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シミュレートされた応答が PID 調整器の応答と一致しない

PID 調整器で計算された PID ゲインを使用して Simulink® モデルを実行すると、シミュレーション出力は PID 調整器の応答プロットと異なります。

シミュレートされたモデルが PID 調整器の応答プロットと異なるのには、いくつかの理由があります。シミュレートされた結果が PID 調整器の応答と異なる場合でも設計要件を満たしていれば、設計をさらに改良する必要はありません。シミュレートされた結果が設計要件を満たさない場合は、シミュレートされたモデルで受け入れ可能な PID 設計を見つけることができないを参照してください。

シミュレートされた応答と PID 調整器の応答の違いには、次のような原因があります。

  • Simulink モデルの基準信号または外乱信号と PID 調整器が使用するステップ信号が異なる。モデルの PID コントローラーの性能を評価するステップ信号が必要である場合、モデルの基準信号をステップ信号に変更します。

  • モデルの構造が、PID 調整器の設計対象であるループ構造と異なる。PID 調整器は、ループ構成を次の図のように想定しています。

    図に示されているように、PID 調整器は、単一ゲイン フィードバック ループのフィードフォワード パスで PID コントローラーに対して設計します。Simulink モデルがこの構造と異なる場合、または異なる場所で外乱信号を投入する場合、シミュレートされた応答は PID 調整器の応答とは異なります。

  • モデルの PID Controller ブロックで、飽和制限やアンチワインドアップ回路などの非線形機能を有効にしている。PID 調整器PID Controller ブロックの非線形設定を無視します。そのため、PID 調整器がシミュレーションと異なる応答を示すことがあります。

  • Simulink モデルのプラントに強い非線形性があり、シミュレーションの操作範囲全体で線形化を無効にしている。

  • モデルに保存されている操作点とは異なる操作点を PID 調整器で選択した。この場合、PID 調整器では、シミュレーションを開始する操作点とは異なる操作点に対してコントローラーが設計されています。この操作点を使用して Simulink モデルを初期化し、PID 調整器の操作点を使用してモデルをシミュレートします。特定の操作点での Simulink モデルのシミュレーションを参照してください。

参考

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