Main Content

さまざまな路面でのヨー安定性

この例では、さまざまな路面で車両運動のダブルレーン チェンジ操作を実行して車両のヨー安定性を解析し、操作が成功するかどうかを確認する方法を示します。

車両の障害物回避性能をテストするためのダブルレーン チェンジ操作が ISO 3888-2 で定義されています。このテストでのドライバーの操作は次のとおりです。

  • 車両がターゲット速度に達するまで加速する

  • アクセル ペダルを放す

  • ステアリング ホイールを回して左車線に入る

  • ステアリング ホイールを回して右車線に戻る

一般に、車線境界線はコーンで示されます。車両とドライバーがコーンに当たらずに通過できれば、車両はテストにパスします。

リファレンス アプリケーションの詳細については、ダブルレーン チェンジ操作を参照してください。

helpersetupdlc;

ダブルレーン チェンジ操作の実行

1. Lane Change Reference Generator ブロックを開きます。既定では、操作のパラメーターは次のように設定されています。

  • 縦方向進入速度の設定点 — 35 mph

  • 車両幅 — 2 m

  • 横方向の基準位置ブレークポイント横方向の参照データ — 横方向の基準軌跡を縦方向の距離の関数として指定する値

2. Visualization サブシステムで 3D Engine ブロックを開きます。既定では、[3D エンジン] パラメーターは [無効] に設定されています。3D 可視化エンジンのプラットフォームの要件やハードウェアの推奨事項については、Unreal Engine シミュレーション環境の要件と制限を参照してください。

3. 操作を実行します。シミュレーションを実行しながら、車両の情報を確認します。

mdl = 'DLCReferenceApplication';
sim(mdl);
### Starting serial model reference simulation build.
### Model reference simulation target for Driveline is up to date.
### Model reference simulation target for PassVeh14DOF is up to date.
### Model reference simulation target for SiMappedEngineV is up to date.

Build Summary

0 of 3 models built (3 models already up to date)
Build duration: 0h 0m 12.46s

  • [Vehicle Position] ウィンドウで、車両の縦方向の距離を横方向の距離の関数として表示します。

  • Visualization サブシステムで、Lane Change Scope ブロックを開き、横方向の変位を時間の関数として表示します。赤とオレンジの線はコーンによる境界線を示します。青の線は基準軌跡、緑の線は実際の軌跡を示します。緑の線は、コーンを示す赤の線に近づきません。

  • Visualization サブシステムで、3D Engine ブロックの可視化環境を有効にすると、車両の応答を AutoVrtlEnv ウィンドウで確認できます。

表面摩擦のスイープ

摩擦のスケーリング係数がそれぞれ異なる 3 つの路面でリファレンス アプリケーションを実行します。結果を使用してヨー安定性を解析します。これは、操作が成功するかどうかを確認するのに役立ちます。

1. ダブルレーン チェンジ リファレンス アプリケーション モデル DLCReferenceApplication で、Environment サブシステムを開きます。摩擦のスケーリング係数は Friction ブロックのパラメーター [定数値] で指定します。既定では、摩擦のスケーリング係数は 1.0 です。リファレンス アプリケーションでは、この係数を使用して各タイム ステップにおける摩擦を調整します。

2. 速度、車線、および ISO の各信号の信号ログを有効にします。Simulink® エディターを使用するか、あるいは以下の MATLAB® コマンドを使用できます。モデルを保存します。

  • Lane Change Reference Generator の Lane 出力端子信号の信号ログを有効にします。

mdl = 'DLCReferenceApplication';
ph=get_param('DLCReferenceApplication/Lane Change Reference Generator','PortHandles');
set_param(ph.Outport(1),'DataLogging','on');
  • Passenger Vehicle ブロックの出力端子信号の信号ログを有効にします。

ph=get_param('DLCReferenceApplication/Passenger Vehicle','PortHandles');
set_param(ph.Outport(1),'DataLogging','on');
  • Visualization サブシステムで、ISO ブロックの信号ログを有効にします。

set_param([mdl '/Visualization/ISO 15037-1:2006'],'Measurement','Enable');

3. 調査する摩擦のスケーリング係数のベクトル lambdamu を設定します。たとえば、0.90.95、および 1.0 に等しい摩擦のスケーリング係数について調べるには、コマンド ラインで次のように入力します。

lambdamu = [0.9, 0.95, 1.0];
numExperiments = length(lambdamu);

4. lambdamu を Friction の定数のブロック パラメーターと等しくなるように設定するシミュレーション入力の配列を作成します。

for idx = numExperiments:-1:1
    in(idx) = Simulink.SimulationInput(mdl);
    in(idx) = in(idx).setBlockParameter([mdl '/Environment/Friction'],...
        'Value',['ones(4,1).*',num2str(lambdamu(idx))]);
end

5. シミュレーション停止時間を 25 秒に設定します。モデルを保存し、シミュレーションを実行します。利用可能な場合は並列計算を使用します。

set_param(mdl,'StopTime','25')
save_system(mdl)
tic;
simout = parsim(in,'ShowSimulationManager','on');
toc;
[20-Jul-2022 14:55:16] Checking for availability of parallel pool...
Starting parallel pool (parpool) using the 'Processes' profile ...
Connected to the parallel pool (number of workers: 6).
[20-Jul-2022 14:56:41] Starting Simulink on parallel workers...
[20-Jul-2022 14:57:16] Loading project on parallel workers...
[20-Jul-2022 14:57:16] Configuring simulation cache folder on parallel workers...
[20-Jul-2022 14:57:31] Loading model on parallel workers...
[20-Jul-2022 14:58:43] Running simulations...
[20-Jul-2022 15:00:53] Completed 1 of 3 simulation runs
[20-Jul-2022 15:00:54] Completed 2 of 3 simulation runs
[20-Jul-2022 15:00:55] Completed 3 of 3 simulation runs
[20-Jul-2022 15:00:55] Cleaning up parallel workers...
Elapsed time is 372.708255 seconds.

6. シミュレーションが完了したら、シミュレーション データ インスペクターのウィンドウを閉じます。

シミュレーション データ インスペクターを使用した結果の解析

シミュレーション データ インスペクターを使用して結果を調べます。UI を使用するか、あるいはコマンド ライン関数を使用できます。

1. シミュレーション データ インスペクターを開きます。Simulink ツールストリップで、[シミュレーション] タブの [結果の確認] にある [データ インスペクター] をクリックします。

  • シミュレーション データ インスペクターで [インポート] を選択します。

  • [インポート] ダイアログ ボックスで logsout をクリアします。simout(1)simout(2)、および simout(3) を選択します。[インポート] を選択します。

  • シミュレーション データ インスペクターを使用して結果を調べます。

2. あるいは、次の MATLAB コマンドを使用して 6 つのプロットを作成します。最初の 3 つのプロットは、各実行についての車線境界線の上限 UB、車線境界線の下限 LB、および車両の横方向の距離 Y を示します。

次の 3 つのプロットは、各実行についての横方向加速度 ay、車両の横方向の距離 Y、およびヨー レート r を示します。

for idx = 1:numExperiments
    % Create sdi run object
    simoutRun(idx)=Simulink.sdi.Run.create;
    simoutRun(idx).Name=['lambdamu = ', num2str(lambdamu(idx))];
    add(simoutRun(idx),'vars',simout(idx));
end
sigcolor=[1 0 0];
for idx = 1:numExperiments
    % Extract the maneuver upper and lower lane boundaries
    ubsignal(idx)=getSignalByIndex(simoutRun(idx),1);
    ubsignal(idx).LineColor = sigcolor;
    lbsignal(idx)=getSignalByIndex(simoutRun(idx),2);
    lbsignal(idx).LineColor = sigcolor;
end
sigcolor=[0 1 0;0 0 1;1 0 1];
for idx = 1:numExperiments
    % Extract the lateral acceleration, position, and yaw rate
    ysignal(idx)=getSignalByIndex(simoutRun(idx),27);
    ysignal(idx).LineColor =sigcolor((idx),:);
    rsignal(idx)=getSignalByIndex(simoutRun(idx),77);
    rsignal(idx).LineColor =sigcolor((idx),:);
    asignal(idx)=getSignalByIndex(simoutRun(idx),79);
    asignal(idx).LineColor =sigcolor((idx),:);
end
Simulink.sdi.view
Simulink.sdi.setSubPlotLayout(numExperiments,2);
for idx = 1:numExperiments
    %  Plot the lateral position and lane boundaries
    plotOnSubPlot(ubsignal(idx),(idx),1,true);
    plotOnSubPlot(lbsignal(idx),(idx),1,true);
    plotOnSubPlot(ysignal(idx),(idx),1,true);
end
for idx = 1:numExperiments
    % Plot the lateral acceleration, position, and yaw rate
    plotOnSubPlot(asignal(idx),1,2,true);
    plotOnSubPlot(ysignal(idx),2,2,true);
    plotOnSubPlot(rsignal(idx),3,2,true);
end

結果は次のプロットのようになり、摩擦のスケーリング係数が 1 と等しい場合の車両のヨー レートが約 .66 rad/s になることがわかります。

追加の解析

結果をさらに調べるために、次のコマンドを使用して、横方向加速度、ステアリング角度、および車両の軌跡を simout オブジェクトから抽出します。

1. 横方向加速度とステアリング角度を抽出します。データをプロットします。結果は次のプロットのようになります。これは、摩擦のスケーリング係数が 1 の場合に横方向加速度が最も大きくなることを示しています。

figure
for idx = 1:numExperiments
    % Extract Data
    log = get(simout(idx),'logsout');
    sa=log.get('Steering-wheel angle').Values;
    ay=log.get('Lateral acceleration').Values;
    legend_labels{idx} = ['lambdamu = ', num2str(lambdamu(idx))];
    % Plot steering angle vs. lateral acceleration
    plot(sa.Data,ay.Data)
    hold on
end
% Add labels to the plots
legend(legend_labels, 'Location', 'best');
title('Lateral Acceleration')
xlabel('Steering Angle [deg]')
ylabel('Acceleration [m/s^2]')
grid on

2. 車両の経路を抽出します。データをプロットします。結果は次のプロットのようになります。これは、摩擦のスケーリング係数が 0.9 の場合に車両の横方向の位置が最も大きくなることを示しています。

figure
for idx = 1:numExperiments
    % Extract Data
    log = get(simout(idx),'logsout');
    x = log{3}.Values.Body.InertFrm.Cg.Disp.X.Data;
    y = log{3}.Values.Body.InertFrm.Cg.Disp.Y.Data;
    legend_labels{idx} = ['lambdamu = ', num2str(lambdamu(idx))];
    % Plot vehicle location
    plot(y,x)
    hold on
end
% Add labels to the plots
legend(legend_labels, 'Location', 'best');
title('Vehicle Path')
xlabel('Y Position [m]')
ylabel('X Position [m]')
grid on

参考

|

参照

[1] ISO 3888-2: 2011. Passenger cars — Test track for a severe lane-change manoeuvre.

関連する例

詳細