Aerospace Toolbox には、航空宇宙機の運動やミッション、環境を解析するための標準的なツールや関数が用意されています。また、航空宇宙向け数学演算、座標系、空間変換、および飛行データを解釈するための検証済みの環境モデルが含まれています。このツールボックスには、2D および 3D の可視化ツールや、航空宇宙機の運動を観察するための標準的なコックピット計器も付属しています。
飛行体の場合は、Data Compendium (DATCOM) ファイルを MATLAB® に直接インポートし、機体の航空力学を表現できます。航空力学を参照パラメーターと組み合わせて、制御設計や飛行特性の解析向けに航空機の構成やダイナミクスを定義することができます。
Aerospace Toolbox では、人工衛星と地上局で構成されるシナリオの設計および解析ができます。軌道要素や 2 行軌道要素形式からの衛星軌道の伝播や、衛星やコンスタレーション軌道暦の読み込み、LOS (見通し) アクセスなどのミッション解析タスクの実行、地上航跡や地球上でのシナリオの可視化を行うことができます。
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座標系変換
座標系関数を使用して、飛行力学や運動を表すデータ全体で単位を標準化したり、空間表現および座標系を変換したり、機体の挙動を 3 自由度および 6 自由度で表現したりできます。
飛行パラメーター
関数を使用して、対気速度、入射角および横滑り角、マッハ数、相対応力、密度、温度比などの空気力学的な飛行パラメーターを推定できます。
四元数演算
組み込み関数を使用して、四元数のノルム、絶対値、自然対数、乗算、除算、逆べき乗、べき乗、指数を計算できます。また、線形、球面線形、正規化線形の各メソッドにより 2 つの四元数間の補間が可能です。
固定翼航空機
米国空軍のデジタル版 DATCOM ファイルをインポートすることで、カスタムの状態で固定翼機航空機オブジェクトを作成し、MATLAB で線形化および静的安定性解析を行うことができます。
DATCOM データ
静的解析および動的解析から空力係数をインポートし、DATCOM 出力ファイルの情報を含む構造のセル配列として MATLAB に転送します。
小型衛星ミッション解析
satelliteScenario
オブジェクトを使用して、軌道上の衛星のモデル化および可視化を行い、地上局との LOS (見通し) アクセスを計算します。太陽系の天体暦データを使用して、ユリウス暦の特定の日の惑星の位置と速度を計算します。
衛星シナリオ
衛星シナリオを作成して、衛星やコンスタレーションのモデル化および可視化と、ミッション解析 (地上局との LOS (見通し) アクセスの計算など) を行います。
惑星暦
MATLAB で、NASA Jet Propulsion Laboratory から取得したチェビシェフ係数を使用して、ユリウス暦の特定の日における太陽系小天体の、特定の物体中心に対する相対的な位置と速度、および地球の章動と月の秤動運動を計算できます。
大気
COSPAR International Reference Atmosphere 1986、1976 COESA、International Standard Atmosphere (ISA)、Lapse Rate Atmosphere、および 2001 U.S. Naval Research Lab Exosphere などの検証済みの環境モデルを使用して、地球の大気を表現できます。
重力と磁場
標準的なモデルを使用して、重力や磁場を計算します。関数を使用することで、Earth Geopotential Model、世界磁気モデル、国際標準地球磁場 (EGM2008、WMM2020、IGRF13 など) を実装できます。また、アドオン エクスプローラーでダウンロードできるジオイドデータに基づき、高さや起伏を計算することもできます。
風
水平風関数を使用して、U.S. Naval Research Laboratory の水平風モデルルーチンを実装し、1 つ以上の地球物理学データセットに対して、風に関する子午線方向および地域的コンポーネントを計算できます。
飛行計器
MATLAB でコックピットの標準的な飛行計器を使用して誘導変数を表示できます。計器には、対気速度、上昇率計、排気温度計、高度計、人工水平儀、旋回傾斜計などがあります。
フライト シミュレーター インターフェイス
FlightGear のアニメーション オブジェクトでは、飛行データと機体の運動を 3 次元環境で可視化できます。