ファン デル ポール振動子
この例では、Simulink® でファン デル ポール (VDP) の 2 階微分方程式をモデル化する方法を示します。動力学において、VDP 振動子は非保存系であり、非線形減衰を示します。振幅が大きい場合、振動子はエネルギーを散逸させます。振幅が小さい場合、振動子はエネルギーを生成します。この振動子は、次の 2 階微分方程式で表されます。

ここで、
x は時間の関数としての位置です。
は減衰です。
2 階微分方程式を状態空間形式で表現するには、
を定義します。この状態空間表現は
および
としてモデルに含まれています。


ここで、
VDP 振動子は、電気回路を含む物理学や生物学の分野で使用されています。
open_system('vdp');

Mu = 1 でのシミュレーション
の場合、VDP 振動子は非線形減衰を示します。
set_param('vdp/Mu','Gain','1') sim('vdp'); open_system('vdp/Scope');

Mu = 0 でのシミュレーション
の場合、VDP 振動子は減衰を示しません。このシンプルな調和振動子ではエネルギーは保存されます。方程式は次のようになります。

set_param('vdp/Mu','Gain','0') sim('vdp'); open_system('vdp/Scope');

参考
トピック
- Real-Time Van der Pol Simulation (Simulink Desktop Real-Time)
- 微分代数方程式のモデル化
参照
[1] Cartwright, M. L. "Balthazar Van Der Pol." Journal of the London Mathematical Society. Wiley. s1 35 (July 1960): 367–376. https://doi:10.1112/jlms/s1-35.3.367.
[2] Hirsch, Morris W., Stephen Smale, Robert L. Devaney, and Morris W. Hirsch. Differential Equations, Dynamical Systems, and an Introduction to Chaos. 2nd Ed. San Diego: Academic Press, 2004.

