AUTOSAR Adaptive コンポーネントおよびコンポジションの追加と接続

AUTOSAR アーキテクチャモデルを作成したら、AUTOSAR Classic または AUTOSAR Adaptive の最上位ソフトウェア設計を作成します。コンポジションエディターには、AUTOSAR 仮想機能バス (VFB) に基づいて AUTOSAR ソフトウェアアーキテクチャが表示されます。

まず、Simulink^® ツールストリップの [モデル化] タブで [プラットフォーム] をクリックし、[Adaptive Platform] を選択して Adaptive アーキテクチャのモデル化を構成します。その後、コンポジションエディターと [モデル化] タブを使用して、AUTOSAR ソフトウェアコンポジションおよび Adaptive コンポーネントを追加し、接続できます。

または、ARXML ファイルからソフトウェアコンポジションをインポートできます。ARXML からの AUTOSAR コンポジションのインポートを参照してください。

Adaptive Component ブロックの追加と接続

アーキテクチャモデルに AUTOSAR Adaptive ソフトウェアコンポーネントを追加し、接続するには、次のようにします。

コンポーネントを追加する。
[モデル化] タブまたはキャンバスの左側にあるパレットから、Adaptive Component ブロックを追加します。プロパティインスペクターを使用してブロックを検査できます。Adaptive アーキテクチャのモデル化のコンポーネントの [種類] は [AdaptiveApplication] です。
コンポーネントの要求側ポートと提供側ポートを追加する。
各コンポーネントポートを追加するには、Adaptive Component ブロックの端をクリックします。サービスインターフェイスを介した通信をモデル化するためのポートのコントロールが表示されます。
- イベント通信の場合、要求側ポートには [入力]、提供側ポートには [出力] を選択します。
- メソッド通信の場合、要求側ポートには [クライアント]、提供側ポートには [サーバー] を選択します。
ブロックの端子を接続する。
Adaptive Component ブロックを他のブロックに接続するには、ブロックの端子を信号線で接続します。Adaptive Component ブロックの相互接続は、2 つの通信エンドポイント間のサービス指向の通信を表します。
ルート端子を接続する。
Adaptive Component ブロックをアーキテクチャまたはコンポジションモデルのルート端子に接続するには、コンポーネントのポートから、それが含まれるモデルの境界に線をドラッグします。
接続を解放すると、境界にルート端子が作成されます。
プロパティインスペクターを使用して、追加の AUTOSAR プロパティを構成する。

例として、クライアント/サーバーアーキテクチャモデルのコンポーネントを追加して接続します。このモデルは、要求側ポートを介して生データを受信し、そのデータをフィルターサービスコンポーネントのメソッド呼び出しを使用してフィルター処理してから、フィルター処理したデータを提供側ポートを介して送信するセンサークライアントコンポーネントで構成されています。

Simulink スタートページを使用して、AUTOSAR アーキテクチャモデルを作成します(詳細については、AUTOSAR アーキテクチャモデルの作成を参照してください)。モデルキャンバスには最初は何も表示されていません。
[モデル化] タブで [プラットフォーム] をクリックし、[Adaptive Platform] を選択します。
[モデル化] タブまたはパレットで、2 つの Adaptive Component ブロックを追加します。1 つ目のブロックに Sensor、2 つ目のブロックに Filter というラベルを付けます。Filter コンポーネントを Sensor コンポーネントの下に配置します。
Sensor コンポーネントと Filter コンポーネントにポートを追加します。
1. Sensor コンポーネントにクライアントポートを追加し、Filter_RPort というラベルを付けます。
2. Filter コンポーネントにサーバーポートを追加し、Filter_PPort というラベルを付けます。
3. 2 つのポートを接続します。
4. Sensor コンポーネントに入力端子を追加し、Data_RPort というラベルを付けます。
5. Sensor コンポーネントに出力端子を追加し、FilteredData_PPort というラベルを付けます。ラベルが収まるように、必要に応じて Sensor コンポーネントのサイズを変更します。
Data_RPort ポートと FilteredData_PPort ポートをアーキテクチャモデルのルート端子に接続します。各ポートからモデル境界に線をドラッグします。

これで設計は完成ですが、まだ AUTOSAR コンポーネントに動作が定義されていません。

次のステップでは、モデルの作成、インポート、またはリンクによって、Simulink の動作を AUTOSAR コンポーネントに追加します。モデルの作成またはリンクによる AUTOSAR コンポーネントの動作の定義を参照してください。

Requirements Toolbox™ ソフトウェアをお持ちの場合、AUTOSAR アーキテクチャモデル内のコンポーネントを要件にリンクできます。AUTOSAR コンポーネントと要件のリンクを参照してください。

Adaptive モデルへのコンポジションブロックの追加と接続

アーキテクチャモデルで入れ子にされた AUTOSAR ソフトウェアコンポジションを追加し、接続するには、次のようにします。

[モデル化] タブまたはキャンバスの左側にあるパレットから、Software Composition ブロックを追加する。
コンポジションの要求側ポートと提供側ポートを追加する。各コンポジションポートを追加するには、Software Composition ブロックの端をクリックします。サービスインターフェイスを介した通信をモデル化するためのポートのコントロールが表示されます。
- イベント通信の場合、要求側ポートには [入力]、提供側ポートには [出力] を選択します。
- メソッド通信の場合、要求側ポートには [クライアント]、提供側ポートには [サーバー] を選択します。
あるいは、Software Composition ブロックを開きます。各コンポジションポートを追加するには、コンポジションブロック線図の境界をクリックします。ポートのコントロールが表示されたら、インターフェイスに応じて、要求側ポートには [入力] または [クライアント]、提供側ポートには [出力] または [サーバー] を選択します。
Software Composition ブロックを他のブロックに接続するには、ブロックの端子を信号線で接続する。
Software Composition ブロックをアーキテクチャまたはコンポジションモデルのルート端子に接続するには、コンポジションのポートから、それが含まれるモデルの境界に線をドラッグする。
接続を解放すると、境界にルート端子が作成されます。
プロパティインスペクターを使用して、追加の AUTOSAR プロパティを構成する。

AUTOSAR コンポジションには、共通の目的をもつ一連の AUTOSAR コンポーネントとコンポジションが含まれます。コンポジションを追加するには、Software Composition ブロックを開いて、さらなる Adaptive Component ブロックおよび Software Composition ブロックの追加を開始します。

参考

Adaptive Component | Software Composition