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レガシ関数からの戻り引数によって渡される出力

この例では、レガシ コード ツールを使用して、戻り引数として出力を渡すレガシ C 関数を統合する方法を示します。

レガシ コード ツールを使用すると、以下のことができます。

  • レガシ関数の仕様を提供する。

  • レガシ コードを呼び出すためにシミュレーション時に使用される C-MEX S-Function を生成する。

  • 生成された S-Function をシミュレーション向けにコンパイルし、ビルドする。

レガシ関数の仕様を提供

レガシ コード ツールに含まれる関数は、特定のデータ構造体または構造体配列を引数として使用します。このデータ構造体は、最初の入力として 'initialize' を使って関数 legacy_code() を呼び出すことで初期化されます。構造体の初期化後、統合されるレガシ コードに対応する値に、構造体のプロパティを割り当てる必要があります。この例で呼び出されるレガシ関数のプロトタイプは以下のとおりです。

FLT gainScalar(const FLT in, const FLT gain)

ここで、FLT は float に対する typedef です。レガシ ソース コードは、ファイル your_types.hgain.h、および gainScalar.c にあります。

% sldemo_sfun_gain_scalar
def = legacy_code('initialize');
def.SFunctionName = 'sldemo_sfun_gain_scalar';
def.OutputFcnSpec = 'single y1 = gainScalar(single u1, single p1)';
def.HeaderFiles   = {'gain.h'};
def.SourceFiles   = {'gainScalar.c'};
def.IncPaths      = {'sldemo_lct_src'};
def.SrcPaths      = {'sldemo_lct_src'};

シミュレーション時に使用される S-Function の生成とコンパイル

入力引数 def によって示される説明に従って C-MEX S-Function の生成とコンパイルを自動的に行うために、1 番目の引数を generate_for_sim に設定して関数 legacy_code() が再び呼び出されます。この S-Function は、シミュレーションでレガシ関数を呼び出すときに使用されます。S-Function のソース コードは、ファイル sldemo_sfun_gain_scalar.c にあります。

legacy_code('generate_for_sim', def);
### Start Compiling sldemo_sfun_gain_scalar
    mex('-I/tmp/Bdoc24a_2511836_2267710/tpc2c348de/simulink_features-ex60439838/sldemo_lct_src', '-I/tmp/Bdoc24a_2511836_2267710/tpc2c348de/simulink_features-ex60439838', '-c', '-outdir', '/tmp/Bdoc24a_2511836_2267710/tp083ccc8a_27d3_4e8c_b5a0_9bcbab78f3bc', '/tmp/Bdoc24a_2511836_2267710/tpc2c348de/simulink_features-ex60439838/sldemo_lct_src/gainScalar.c')
Building with 'gcc'.
MEX completed successfully.
    mex('sldemo_sfun_gain_scalar.c', '-I/tmp/Bdoc24a_2511836_2267710/tpc2c348de/simulink_features-ex60439838/sldemo_lct_src', '-I/tmp/Bdoc24a_2511836_2267710/tpc2c348de/simulink_features-ex60439838', '/tmp/Bdoc24a_2511836_2267710/tp083ccc8a_27d3_4e8c_b5a0_9bcbab78f3bc/gainScalar.o')
Building with 'gcc'.
MEX completed successfully.
### Finish Compiling sldemo_sfun_gain_scalar
### Exit

コード生成用の rtwmakecfg.m ファイルの生成

TLC ブロック ファイルの作成後、Simulink® Coder™ を介したコード生成をサポートする rtwmakecfg.m ファイルを生成するために、最初の入力を rtwmakecfg_generate に設定して関数 legacy_code() を再び呼び出すことができます。S-Function に必要なソース ファイルとヘッダー ファイルが S-Function と同じディレクトリになく、コード生成時に作成される makefile 内にこれらの依存関係を追加する場合は、rtwmakecfg.m ファイルを生成します。

メモ: モデルのシミュレーションをアクセラレータ モードで実行する場合にのみ、この手順を実行します。

legacy_code('rtwmakecfg_generate', def);

生成された S-Function を呼び出すためのマスクされた S-Function ブロックの生成

C-MEX S-Function ソースがコンパイルされたら、この S-Function を呼び出すように設定されているマスクされた S-Function ブロックを生成するために、最初の入力を '|slblock_generate|' に設定して関数 legacy_code() を再び呼び出すことができます。このブロックは新しいモデルに配置されますが、既存のモデルにコピーすることもできます。

% legacy_code('slblock_generate', def);

レガシ コードの統合

モデル sldemo_lct_gain は、レガシ コードとの統合を示しています。サブシステム TestGain は、生成された S-Function を介したレガシ C 関数の呼び出しに利用できます。

if isempty(find_system('SearchDepth',0,'Name','sldemo_lct_gain'))
    open_system('sldemo_lct_gain')
    open_system('sldemo_lct_gain/TestGain')
    sim('sldemo_lct_gain');
end

参考