MAT ファイル入力データを使用したハーネスのないモデルの作成
この例では、MAT ファイルのデータをルートレベルの入力端子にマッピングし、ハーネスのないモデルを作成する方法を示します。ルートレベルの入力端子を使用するとシミュレーション時間を短縮できます。この例では、Signal Editor 入力ブロックをもつモデルを、ルートレベルの入力端子をもつ、ハーネスのないモデルに変換します。ハーネスのないモデルでは、Signal Editor ブロックの MAT ファイルのデータを使用します。
モデル例を開く
sldemo_autotrans モデルを開きます。

Signal Editor ブロックの削除
ManeuversGUI という名前の Signal Editor ブロックを 2 つの入力端子に置き換えます。
ManeuversGUIという名前の Signal Editor ブロックを削除します。"Simulink/Commonly Used Blocks" ライブラリから、2 つの Inport ブロックをモデルにドラッグします。
入力端子を、それまで Signal Editor ブロックに接続されていたラインに接続します。
入力端子の名前を変更します。
Throttle信号に接続されている入力端子に "Throttle" という名前を付けます。BrakeTorque信号に接続されている入力端子に "Brake" という名前を付けます。
モデルを slexAutotransRootInportsExample1 または slexAutotransRootInportsExample という名前で保存します。
この例における残りの手順では、slexAutotransRootInportsExample モデルを使用します。モデルを別の名前で保存した場合は、そのモデル名を使用してください。

ハーネスのない入力の設定
モデルがハーネスなしになったので、Signal Editor ブロックで前に使用されていた MAT ファイルから入力を設定します。
[モデル化] タブで [モデル設定] をクリックします。[データのインポート/エクスポート] ペインで [入力の接続] をクリックします。
信号をルート Inport にマッピング
ルート Inport マッパー ツールが開きます。
この例では、このツールを使用して MAT ファイルからモデルの入力を設定し、マッピング アルゴリズムに基づいてそれらの入力を入力端子にマッピングします。入力データを含む MAT ファイルを選択するには、ルート Inport マッパーのツール バーで [MAT ファイルから] をクリックします。リンク ダイアログ ボックスが表示されたら、[参照] ボタンをクリックします。ブラウザーにて、ローカルの作業フォルダー例から MAT ファイルを選択します。この例では、ファイル名は VehicleManeuvers.mat です。

マッピング モードの選択
MAT ファイル VehicleManeuvers.mat を選択したら、入力データを送信するルート入力端子を決定します。Simulink® は、[マッピング モード] の 5 つの基準のいずれかに基づいて、入力データと入力端子を対応させます。
端子の順序 — ファイルに出現する順序で、対応する端子番号にマッピングします。
ブロック名 — 変数名を使用して、ブロック名が一致するルート入力端子にマッピングします。
信号名 — 変数名を使用して、信号名が一致するルート入力端子にマッピングします。
ブロック パス — BlockPath パラメーターを使用して、ブロック パスが一致するルート入力端子にマッピングします。
カスタム — MATLAB® 関数を使用してマッピングします。
選択した MAT ファイルには、ハーネス信号 Throttle および Brake と同じ名前をもつ変数を使用する入力データと、それらの変数に対応する名前をもつ入力端子が含まれています。入力データおよびモデルの入力端子に関する条件を考慮すると、マッピングの基準として [ブロック名] を選択するのが最適です。この基準を使用すると、Simulink は入力データの変数名と入力端子の名前を対応させようと試みます。このオプションを選択するには、以下のようにします。
[マッピング モード] のリストで [ブロック名] をクリックします。
[オプション] をクリックし、[モデルの自動更新] を選択します。このオプションによりマッピングが検証されます。
[マップの準備状態のチェック] をクリックします。
Simulink は、データのコンパイル時に以下の基準に基づいて入力端子を評価し、互換性に関する問題を判断します。この互換性に関するステータスは、テーブルの色 (緑、オレンジ、赤) で示されます。警告とエラーには診断メッセージのフラグが付きます。[オプション]、[モデルの自動更新] オプションを選択しない場合、これらのブロック パラメーターと割り当てられた信号を評価することにより、ルート Inport マッパー ツールで互換性ステータスが決定されます。
データ型 — 倍精度、単精度、列挙、....
実数/複素数 — 実数または複素数
次元 — 信号の次元と端子の次元の比較

モデルへの入力の確定
マッピング互換性の結果を確認します。[シナリオ データセット] のリストで Passing_Maneuver を選択します。シミュレーションの準備をするには、[モデルに適用] をクリックします。このアクションにより、マッピング変数がコンフィギュレーション パラメーター [データのインポート/エクスポート]、[外部入力] テキスト ボックスに適用されます。このテキスト ボックスに内容がある場合、その内容は上書きされます。
モデルのシミュレーション
変更内容を適用したら、モデルのシミュレーションを実行できます。シミュレーションの結果を確認するには、PlotResults Scope ブロックをダブルクリックします。

参考
getRootInportMap | getSlRootInportMap