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gsmCheckTimeMask

時間マスクに対する GSM バーストの検査

R2019b 以降

構文

gsmCheckTimeMask(gsmCfg)

gsmCheckTimeMask(gsmCfg,tn)

pf = gsmCheckTimeMask(gsmCfg)

pf = gsmCheckTimeMask(gsmCfg,tn)

説明

gsmCheckTimeMask(gsmCfg) は、入力 GSM 構成オブジェクトに関する最初のタイム スロットでのバーストと上限および下限時間マスクをプロットします。構成オブジェクトの RiseTime、RiseDelay、FallTime、および FallDelay プロパティによって、時間に対するパワー レベルの特性が定義されます。詳細については、時間マスクを参照してください。

gsmCheckTimeMask(gsmCfg,tn) は、指定されたタイム スロット tn に対するバーストをプロットします。

pf = gsmCheckTimeMask(gsmCfg) は、指定された構成オブジェクトについて、最初のタイム スロットのバーストが GSM 標準で定義されている時間マスクに準拠しているかどうかを示す、パスか失敗かの結果を返します。詳細については、時間マスクを参照してください。

pf = gsmCheckTimeMask(gsmCfg,tn) は、指定されたタイム スロット tn でのバーストの準拠状況を示す、パスか失敗かの結果を返します。

例

GSM バーストと時間マスクの照合

既定の設定を使用して GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。GSM TDMA フレームには 8 つのタイム スロットがあります。最初のタイム スロットのバーストを GSM 標準で規定されている時間マスクに照らし合わせます。

既定の設定を使用して GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。

cfggsmul = gsmUplinkConfig;

関数 gsmCheckTimeMask を使用してタイム マスクを表示し、バーストの構成された立ち上がりおよび立ち下がり特性が GSM 標準で規定されている時間マスクに準拠していることを確認します。GSM バーストと時間マスクをプロットします。タイム スロット番号を指定しない場合、関数 gsmCheckTimeMask は最初のタイム スロット TN=0 を表示します。

pf = gsmCheckTimeMask(cfggsmul);
if pf
    disp('Time mask test passed.')
else
    disp('Time mask test failed.')
end

Time mask test passed.

gsmCheckTimeMask(cfggsmul);

GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトの立ち上がり時間を調整し、時間マスクの失敗を引き起こす値を指定します。

cfggsmul.RiseTime = 5

cfggsmul = 
  gsmUplinkConfig with properties:

           BurstType: [NB    NB    NB    NB    NB    NB    NB    NB]
    SamplesPerSymbol: 16
                 TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
         Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0]
            RiseTime: 5
           RiseDelay: 0
            FallTime: 2
           FallDelay: 0

関数 gsmCheckTimeMask を使用して、cfggsmul の時間マスクを検査します。パスか失敗かの結果は cfggsmul 構成が今度は時間マスクに関して失敗であることを示します。プロットは上限時間マスクで失敗であることを示します。

pf = gsmCheckTimeMask(cfggsmul);
if pf
    disp('Time mask test passed.')
else
    disp('Time mask test failed.')
end

Time mask test failed.

gsmCheckTimeMask(cfggsmul);

指定されたタイム スロットの GSM バーストと時間マスクの照合

既定の設定を使用して GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。GSM TDMA フレームには 8 つのタイム スロットがあります。指定されたタイム スロットのバーストを GSM 標準で規定されている時間マスクに照らし合わせます。

既定の設定を使用して GSM ダウンリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。

cfggsmul = gsmDownlinkConfig;

関数 gsmCheckTimeMask を使用してタイム マスクを表示し、指定したタイム スロットのバーストに構成された立ち上がりおよび立ち下がり特性が GSM 標準で規定されている時間マスクに準拠していることを確認します。GSM バーストと時間マスクをプロットします。

tn = 6; % Time slot number 6
pf = gsmCheckTimeMask(cfggsmul,tn);
if pf
    disp('Time mask test passed.')
else
    disp('Time mask test failed.')
end

Time mask test passed.

gsmCheckTimeMask(cfggsmul,tn);

GSM ダウンリンク TDMA フレーム構成オブジェクトの立ち下がり遅延を調整し、時間マスクの失敗を引き起こす値を指定します。

cfggsmul.FallDelay = 4

cfggsmul = 
  gsmDownlinkConfig with properties:

           BurstType: [NB    NB    NB    NB    NB    NB    NB    NB]
    SamplesPerSymbol: 16
                 TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
         Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0]
            RiseTime: 2
           RiseDelay: 0
            FallTime: 2
           FallDelay: 4

関数 gsmCheckTimeMask を使用して、cfggsmul の時間マスクを検査します。パスか失敗かの結果は cfggsmul 構成が今度は時間マスクに関して失敗であることを示します。プロットは上限時間マスクで失敗であることを示します。

pf = gsmCheckTimeMask(cfggsmul,tn);
if pf
    disp('Time mask test passed.')
else
    disp('Time mask test failed.')
end

Time mask test failed.

gsmCheckTimeMask(cfggsmul,tn);

GSM バーストでの時間マスクのチェック

利用可能なさまざまなバースト タイプを使用する GSM ダウンリンクおよびアップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。

• ノーマル バーストとデータのないバーストは、ダウンリンク フレームおよびアップリンク フレームで有効です。

• 周波数補正バースト、同期バースト、およびダミー バーストはダウンリンク フレームでのみ有効です。

• アクセス バーストはアップリンク フレームでのみ有効です。

さまざまなバースト タイプの時間マスクを表示して、ダウンリンク フレームとアップリンク フレームにおいて、GSM 標準で規定されている時間マスクと比較します。

[NB FB SB Dummy Off Off Off Off] のタイム スロット バーストを構成する GSM ダウンリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。

cfggsmdl = gsmDownlinkConfig('BurstType',["NB" "FB" "SB" "Dummy" "Off" "Off" "Off" "Off"])

cfggsmdl = 
  gsmDownlinkConfig with properties:

           BurstType: [NB    FB    SB    Dummy    Off    Off    Off    Off]
    SamplesPerSymbol: 16
                 TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
         Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0]
            RiseTime: 2
           RiseDelay: 0
            FallTime: 2
           FallDelay: 0

関数 gsmCheckTimeMask を使用して、さまざまなタイム スロット バースト タイプの時間マスクを表示します。ダウンリンク GSM TDMA フレームの場合、同じ時間マスク制限がすべてのバースト タイプに適用されます。

for tn = 0:4
    [dlbt,dlbtVal] = enumeration(cfggsmdl.BurstType);
    dlBurstInfo = ['Downlink (TN=',num2str(tn),'), BurstType: ',dlbtVal{tn+1}];
    disp(dlBurstInfo)
    gsmCheckTimeMask(cfggsmdl,tn);
end

Downlink (TN=0), BurstType: NB

Downlink (TN=1), BurstType: FB

Downlink (TN=2), BurstType: SB

Downlink (TN=3), BurstType: Dummy

Downlink (TN=4), BurstType: Off

[NB AB Off Off Off Off Off Off] のタイム スロット バーストを構成する GSM アップリンク TDMA フレーム構成オブジェクトを作成します。

cfggsmul = gsmUplinkConfig('BurstType',["NB" "AB" "Off" "Off" "Off" "Off" "Off" "Off"])

cfggsmul = 
  gsmUplinkConfig with properties:

           BurstType: [NB    AB    Off    Off    Off    Off    Off    Off]
    SamplesPerSymbol: 16
                 TSC: [0 1 2 3 4 5 6 7]
         Attenuation: [0 0 0 0 0 0 0 0]
            RiseTime: 2
           RiseDelay: 0
            FallTime: 2
           FallDelay: 0

関数 gsmCheckTimeMask を使用して、さまざまなタイム スロット バースト タイプの時間マスクを表示します。アップリンク GSM TDMA フレームの場合、アクセス バーストの時間マスクは、ノーマル バーストやデータのないバーストよりも短くなります。

for tn = 0:2
    [ulbt,ulbtVal] = enumeration(cfggsmul.BurstType);
    ulBurstInfo = ['Uplink (TN=',num2str(tn),'), BurstType: ',ulbtVal{tn+1}];
    disp(ulBurstInfo)
    gsmCheckTimeMask(cfggsmul,tn);
end

Uplink (TN=0), BurstType: NB

Uplink (TN=1), BurstType: AB

Uplink (TN=2), BurstType: Off

入力引数

gsmCfg — GSM 構成

gsmUplinkConfig オブジェクト | gsmDownlinkConfig オブジェクト

GSM 構成。gsmUplinkConfig または gsmDownlinkConfig オブジェクトとして指定します。

tn — タイム スロット番号

0 (既定値) | 範囲 [0, 7] の整数

タイム スロット番号。範囲 [0, 7] の整数として指定します。

データ型: double

出力引数

pf — パスか失敗かの結果

0 | 1

パスか失敗かの結果。以下として返されます。

• 時間マスクにパスした場合は 1

• 時間マスクに失敗した場合は 0

詳細については、時間マスクを参照してください。

詳細

時間マスク

時間マスクは、GSM TDMA フレームのタイム スロット バーストにおいて、時間に対する送信パワー レベルの許容値を定義します。TS 45.005 の Annex B に掲載されている次の図は、バーストの時間マスクのパワーの上限と下限を示しています。

参照

[1] 3GPP TS 45.005. "GSM/EDGE Radio transmission and reception." 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.

拡張機能

C/C++ コード生成

MATLAB® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

使用上の注意および制限:

• プロットの出力は、コード生成でサポートされません。

バージョン履歴

R2019b で導入

参考

オブジェクト

• gsmDownlinkConfig | gsmUplinkConfig

関数

• gsmFrame | gsmInfo

トピック

• 波形生成のための GSM TDMA フレームのパラメーター化