gsmUplinkConfig
GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトの作成
説明
gsmUplinkConfig オブジェクトは GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトです。gsmUplinkConfig オブジェクトを使用して、GSM アップリンク波形を作成します。
作成
構文
説明
は GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。cfggsmul = gsmUplinkConfig
は cfggsmul = gsmUplinkConfig(sps)SamplesPerSymbol プロパティを sps に設定します。
は、前述の構文のいずれかを使用して、1 つ以上の名前と値のペアの引数を設定します。たとえば、cfggsmul = gsmUplinkConfig(___,Name,Value)'RiseTime',4 は、バースト立ち上がり時間を 4 シンボルに設定します。各プロパティを引用符で囲みます。名前と値のペアの引数は、他のすべての入力引数の後で指定します。
プロパティ
シンボルあたりのサンプル数。4 の正の整数倍として指定します。
データ型: double
TDMA フレームのタイム スロット 0 ~ 7 のバースト タイプ。以下のいずれかのオプションを指定します。
各値が
"NB"、"AB"、または"Off"の 8 要素の行ベクトル — 各要素は、対応するタイム スロットのバースト タイプを指定します。"NB"— 各タイム スロットでノーマル バーストを使用してデータを送信します。"AB"— 各タイム スロットでアクセス バーストを使用してデータを送信します。"Off"— 8 つのどのタイム スロットにもデータが含まれていません。
詳細については、GSM フレーム、タイム スロット、およびバーストを参照してください。
メモ
BurstType プロパティは列挙値です。コード生成を実行するには、コード生成およびGSM アップリンク波形の MEX 生成の例を参照してください。
例: ["NB" "AB" "AB" "NB" "Off" "NB" "AB" "Off"] は、タイム スロット 0、3、および 5 でノーマル バースト、タイム スロット 1、2、および 6 でアクセス バーストをそれぞれ使用し、タイム スロット 4 と 7 ではデータを送信しないフレームを構成します。
TDMA フレームのタイム スロット 0 ~ 7 におけるノーマル バーストのトレーニング シーケンス符号 (TSC)。以下のいずれかのオプションとして指定します。
範囲 [0, 7] にある整数の 8 要素の行ベクトル — 各要素は、対応するノーマル バースト タイム スロットの TSC 値を指定します。
範囲 [0, 7] の整数 — 各ノーマル バースト タイム スロットの TSC 値を指定します。
詳細については、トレーニング シーケンス コード (TSC)を参照してください。
例: [5 7 0 0 0 0 0 0] は、タイム スロット 0 でトレーニング シーケンス 5、タイム スロット 1 でトレーニング シーケンス 7、タイム スロット 2 ~ 7 でトレーニング シーケンス 0 をそれぞれ使用するフレームを構成します。
依存関係
あるタイム スロットでこのプロパティを有効にするには、BurstType の対応する要素を "NB" に設定します。
データ型: double
TDMA フレームのタイム スロット 0 ~ 7 のパワーの減衰 (dB 単位)。以下のいずれかのオプションを指定します。
非負の整数の 8 要素の行ベクトル — 各要素は、対応するタイム スロットの減衰パワー値を指定します。
非負の整数 — 各タイム スロットのパワー減衰値を指定します。
例: [0 0 0 0 0 0 0 3] は、タイム スロット 0 ~ 6 のバースト信号強度に 0 dB の減衰を適用し、タイム スロット 7 のバースト信号強度に 3 dB の減衰を適用するフレームを構成します。
データ型: double
シンボル区間単位のガウス パルス長。正の整数として指定します。
データ型: double
シンボル単位のバースト立ち上がり時間。範囲 [1/SamplesPerSymbol, 29] の正のスカラーとして指定します。ここで、増分解像度は 1/SamplesPerSymbol です。合計立ち上がりおよび立ち下がり期間 (RiseTime - RiseDelay + FallTime + FallDelay) は 9.25 シンボル未満でなければなりません。バーストの立ち上がりエッジの特徴的形状は正弦波です。
詳細については、GSM フレーム、タイム スロット、およびバーストを参照してください。
データ型: double
シンボル単位のバースト立ち上がり遅延。範囲 [–10, 10] の正のスカラーとして指定します。ここで、増分解像度は 1/SamplesPerSymbol です。合計立ち上がりおよび立ち下がり期間 (RiseTime - RiseDelay + FallTime + FallDelay) は 9.25 シンボル未満でなければなりません。バースト立ち上がり遅延は、バーストの有効部分の開始時を基準にして測定されます。詳細については、GSM フレーム、タイム スロット、およびバーストを参照してください。
バースト立ち上がり遅延が 0 の場合、バーストの有効部分の開始時にバーストが最大限の振幅に到達します。バースト立ち上がり遅延が正の場合、有効部分の開始の RiseDelay シンボル後にバーストが最大限の振幅に到達します。バースト立ち上がり遅延が負の場合、有効部分の開始の RiseDelay シンボル前にバーストが最大限の振幅に到達します。
データ型: double
シンボル単位のバースト立ち下がり時間。範囲 [1/SamplesPerSymbol, 29] の正のスカラーとして指定します。ここで、増分解像度は 1/SamplesPerSymbol です。合計立ち上がりおよび立ち下がり期間 (RiseTime - RiseDelay + FallTime + FallDelay) は 9.25 シンボル未満でなければなりません。バーストの立ち下がりエッジの特徴的形状は正弦波です。
詳細については、GSM フレーム、タイム スロット、およびバーストを参照してください。
データ型: double
シンボル単位のバースト立ち下がり遅延。範囲 [–10, 10] の正のスカラーとして指定します。ここで、増分解像度は 1/SamplesPerSymbol です。合計立ち上がりおよび立ち下がり期間 (RiseTime - RiseDelay + FallTime + FallDelay) は 9.25 シンボル未満でなければなりません。バースト立ち下がり遅延は、バーストの有効部分の終了時を基準にして測定されます。詳細については、GSM フレーム、タイム スロット、およびバーストを参照してください。
バースト立ち下がり遅延が 0 の場合、バーストの有効部分の終了時にバーストが最大限の振幅から減少し始めます。バースト立ち下がり遅延が正の場合、有効部分の終了の FallDelay シンボル後にバーストが最大限の振幅から減少し始めます。バースト立ち下がり遅延が負の場合、有効部分の終了の FallDelay シンボル前にバーストが最大限の振幅から減少し始めます。
データ型: double
出力引数
GSM アップリンク TDMA フレーム構成。構造体として返されます。
データ型: struct
例
既定の設定を使用して GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成してから、1 つの TDMA フレームが含まれる GSM 波形を作成します。GSM TDMA フレームには 8 つのタイム スロットがあり、8.25 個のシンボル (約 30.46x10e-3 ms) の保護期間だけ互いに離れています。GSM 波形をプロットします。
既定の設定を使用して GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。
cfggsmul = gsmUplinkConfig
cfggsmul =
gsmUplinkConfig with properties:
BurstType: [NB NB NB NB NB NB NB NB]
SamplesPerSymbol: 16
TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0]
PulseLength: 4
RiseTime: 2
RiseDelay: 0
FallTime: 2
FallDelay: 0
関数 gsmInfo を使用して、構成された gsmUplinkConfig オブジェクトに関する情報を表示します。プロットのタイムスケールの計算に使用するために、サンプルレートを変数 Rs に割り当てます。
wfInfo = gsmInfo(cfggsmul)
wfInfo = struct with fields:
SymbolRate: 2.7083e+05
SampleRate: 4.3333e+06
BandwidthTimeProduct: 0.3000
BurstLengthInSymbols: 156.2500
NumBurstsPerFrame: 8
BurstLengthInSamples: 2500
FrameLengthInSamples: 20000
Rs = wfInfo.SampleRate;
関数 gsmFrame を使用して GSM 波形を作成し、GSM 波形をプロットします。
waveform = gsmFrame(cfggsmul); t = (0:length(waveform)-1)/Rs*1e3; subplot(2,1,1) plot(t,abs(waveform)) grid on axis([0 5 0 1.2]) title('GSM Uplink Waveform - Amplitude') xlabel('Time (ms)') ylabel('Amplitude') subplot(2,1,2) plot(t,unwrap(angle(waveform))) grid on title('GSM Uplink Waveform - Phase') xlabel('Time (ms)') ylabel('Phase (rad)')

シンボルあたり 4 サンプルを指定する GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成してから、1 つの GSM ダウンリンク TDMA フレームが含まれる GSM 波形を作成します。GSM TDMA フレームは 8 タイム スロットであり、8.25 シンボル (約 30.46x10e-3 ms) の保護期間だけ各タイム スロットが互いに離れています。GSM 波形をプロットします。
シンボルあたり 4 サンプルを指定して GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。
sps = 4; cfggsmul = gsmUplinkConfig(sps)
cfggsmul =
gsmUplinkConfig with properties:
BurstType: [NB NB NB NB NB NB NB NB]
SamplesPerSymbol: 4
TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0]
PulseLength: 4
RiseTime: 2
RiseDelay: 0
FallTime: 2
FallDelay: 0
関数 gsmInfo を使用して、構成された gsmUplinkConfig オブジェクトに関する情報を表示します。プロットのタイムスケールの計算に使用するために、サンプルレートを変数 Rs に割り当てます。
wfInfo = gsmInfo(cfggsmul)
wfInfo = struct with fields:
SymbolRate: 2.7083e+05
SampleRate: 1.0833e+06
BandwidthTimeProduct: 0.3000
BurstLengthInSymbols: 156.2500
NumBurstsPerFrame: 8
BurstLengthInSamples: 625
FrameLengthInSamples: 5000
Rs = wfInfo.SampleRate;
関数 gsmFrame を使用して GSM 波形を作成し、GSM 波形をプロットします。
waveform = gsmFrame(cfggsmul); t = (0:length(waveform)-1)/Rs*1e3; subplot(2,1,1) plot(t,abs(waveform)) grid on axis([0 5 0 1.2]) title('GSM Uplink Waveform - Amplitude') xlabel('Time (ms)') ylabel('Amplitude') subplot(2,1,2) plot(t,unwrap(angle(waveform))) grid on title('GSM Uplink Waveform - Phase') xlabel('Time (ms)') ylabel('Phase (rad)')

2 つの GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。最初の gsmUplinkConfig オブジェクトでは既定の設定を指定し、2 番目のオブジェクトでは、タイム スロットあたりの信号強度を調整します。両方の構成の GSM 波形を生成します。これらの波形をプロットし、2 番目の波形のタイム スロットあたりの信号の減衰を確認します。
既定の設定を使用して GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。
cfggsmul = gsmUplinkConfig
cfggsmul =
gsmUplinkConfig with properties:
BurstType: [NB NB NB NB NB NB NB NB]
SamplesPerSymbol: 16
TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0]
PulseLength: 4
RiseTime: 2
RiseDelay: 0
FallTime: 2
FallDelay: 0
タイム スロットあたりの信号減衰設定を調整して、別の GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。
cfggsmul2 = gsmUplinkConfig('Attenuation',[1 2 3 4 5 4 3 2])cfggsmul2 =
gsmUplinkConfig with properties:
BurstType: [NB NB NB NB NB NB NB NB]
SamplesPerSymbol: 16
TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
Attenuation: [1 2 3 4 5 4 3 2]
PulseLength: 4
RiseTime: 2
RiseDelay: 0
FallTime: 2
FallDelay: 0
関数 gsmInfo を使用して、構成された gsmUplinkConfig オブジェクトに関する情報を表示します。プロットのタイムスケールの計算に使用するために、サンプルレートを変数 Rs に割り当てます。
wfInfo = gsmInfo(cfggsmul)
wfInfo = struct with fields:
SymbolRate: 2.7083e+05
SampleRate: 4.3333e+06
BandwidthTimeProduct: 0.3000
BurstLengthInSymbols: 156.2500
NumBurstsPerFrame: 8
BurstLengthInSamples: 2500
FrameLengthInSamples: 20000
Rs = wfInfo.SampleRate;
関数 gsmFrame を使用して、1 つの TDMA フレームを含む GSM 波形を作成します。GSM TDMA フレームは 8 タイム スロットであり、8.25 シンボル (約 30.46x10e-3 ms) の保護期間だけ互いに離れています。各 GSM 波形をプロットします。
waveform = gsmFrame(cfggsmul); waveform2 = gsmFrame(cfggsmul2); t = (0:length(waveform)-1)/Rs*1e3; subplot(2,1,1) plot(t,[abs(waveform),abs(waveform2)]) grid on axis([0 5 0 1.2]) title('GSM Uplink Waveform - Amplitude') xlabel('Time (ms)') ylabel('Amplitude') subplot(2,1,2) plot(t,[unwrap(angle(waveform)),unwrap(angle(waveform2))]) grid on title('GSM Uplink Waveform - Phase') xlabel('Time (ms)') ylabel('Phase (rad)')

補助関数 createUplinkWaveform から GSM 波形 MEX 関数を生成して実行します。補助関数 createUplinkWaveform は GSM アップリンク波形を作成します。
MATLAB 関数の書き込み
createUplinkWaveform.m を開いてコードを確認します。補助関数 createUplinkWaveform は、gsmUplinkConfig オブジェクトと関数 gsmInfo および関数 gsmFrame を使用して GSM アップリンク波形を生成します。
GSM 波形の生成
補助関数 createUplinkWaveform を使用して、3 つの TDMA フレームを含む GSM 波形を作成し、その波形をプロットします。
[x,t] = createUplinkWaveform(3); figure subplot(2,1,1); plot(t,abs(x)); grid on; title('GSM Uplink Waveform - Amplitude'); xlabel('Time (ms)'); ylabel('Amplitude') subplot(2,1,2); plot(t,unwrap(angle(x))); grid on; title('GSM Uplink Waveform - Phase'); xlabel('Time (ms)'); ylabel('Phase (rad)')

MEX 関数の生成
ビルド ターゲットを指定しない場合、コード生成は既定で MEX コード生成になります。既定では、codegen は生成された MEX 関数に createUplinkWaveform_mex という名前を付けます。補助関数 createUplinkWaveform から MEX 関数を生成し、その MEX 関数を実行して 3 つの TDMA フレームを作成します。
codegen createUplinkWaveform -args 3
Code generation successful.
MEX 関数を使用した波形の生成
MEX 関数を実行し、結果をプロットします。波形はランダム データを使用して作成されるため、補助関数 generateUplinkFrame または関数 createUplinkWaveform_mex を実行するたびに位相のプロットは変化します。
[x,t] = createUplinkWaveform_mex(3); figure subplot(2,1,1); plot(t,abs(x)); grid on; title('MEX - GSM Uplink Waveform - Amplitude'); xlabel('Time (ms)'); ylabel('Amplitude') subplot(2,1,2); plot(t,unwrap(angle(x))); grid on; title('MEX - GSM Uplink Waveform - Phase'); xlabel('Time (ms)'); ylabel('Phase (rad)')

MATLAB® Function ブロックと Communications Toolbox™ の関数を使用して、Simulink® で GSM 波形発生器をモデル化します。
GSM アップリンク波形の生成
MATLAB Function (Simulink) ブロックには gsmUplinkWaveform 関数コードが含まれています。MATLAB Function ブロック内のコードは、gsmUplinkConfig オブジェクトと関数 gsmFrame を使用して GSM 波形を作成します。

gsmUplinkConfig オブジェクトは、シンボルあたり 16 サンプルと、次の表に示す GSM アップリンク TDMA フレームのタイム スロット構成を指定します。

出力波形には、GMSK シンボルごとに 16 サンプルがあります。関数 gsmFrame は波形のサンプルを生成します。
モデルの検証
GSM 標準 3GPP TS 45.001 および 3GPP TS 45.002 に従って、gsmUplinkWaveform 関数コードを含む MATLAB Function ブロックのサンプル時間は、1625e3/6 シンボル/秒の GSM シンボル レートに設定されます。関数 gsmInfo を使用して、現在の gsmUplinkConfig オブジェクト設定を表示します。
wfInfo =
struct with fields:
SymbolRate: 2.7083e+05
SampleRate: 4.3333e+06
BandwidthTimeProduct: 0.3000
BurstLengthInSymbols: 156.2500
NumBurstsPerFrame: 8
BurstLengthInSamples: 2500
FrameLengthInSamples: 20000
MATLAB Function (Simulink) ブロックのモデル サンプル時間を wfInfo.FrameLengthInSamples/wfInfo.SampleRate に設定します。[サンプル時間] パラメーターを表示するには、MATLAB Function ブロックを右クリックし、[ブロック パラメーター (Subsystem)] を選択することによって [ブロック パラメーター] ダイアログ ボックスを開きます。
シミュレーションを実行する前に、MATLAB Function ブロックのサンプルレートを設定しなければなりません。コールバック関数 PreLoadFcn および InitFcn は、gsmUplinkConfig オブジェクトと wfInfo 構造体を作成して、MATLAB Function ブロックを構成します。コールバック関数を表示するには、[モデル化] タブの [設定] セクションで、[モデル設定]、[モデル プロパティ] を選択します。次に、[コールバック] タブで、[モデルのコールバック] ペイン内のコールバック関数 PreLoadFcn または InitFcn を選択します。
結果
シミュレーションを実行して、時間領域信号とスペクトログラムを表示します。


詳細
GSM の送信は TDMA フレームで構成されています。各 GSM TDMA フレームは 8 つのタイム スロットで構成されています。タイム スロットの送信データ コンテンツは "バースト" と呼ばれます。3GPP TS 45.011 の 5.2 節に記載されているように、通常のシンボル周期を使用する場合、GSM タイム スロットには 156.25 のシンボル区間があります。これは、15/26 ms または約 576.9 マイクロ秒の時間間隔に相当します。8.25 個のシンボルまたは約 30.46 マイクロ秒の保護期間で各タイム スロットは分離されています。GSM 標準では、シンボルは 1 ビット期間として説明されています。GSM は GMSK 変調を使用するため、ビット期間あたり 1 ビットが存在します。タイム スロット内のバーストの送信タイミングは、ビット番号 (BN) で定義されます。BN は、タイム スロット内の特定のビット期間を表します。最小の BN をもつビットが最初に送信されます。BN0 は最初のビット期間で、BN156 は最後の 4 分の 1 ビット期間です。
3GPP TS 45.011 に掲載されている次の図は、さまざまなフレーム タイプ間の関係とさまざまなバースト タイプ間の関係を示しています。

次の表は、サポートされているバースト タイプとそれらの特性を示しています。
| バースト タイプ | 説明 | リンク方向 | 有効期間 |
|---|---|---|---|
NB | ノーマル バースト | アップリンク/ダウンリンク | 147 |
FB | 周波数補正バースト | ダウンリンク | 147 |
SB | 同期バースト | ダウンリンク | 147 |
Dummy | ダミー バースト | ダウンリンク | 147 |
AB | アクセス バースト | アップリンク | 87 |
Off | 送信されるバーストなし | アップリンク/ダウンリンク | 0 |
3GPP TS 45.002 の 5.2.2 節で説明されている "有効期間" は GSM バーストの特性の 1 つです。バーストの有効期間 (有効部分) は、BN0 の半分を過ぎたところから始まり、保護期間が始まる前の半分のビット期間で終わるように定義されます。"保護期間" は、連続するタイム スロットのバースト間の期間です。3GPP TS 45.004 の 2.2 節に掲載されている次の図は、バーストの有効部分とアクティブ部分の間での先頭と末尾の 2 分の 1 ビットの差を示しています。

詳細については、波形生成のための GSM TDMA フレームのパラメーター化を参照してください。
ノーマル バーストには、指定された TSC に基づいてビット パターンが割り当てられるトレーニング シーケンス ビット フィールドが含まれています。GSM の場合、ノーマル バースト タイプのタイム スロットでは以下の 8 つのトレーニング シーケンスのいずれかを選択できます。
トレーニング シーケンス コード (TSC) | トレーニング シーケンス ビット (BN61、BN62、...、BN86) |
|---|---|
0 | (0,0,1,0,0,1,0,1,1,1,0,0,0,0,1,0,0,0,1,0,0,1,0,1,1,1) |
1 | (0,0,1,0,1,1,0,1,1,1,0,1,1,1,1,0,0,0,1,0,1,1,0,1,1,1) |
2 | (0,1,0,0,0,0,1,1,1,0,1,1,1,0,1,0,0,1,0,0,0,0,1,1,1,0) |
3 | (0,1,0,0,0,1,1,1,1,0,1,1,0,1,0,0,0,1,0,0,0,1,1,1,1,0) |
4 | (0,0,0,1,1,0,1,0,1,1,1,0,0,1,0,0,0,0,0,1,1,0,1,0,1,1) |
5 | (0,1,0,0,1,1,1,0,1,0,1,1,0,0,0,0,0,1,0,0,1,1,1,0,1,0) |
6 | (1,0,1,0,0,1,1,1,1,1,0,1,1,0,0,0,1,0,1,0,0,1,1,1,1,1) |
7 | (1,1,1,0,1,1,1,1,0,0,0,1,0,0,1,0,1,1,1,0,1,1,1,1,0,0) |
詳細については、3GPP TS 45.002 の 5.2.3 節を参照してください。
参照
[1] 3GPP TS 45.001. "GSM/EDGE Physical layer on the radio path. General description." 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.
[2] 3GPP TS 45.002. "GSM/EDGE Multiplexing and multiple access on the radio path." 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.
[3] 3GPP TS 45.004. "GSM/EDGE Modulation." 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.
拡張機能
使用上の注意および制限:
オブジェクトを作成する場合、
SamplesPerSymbol、RiseTime、RiseDelay、FallTime、およびFallDelayプロパティを設定しなければなりません。これらの設定は生成コード内で静的です。BurstTypeプロパティを設定するときは、string 表現ではなく列挙型を使用しなければなりません。gsmDownlinkBurstType列挙値のgsmDownlinkBurstType.NB、gsmDownlinkBurstType.AB、およびgsmUplinkBurstType.Offを使用します。たとえば、次のコードは、タイム スロット 2 および 5 にアクセス バーストを割り当てます。cfg = gsmUplinkConfig
cfg = gsmUplinkConfig with properties: BurstType: [NB NB NB NB NB NB NB NB] SamplesPerSymbol: 16 TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7] Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0] RiseTime: 2 RiseDelay: 0 FallTime: 2 FallDelay: 0cfg.BurstType([2 5] +1) = gsmUplinkBurstType.AB
cfg = gsmUplinkConfig with properties: BurstType: [NB NB AB NB NB AB NB NB] SamplesPerSymbol: 16 TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7] Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0] RiseTime: 2 RiseDelay: 0 FallTime: 2 FallDelay: 0
バージョン履歴
R2019b で導入名前と値の引数 PulseLength を使用して、ガウス フィルターのパルス長をシンボル区間単位で指定します。既定値はパルス長を 4 に設定します。関数 gsmFrame において、立ち上がりおよび立ち下がりのマスクのスペクトル形状として、サイン ロールオフの代わりにレイズド コサイン ロールオフも使用できるようになりました。パルス長を選択することで、設計におけるスペクトル占有率を最適化できます。
以前のリリースでは、GMSK 変調器のパルス長は 1 に固定されており、立ち上がりおよび立ち下がりのマスクのスペクトル形状は正弦波形状に固定されていました。ロールオフ形状をレイズド コサインとし、パルス長を 4 とすることで、チャネル外および帯域外のスペクトル除去が改善されます。
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