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Sliding Mode Observer
ライブラリ:
Motor Control Blockset /
Sensorless Estimators
説明
Sliding Mode Observer ブロックは、静止 αβ 基準座標系における α 軸および β 軸方向の電圧値と電流値を使用して、Surface Mount PMSMの電気的位置と機械的速度を計算します。
方程式
PMSM の離散時間演算は次の方程式で記述されます。
表面 PMSM の離散時間スライディング モード オブサーバー演算は次の方程式で記述されます。
逆起電力オブザーバーが条件 および を満たす場合、k0 が存在し、次のようになります。
スライディング モード オブサーバーが次の条件を満たす場合、
k=k0 が存在し、k≥k0 について次のようになります。
ここで以下のようになります。
eα と iα は α 軸の固定子の逆起電力と電流です。
eβ と iβ は β 軸の固定子の逆起電力と電流です。
ẽα と ĩα は α 軸の固定子の逆起電力と電流における誤差です。
ẽβ と ĩβ は β 軸の固定子の逆起電力と電流における誤差です。
vα と vβ は固定子の電源電圧です。
R は固定子の抵抗です。
L は固定子のインダクタンスです。
g は逆起電力オブザーバー ゲインです。
η は電流オブザーバー ゲインです。
ωe は電気角速度です。
Ts はサンプリング周期です。
k はサンプル数です。
スライディング モード オブサーバーの調整
次の手順に従って、[電流オブザーバー ゲイン] (η) パラメーターと [逆起電力オブザーバー ゲイン] (g) パラメーターを使用してブロックを調整します。
を満たす逆起電力オブザーバー ゲイン (g) の値を選択します。g を値
1
に近づけると、推定逆起電力の誤差が少なくなります。ただし、収束が遅くなります。ブロックのサンプル時間と動作逆起電力の最大の傾きに基づいて m の値 ( を満たす) を選択します。
b、m および g に基づいて電流オブザーバー ゲイン (η) の値 ( を満たす) を選択します。
メモ
スライディング モード オブサーバー ゲインを調整すると、ブロックは正しく機能します。
開ループ制御を使用してモーターを動作させる場合は、スライディング モード オブサーバーと実際のセンサー ハードウェアの両方を使用して回転子位置を計算し、計算された位置の値を比較します。誤差が許容可能な場合、ブロックは正しく機能します。そうでない場合は、スライディング モード オブサーバー ゲインを手動で調整して、ブロックが正確に機能することを確認します。
開ループから閉ループへの制御の遷移は、電流と電圧のノイズが原因で失敗する可能性があります。遷移を正常に行うには、[フィルターのカットオフ周波数 (Hz)] パラメーターの値を減らしてみてください。
例
端子
入力
出力
パラメーター
参照
[1] A. Podder and D. Pandit, "Study of Sensorless Field-Oriented Control of SPMSM Using Rotor Flux Observer & Disturbance Observer Based Discrete Sliding Mode Observer," 2021 IEEE 22nd Workshop on Control and Modelling of Power Electronics (COMPEL), 2021, pp. 1-8. (doi: 10.1109/COMPEL52922.2021.9645939)
[2] T. Bernardes, V. F. Montagner, H. A. Gründling, and H. Pinheiro, "Discrete-Time Sliding Mode Observer for Sensorless Vector Control of Permanent Magnet Synchronous Machine," in IEEE Transactions on Industrial Electronics, vol. 61, no. 4, pp. 1679-1691, 2014
[3] B. Bose, Modern Power Electronics and AC Drives. Prentice Hall, 2001. ISBN-0-13-016743-6.
[4] J. Liu and X. Wan, "Advanced Sliding Mode Control for Mechanical Systems". Springer-Verlag Berlin Heidelberg, 2011.
拡張機能
バージョン履歴
R2021b で導入