Newport 社: データ収集と解析の時間を何百時間も削減
課題
計測機器の制御、テスト・データの収集と解析をより速く、より効率的に、より正確に
ソリューション
計測機器の制御には Instrument Control Toolbox を、データ収集には Data Acquisition Toolbox を、そして、データ解析にはMATLAB を活用
結果
- カスタマイズ品をスケジュール通りにリリース
- 複数の計測機器から信頼性の高い計測結果を取得
- 解析時間を何百時間も削減
ニューポート社は、マイクロチップ製造プロセスの要求精度でシリコン・ウエハーを移動させるモーション・コントローラなど、様々な製品を半導体研究業界向けに開発しています。半導体業界は電子デバイスの小型化を進めており、Newport 社製品は、ナノメータ・レベル以下の分解能を実現しています。そのような微小スケールでは、0.1度の温度変化は、コントローラの動作に影響を及ぼし、マイクロチップ製造の成否にも関わります。
このような変化の測定には、温度センサ、レーザ干渉計、オートコリメータと加速度計など、高精度の測定機器が要求されます。また、素早く、かつ、正確に、テストデータを解析することも要求されます。Newport 社は、MATLAB®プロダクトを利用し、このような測定機器から素早く、容易に、測定データを収集し、測定結果を解析しています。
「Instrument Control Toolbox と Data Acquisition Toolbox を用いれば、テストデータは全て、MATLAB 上に取り込めるので、即座に結果を得られるのです。かつては、わずか1回のテストに数日もかかっていました。MATLAB を用いれば、同じテストに対し、テストを行い、結果を解析するのに、数時間ですみます。」
課題
Newport 社は、ある半導体関連顧客向けに、モーション・コントローラの1つを位置精度を決定できるようにカスタマイズすることにしました。そのプロジェクトでは、温度、圧力、湿度、運動を精密に測定する広範囲なテストが行われることになっていました。
「計測機器の制御とデータの収集と解析が課題でした。運動計測のために、1製品あたり、10から12の温度センサとレーザ干渉計を使うこともあるのです。」
複数の計測機器を制御するテスト・ケースの作成と維持をCのような一般的なプログラム言語で行うと、とても時間がかかります。また、テスト毎に、計測機器からの測定結果をデータ解析ツールに転送することも困難です。さらに、計測機器、テスト毎の測定数、テスト回数が膨大なため、転送すべき大量のデータを表計算シートに取り込むこともできません。一方、Newport 社は、同じテストを複数回繰り返す必要がありましたが、データの相関がよくありませんでした。
Cコードを作成せずに、複数の計測機器を制御し、測定結果を収集し、解析するには、Newport 社には、市販の実験/計測用ハードウェアに対応し、かつ、実績ある、データ解析、可視化/プロット機能を有する実験/計測用ソフトウェアが必要だったのです。
ソリューション
Newport 社は、単一のソフトウェア環境から測定結果を収集し、解析するために、MATLAB、Instrument Control Toolbox™、Data Acquisition Toolbox™ を用い、その結果、テスト・データの効率性と品質が向上しました。
以前は、手間をかけて、多くの計測機器からデータを収集し、手作業でまとめていましたが、それに要する時間とコストは膨大でした。例えば、8時間のテストのデータを解析するのに、以前は、1週間もかかりました。しかし、MATLAB、Data Acquisition Toolbox、Instrument Control Toolbox を用いれば、10分にまで削減できました。
Newport 社は、Instrument Control Toolbox を用いることにより、計測機器毎に別々の製品を使うことなく、温度、圧力、湿度、運動を測定するテスト用の計測機器との通信と制御を行いました。
Newport社は、Data Acquisition Toolbox を用いることにより、Measurement Computing 社などのいくつかのベンダーが提供するデータ収集ボードから直接、何時間ものテスト・データを収集しました。
測定データを全て、直接、MATLAB に取り込むことにより、1回のテストで測定データを全て収集できるため、テスト時間は削減でき、データの相関も高くなりました。」
Newport 社は、位置の精度と再現性を評価するために、MATLAB を使い、運動方向の軸を走査し、測定値と計算値の偏差を色で表す3次元プロットも作成しました。Newport 社は、問題となる場所の分離、精度と再現性の確認のため、MATLAB により、データを可視化しました。そして、 MATLAB のプロット図を用い、製品が技術仕様を満足していることを示しました。Newport 社は、継続して、計測関連 MATLAB を利用し、テスト、製造などの作業の自動化を進めています。
結果
- カスタマイズ品をスケジュール通りにリリース. 「製品をスケジュール通りにリリースできるかは、テスト結果をいかに速く取得できるかにかかっています。MATLAB、Instrument Control Toolbox、Data Acquisition Toolbox により、プロジェクトのスケジュールを守り、プロジェクトを成功させることができました。」
- 複数の計測機器から信頼性の高い計測結果を取得. 「MATLAB を利用する前は、1回に1軸分しか測定できませんでしたので、測定における時間経過の問題がありました。今は、多くの測定機器からデータを収集し、解析できますので、結果に大いに自信を持てるようになりました。」
- 解析時間を何百時間も削減. 「解析用のコードを当社で記述することもできるのですが、MATLAB には既にそのような関数が用意されているのです。これは、何百時間もの時間を削減することになります。」