fixed.DataGenerator

値セットの作成とデータの生成

R2019b 以降

説明

fixed.DataSpecification オブジェクトと fixed.DataGenerator オブジェクトを使用して、設計の動作範囲全体をテストするシミュレーション入力を生成します。

作成

構文

data = fixed.DataGenerator(Name, Value)

説明

data = fixed.DataGenerator(Name, Value) は Name, Value のペアの引数として指定された追加のプロパティで DataGenerator オブジェクトを作成します。

プロパティ

DataSpecifications — 生成されたデータのプロパティ

fixed.DataSpecification オブジェクト | fixed.DataSpecification オブジェクトの cell 配列

生成するデータのプロパティ。fixed.DataSpecification オブジェクトとして指定します。

DataSpecification オブジェクトの cell 配列を指定すると、その cell 配列内の要素と同じ入力数および同じ順序で、システムへの入力用に単一の DataGenerator オブジェクトが生成されます。

NumDataPointsLimit — 生成されたデータにおけるデータ点の最大数

100000 (既定値) | 整数値のスカラー

生成されたデータにおけるデータ点の最大数。整数値スカラーとして指定します。詳細については、getNumDataPointsInfo を参照してください。

データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | int64 | uint8 | uint16 | uint32 | uint64

オブジェクト関数

getUniqueValues	fixed.DataGenerator オブジェクトからの一意の値の取得
getNumDataPointsInfo	生成されたデータのデータ点の数に関する情報の取得
outputAllData	fixed.DataGenerator オブジェクトからのデータの取得

例

fixed.DataGenerator オブジェクトの作成

コンストラクターで DataSpecification オブジェクトを指定して、DataGenerator オブジェクトを作成します。

$$-2\pi$$ から $$2\pi$$ までの区間で、single のデータ型をもつ DataSpecification オブジェクトを作成します。

dataspec = fixed.DataSpecification('single',...
    'Intervals',{-2*pi, 2*pi})

dataspec = 
  fixed.DataSpecification with properties:

          DataTypeStr: 'single'
            Intervals: [-6.2832,6.2832]
     ExcludeDenormals: false
  ExcludeNegativeZero: false
      MandatoryValues: <empty>
           Complexity: 'real'
           Dimensions: 1

DataSpecification オブジェクトを使用して DataGenerator オブジェクトを作成します。生成されたデータのデータ点の数を 5000 点に制限します。これらのプロパティを名前と値のペアとして DataGenerator オブジェクトのコンストラクターで指定できます。

datagen = fixed.DataGenerator('DataSpecifications',dataspec,...
    'NumDataPointsLimit',5000)

datagen = 
  fixed.DataGenerator with properties:

    DataSpecifications: {[1x1 fixed.DataSpecification]}
    NumDataPointsLimit: 5000

関数 outputAllData を使用して生成されたデータを表示します。

myData = outputAllData(datagen);

アルゴリズム

1 次元、2 次元、複素数データのデータ生成

DataGenerator オブジェクトを使用して Dimensions プロパティが 1 に設定された DataSpecification オブジェクトのデータを生成すると、その出力データには常に、指定された区間の最小値と最大値、および MandatoryValues プロパティで指定された任意の値が含まれます。

Dimensions プロパティが 1 より大きい値に設定された DataSpecification オブジェクトのデータを生成すると、その出力は、1 次元出力のデカルト積を使用することで生成されます。

たとえば、次の 2 つの DataSpecification オブジェクトを考えます。一方が 1 次元で他方が 2 次元であることを除き、2 つのオブジェクトは同一です。

dataspec_1d = fixed.DataSpecification('single',...
   'Intervals', {-1,1}, 'Dimensions',1);
dataspec_2d = fixed.DataSpecification('single',...
   'Intervals', {-1,1}, 'Dimensions',2);

これらの仕様に基づいて 2 つの DataGenerator オブジェクトを作成します。生成されたデータで、データ点の最大数を inf に設定します。

datagen_1d = fixed.DataGenerator('DataSpecifications', ...
  dataspec_1d, 'NumDataPointsLimit', inf);
datagen_2d = fixed.DataGenerator('DataSpecifications', ...
  dataspec_2d, 'NumDataPointsLimit', inf);

構成ごとに、生成されたデータのサイズを取得します。

size_1d_data = size(outputAllData(datagen_1d))
size_2d_data = size(outputAllData(datagen_2d))

size_1d_data =

     1   244

size_2d_data =

           2       59536

2 次元データの長さは 1 次元データの二乗の長さと同等です。

DataGenerator は 2 次元データと同様の方法で複素数データを生成します。Dimensions が 1 で Complexity が complex に設定された DataSpecification オブジェクトを作成します。この仕様を使用して DataGenerator オブジェクトを作成します。

dataspec_complex = fixed.DataSpecification('single', ...
'Intervals', {-1,1}, 'Dimensions', 1, 'Complexity', 'complex');

datagen_complex = fixed.DataGenerator('DataSpecifications', ...
  dataspec_complex, 'NumDataPointsLimit', inf);

この構成から、生成されたデータのサイズを取得します。

size_complex_data = size(outputAllData(datagen_complex))

size_complex_data =

           1       59536

1 次元複素数データの出力データの長さは 2 次元実数データの長さと同一です。

バージョン履歴

R2019b で導入

参考

オブジェクト

• fixed.DataSpecification | fixed.Interval