メインコンテンツ

ファン デル ポール振動子

この例では、Simulink® でファン デル ポール (VDP) の 2 階微分方程式をモデル化する方法を示します。動力学において、VDP 振動子は非保存系であり、非線形減衰を示します。振幅が大きい場合、振動子はエネルギーを散逸させます。振幅が小さい場合、振動子はエネルギーを生成します。この振動子は、次の 2 階微分方程式で表されます。

$$\frac{d^2 x}{dt^2} - \mu\left( 1- x^2 \right) \frac{dx}{dt} + x = 0$$

ここで、

  • x は時間の関数としての位置です。

  • $\mu$ は減衰です。

2 階微分方程式を状態空間形式で表現するには、${x}_1 = x$ を定義します。この状態空間表現は ${x}_1$ および ${x}_2$ としてモデルに含まれています。

$${x}_1^{'}={x}_2$$

$${x}_2^{'}=-{x}_1 + \mu\left( 1- {{x}_1}^2 \right){x}_2$$

ここで、

  • ${x}_1^{'} = \frac{dx}{dt}$

  • ${x}_2^{'} = \frac{d^2 x}{dt^2}$

VDP 振動子は、電気回路を含む物理学や生物学の分野で使用されています。

open_system('vdp');

Mu = 1 でのシミュレーション

$\mu = 1$ の場合、VDP 振動子は非線形減衰を示します。

set_param('vdp/Mu','Gain','1')
sim('vdp');
open_system('vdp/Scope');

Mu = 0 でのシミュレーション

$\mu = 0$ の場合、VDP 振動子は減衰を示しません。このシンプルな調和振動子ではエネルギーは保存されます。方程式は次のようになります。

$$\frac{d^2 x}{dt^2} + x = 0$$

set_param('vdp/Mu','Gain','0')
sim('vdp');
open_system('vdp/Scope');

参考

|

トピック

参照

[1] Cartwright, M. L. "Balthazar Van Der Pol." Journal of the London Mathematical Society. Wiley. s1 35 (July 1960): 367–376. https://doi:10.1112/jlms/s1-35.3.367.

[2] Hirsch, Morris W., Stephen Smale, Robert L. Devaney, and Morris W. Hirsch. Differential Equations, Dynamical Systems, and an Introduction to Chaos. 2nd Ed. San Diego: Academic Press, 2004.