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ウェーブレット信号デノイザー

時系列データの可視化やノイズ除去

説明

ウェーブレット信号デノイザー アプリは、実数値の 1 次元信号を可視化してノイズ除去し、結果を比較するための対話型ツールです。このアプリでは、以下を行うことができます。

  • MATLAB® ワークスペース内のすべての信号にアクセスする。

  • 既定のパラメーターの調整やさまざまなノイズ除去手法の適用を簡単に行う。

  • 結果を可視化して比較する。

  • ノイズ除去後の信号をワークスペースにエクスポートする。

  • MATLAB スクリプトを生成することにより、ワークスペースでノイズ除去後の信号を再作成する。

ウェーブレット信号デノイザー アプリを使用すると、ノイズ除去後のデータの複数バージョンを同時に扱うことができます。

このアプリを使用した信号のノイズ除去と結果の比較の一般的なワークフローは以下のとおりです。

  1. アプリを起動し、MATLAB ワークスペースから 1 次元信号をインポートします。既定のパラメーターを使用してデータのノイズを除去した初期バージョンが表示されます。

  2. ノイズ除去パラメーターを調整し、ノイズ除去後の信号を複数バージョン作成します。

  3. 結果を比較し、ノイズ除去後の必要な信号をワークスペースにエクスポートします。

  4. ワークスペース内の他の信号に同じノイズ除去パラメーターを適用するには、MATLAB スクリプトを生成し、必要な場合は変更します。

詳細については、Denoise a Signal with the Wavelet Signal Denoiserを参照してください。

Wavelet Signal Denoiser app

ウェーブレット信号デノイザー アプリを開く

  • MATLAB ツールストリップ: [アプリ] タブの [信号処理と通信] でアプリのアイコンをクリックします。

  • MATLAB コマンド プロンプト: waveletSignalDenoiser と入力します。

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この例では、アプリの既定の設定を使用して 1 次元信号のノイズを除去する方法を示します。

ノイズがある Doppler 信号を読み込みます。

load noisdopp

MATLAB® ツールストリップの [アプリ] タブからウェーブレット信号デノイザー アプリを選択して起動します。MATLAB コマンド プロンプトで waveletSignalDenoiser と入力してもアプリを起動できます。

ツールストリップで [インポート] をクリックして、ノイズがある Doppler 信号をワークスペースからアプリに読み込みます。アプリに読み込めるワークスペース変数のリストから noisdopp を選択し、[インポート] をクリックします。

元の信号 noisdopp、ノイズ除去後の信号 noisdopp1、および粗いスケールの近似 Approximation が表示されます。

表示されるプロットは、次のように切り替えられます。

  • ツールストリップで [信号] ▼ をクリックし、ドロップダウン メニューを使用して、元のプロットと近似プロットの表示を切り替える。

  • プロットの凡例で個々の信号をクリックする。

パラメーター

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信号のノイズ除去に使用されるウェーブレット ファミリ。次のいずれかとして指定します。

  • sym — Symlet

  • bior — 双直交スプライン ウェーブレット

  • coif — Coiflet

  • db — Daubechies ウェーブレット

  • fk — Fejér-Korovkin ウェーブレット

詳細については、wdenoise を参照してください。

適用するノイズ除去方法。次のいずれかとして指定します。

  • Bayes — 実証的ベイズ

  • BlockJS — ブロック James-Stein

  • FDR — 偽発見率

  • Minimax — ミニマックス推定

  • SURE — Stein の不偏リスク推定

  • UniversalThreshold — ユニバーサルなしきい値

詳細については、wdenoise を参照してください。

使用するしきい値処理ルール。有効なオプションはノイズ除去方法によって異なります。

  • ブロック James-Stein — James-Stein

  • 実証的ベイズ — MedianMeanSoftHard

  • 偽発見率 — Hard

  • ミニマックス推定 — SoftHard

  • Stein の不偏リスク推定 — SoftHard

  • ユニバーサルなしきい値 —SoftHard

詳細については、wdenoise を参照してください。

プログラムでの使用

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waveletSignalDenoiser は、ウェーブレット信号デノイザー アプリを開きます。アプリが初期化されたら、[インポート] をクリックしてノイズ除去する信号をインポートします。

waveletSignalDenoiser(sig) は、ウェーブレット信号デノイザー アプリを開き、sig をインポートし、既定の設定で wdenoise を使用してノイズ除去します。sig、ノイズ除去後の信号、およびその粗いスケールの近似がプロットされます。

sig はワークスペースの変数です。

  • sig は、1 行 N 列または N 行 1 列の実数値のベクトルです。

  • sig は倍精度です。

ヒント

  • マルチチャネル信号の 1 つのチャネルをノイズ除去するには、プログラムでチャネルをインポートします。たとえば、次のコマンドを使用して、マルチチャネルの EEG データ セット Espiga3 の 10 番目のチャネルをノイズ除去します。

    load Espiga3
    waveletSignalDenoiser(Espiga3(:,10))

  • 異なる 1 次元信号を同時にノイズ除去するには、ウェーブレット信号デノイザーの複数のインスタンスを実行します。

バージョン履歴

R2017b で導入