診断特徴デザイナーでの特徴の自動生成
診断特徴デザイナーにデータをインポートすると、特定のデータ処理および特徴抽出オプションを適用して、データから特徴セットを生成してランク付けできます。また、[自動特徴] を使用して、特徴セットを自動的に生成してランク付けすることもできます。1 つ以上の信号またはスペクトルを選択すると、[自動特徴] は、変数の型に適切な事前定義された特徴セットを計算します。自動計算には以下が含まれます。
スペクトルや時系列信号などの特徴抽出に使用する中間変数の導出
展開された変数セットからの特徴抽出
特徴をランク付けし、上位ランクの特徴のヒストグラムをプロット。
[自動特徴] では、一般の特徴と回転機の特徴の両方を生成できます。
一般の特徴は、任意の信号 (信号特徴の場合) またはスペクトル (スペクトル特徴の場合) に適用できる標準のメトリクスです。これらの特徴には、ソフトウェアで既定のパラメーターが使用されます。
回転機の特徴は、回転速度を組み込んだ特殊な計算から導出されます。
次の図は、一般の特徴と回転機の特徴の計算フローを示しています。
[自動特徴] を使用するには、次の一般的な手順を実行します。
[変数] ペインで、信号またはスペクトルなどの変数を選択します。複数の変数を選択するには、Ctrl キーを押しながら変数をクリックして選択に追加します。変数は同じデータ型である必要はありません。
[特徴デザイナー] タブで [自動特徴] をクリックします。
[自動特徴] ダイアログ ボックスの [構成] ペインで計算設定を確認します。
[生成する特徴] ペインで、一般の特徴の場合は [標準]、回転機の特徴の場合は [回転機]、またはその両方を選択します。
[設定] ペインで、一般の情報を指定し、回転機の特徴を選択している場合は回転機の情報も指定します。
[一般] タブ: ヒストグラムをプロットするかどうかを選択し、プロットする上位ランクの特徴の数を指定します。
[回転機の特徴] タブ:
回転速度を一定の RPM 値またはタコメーター信号 (変数のリストから選択) として指定します。タコメーター信号を指定する場合は、回転あたりのパルス数も指定します。
TSA フィルター領域を次数または周波数のいずれかとして指定し、回転機の回転の次数を指定します。
[計算] をクリックします。
特徴セットを生成したら、引き続き新しい変数を求め、新しい特徴を追加できます。あるいは、特徴セットを分類学習器に直接エクスポートすることもできます。
次のセクションでは、一般的なワークフローについて詳しく説明します。
[自動特徴] の計算の設定
[自動特徴] の計算を設定するには、1 つ以上の変数を選択し、[特徴デザイナー] タブで [自動特徴] をクリックします。
[自動特徴] ダイアログ ボックスの [構成] ペインには、選択した変数、特徴を追加する特徴テーブル、生成する特徴の数を含む情報が表示されます。次の図の例では、特定の信号を選択すると、アプリは 108 の時間領域の特徴と 6 つの周波数領域の特徴を識別して生成します。これらの特徴には、一般の特徴と回転機の特徴の両方が含まれます。
[構成] ペインには、並列計算などの計算オプションのステータスも一覧表示されます。これらのオプションのいずれかを変更する場合や、特徴生成用に変数を追加する場合は、[キャンセル] をクリックして、アプリのオプションと変数の選択で必要な変更を行います。次に、[自動特徴] をもう一度クリックして続行します。
[設定] ペインの [一般] タブでは、特徴の生成とランク付けを実行した後に、ヒストグラムを自動的にプロットすることを選択できます。プロットする場合は、[特徴ヒストグラムのプロット] を選択し、表示する特徴の数を指定します。
[設定] ペインの [回転機] タブでは、回転速度とフィルター領域を指定できます。次の図の例では、回転速度がタコメーター信号 Tacho/Data
に設定され、TSA フィルター領域が [次数]
に設定されています。回転次数は 1 です。
構成と設定を確認したら、[計算] をクリックします。
新しい変数とランク付けされた特徴の表示
特徴の計算が完了すると、アプリは特徴のランク付けをプロットします。[変数] ペインには、特徴生成をサポートするためにアプリが計算した新しい派生変数が含まれています。たとえば、次の図では、2 つの新しい派生スペクトル変数がスペクトル特徴のソースを提供します。
[コンパクト ビュー]
を使用すると、同じスペースでより多くの変数を表示できます。任意の変数を右クリックして、[コンパクト ビュー] オプションにアクセスします。次の図では、[コンパクト ビュー]
を選択すると、各変数がメインの変数名の下に折りたたまれます。
派生変数名には、それらを計算するために使用された最後の処理ステップが含まれます。たとえば、次の図では、Vibration_res
は、信号アンサンブルの平均値などの基準信号を減算することによって計算される "残差" 信号です。
生成された特徴を表示するには、[変数] ペインを下にスクロールします。特徴がどの変数から派生したかなど、特徴に関する詳細情報を確認するには、特徴を選択し、[詳細] ペインで特徴の情報を表示します。また、変数に関する情報についても [詳細] ペインを使用できます。次の図では、[詳細] ペインに、Vibration_res_sigstats
特徴グループの ClearanceFactor
特徴が Vibration_res
信号から派生していることが表示されています。
特徴の処理履歴に関する詳細情報を表示するには、[履歴] をクリックします。次の図は、ClearanceFactor
を導出する一連の逐次処理と並列処理のステップを示しています。
一部の特徴では、計算の際に調整可能なパラメーターを使用します。パラメーター値を表示するには、[パラメーター] をクリックします。次の図は、スペクトル特徴 PeakAmp1
のパラメーター値を示しています。
ヒストグラムを自動的にプロットするオプションを選択した場合は、[特徴のランク付け] プロット タブの横にある [ヒストグラム] プロット タブを選択して表示できます。
別の変数と特徴の追加
[自動特徴] を使用して最初の特徴セットを生成した後、自動処理または手動処理および特徴抽出用の変数を引き続き選択できます。以前に [自動特徴] で求められた変数に [自動特徴] を適用すると、新しい特徴は重複となります。ただし、新しい変数を自分で作成する場合、[自動特徴] を適用すると異なる特徴が生成されます。
たとえば、[自動特徴] が使用する既定のスペクトル処理オプションは [ウェルチ] です。[自己回帰] オプションを使用して別のスペクトル変数を作成するとします。[自動特徴] の新しいスペクトル Vibration_ps_1
を選択して、3 つの使用可能な特徴があることを確認します。[自動特徴] はこのスペクトル変数を使用して最初の特徴セットを生成しなかったため、これらの特徴は以前に [自動特徴] が生成したスペクトル特徴とは異なります。
新しい特徴は、既存の特徴とともにランク付けされます。次の図では、2 つの新しいスペクトル特徴が 8 位と 9 位にランク付けされています。
この例の [自動特徴] ダイアログ ボックスでは既定値の 5 に設定しているため、FeatureTable1
の一連のヒストグラム プロットに新しい特徴は含まれません。追加のヒストグラムを表示する場合は、特徴テーブルを選択します。その後、[ヒストグラム] タブで [特徴の選択] をクリックします。
特徴がランク順に表示されたダイアログ ボックスで追加の特徴を選択できます。
[特徴の選択] の詳細については、特徴セレクターを参照してください。
アプリからの特徴の削除
[特徴の選択] を使用すると、選択していない特徴が非表示になりますが、これらは特徴テーブルに残ったままです。特徴をアプリから完全に削除することもできます。表示または使用しない特徴を完全に削除するには、この機能を使用します。
アプリには、特徴を削除する方法が複数あります。
名前で指定: [変数] ペインで、削除対象の 1 つの特徴、複数の特徴、または特徴テーブルを名前で選択します。次に、右クリックして
[特徴の削除]
を選択します。ランクで指定: [特徴のランク付け] タブで、次のいずれかの方法を使用して特徴を削除します。
ランク付けの table で下位ランクの特徴を選択し、右クリックして
[特徴の削除]
を選択します。タブの [削除] セクションで、削除の基準として使用するランク付け手法を指定します。次に、保持する最も低いランクの位置を指定し、[削除] をクリックします。指定した位置より低いランクの特徴がすべて、アプリにより削除されます。たとえば、13 個の特徴があり、ランクに
5
を指定した場合、最も低い 8 個の特徴がアプリによって削除されます。
アプリで特徴が削除される際に、ヒストグラムや特徴トレース プロットなど、以前に生成されたプロットからも特徴が削除されます。
次のステップ
引き続き変数を処理し、新しい特徴を追加できます。特徴セットを MATLAB® ワークスペースや分類学習器にエクスポートすることもできます。