前なしになります。
データ型: single | double | fixed point
複素数のサポート: あり
出力
出力データ。行列または 3 次元配列として返されます。詳細については、入力から出力までの次元を参照してください。
出力信号は、入力信号からデータ型を継承します。固定小数点信号の場合、[整数オーバーフローで飽和] パラメーターは、ブロックが複素共役による整数オーバーフローを処理する方法を指定します。
この端子はブロック アイコンで名前なしになります。
データ型: single | double | fixed point
パラメーター
ブロック パラメーターを対話的に編集するには、プロパティ インスペクターを使用します。Simulink® ツールストリップの [シミュレーション] タブの [準備] ギャラリーで [プロパティ インスペクター] を選択します。
メイン
送信アンテナの数。2、3、または 4 として指定します。
符号のシンボル レート。3/4 または 1/2 として指定します。[送信アンテナの数] を 2 に設定すると、シンボル レートは 1 になります。
依存関係
このパラメーターを有効にするには、[送信アンテナの数] を 3 または 4 に設定します。
データ型
固定小数点計算において、固定小数点計算結果の大きさが結果を格納するデータ型とスケーリングの範囲に収まらない場合は、このパラメーターで使用する手法を指定します。
整数オーバーフローで飽和させるには、このパラメーターを選択します。
整数オーバーフローでラップさせるには、このパラメーターを選択しないでください。
詳細については、精度と範囲を参照してください。
データ型: Boolean
詳細
OSTBC 符号化器は、OSTBC 送信の時間領域と空間領域、および符号化計算が無関係であるオプションの次元をサポートします。次の図は、サポートされている入力次元と結果の出力次元を示しています。
サイズが T 行
1列の時間領域信号または空間領域信号を入力すると、符号化器は (T/R) 行 N 列の行列を出力します。サイズが F 行 T 列の行列を入力すると、符号化器は F×(T/R)×N の配列を出力します。
ここで、
R — [Rate] パラメーターで指定された、符号のシンボル レート。
N = 2 の場合、R は 1 でなければなりません。
N = 3 または 4 の場合、R は 3/4 または 1/2 になります。
N — [送信アンテナの数] パラメーターで指定された、送信アンテナの数。N は、2、3、または 4 にすることができます。
T — 時間領域の入力シンボル シーケンス長。時間領域長 T は、各コードワード行列にあるシンボル数の倍数でなければなりません。
N = 2 または R = 1/2 の場合、T は 2 の倍数でなければなりません。
R = 3/4 の場合、T は 3 の倍数でなければなりません。
T/R — 出力信号の時間領域におけるシンボル シーケンス長。
F — 追加の次元。通常は周波数領域。符号化はこの追加の次元とは無関係です。F は任意の正の整数になります。
アルゴリズム
OSTBC 符号化器アルゴリズムは、次の表に示す 5 つの異なる OSTBC コードワード行列を実装します。送信アンテナ数とシンボル レートによって、アルゴリズムが入力データを符号化するために使用するコードワード行列が決まります。
| 送信アンテナの数 | シンボル レート | OSTBC コードワード行列 |
|---|---|---|
| 2 | 1 | |
| 3 | 1/2 | |
| 3 | 3/4 | |
| 4 | 1/2 | |
| 4 | 3/4 |
それぞれの行列において、各 (l、i) 要素は、コードワード ブロックの l 番目のタイム スロットにある i 番目のアンテナからシンボルが送信されることを示しています。i の値は [1, N] の範囲内です。ここで、N は送信アンテナの数です。l の値は [1, L] の範囲内です。ここで、L はコードワードのブロック長です。
可変サイズの信号を処理する際、次のようになります。
入力信号が列ベクトルの場合、最初の次元は変更できますが、2 番目の次元は
1に固定しなければなりません。入力信号が行列の場合は、両方の次元を変更できます。
拡張機能
C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。
バージョン履歴
R2009a で導入
MATLAB Command
You clicked a link that corresponds to this MATLAB command:
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Web サイトの選択
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