ASAP2 ファイルおよび CDF キャリブレーションファイルの生成

[キャリブレーションファイルの生成] ツールを使用して、モデルの ASAP2 ファイルおよび CDF (キャリブレーションデータ形式) ファイルを生成およびカスタマイズします。このツールでは、既定では ASAM MCD-2 MC 標準に従った A2L ファイルのサポートされる最新のバージョンが生成されます。別のバージョンを生成するように選択することもできます。A2L ファイルのバージョンや CDF ファイルのスキーマタイプなど、キャリブレーションファイルのオプションをカスタマイズできます。ASAM MCD-2 MC (ASAP2) 標準および ASAM CDF 標準の詳細については、ASAM の Web サイト (www.asam.net) を参照してください。

[キャリブレーションファイルの生成] ツールを開く

モデルを開きます。
Embedded Coder アプリを開きます。
メモ
AUTOSAR モデルの場合は、AUTOSAR コンポーネントデザイナーアプリを開きます。Simulink Real-Time モデルの場合は、Simulink Coder アプリを開きます。
モデルのコードを生成します。
[C コード] タブで、[共有] 、 [キャリブレーションファイルの生成] を選択します。

メモ

AUTOSAR モデルの場合は、[AUTOSAR] 、 [共有] 、 [キャリブレーションファイルの生成] を選択します。

このツールを使用して、モデルの A2L ファイルと cdfx ファイルを同時に生成できます。このツールは、ERT ベース、GRT ベース、Simulink Real-Time、AUTOSAR Classic、または AUTOSAR Adaptive のシステムターゲットファイルで構成されたモデルに使用できます。このツールでは、ASAP2 ファイルのバージョン、コメントを含めるか除外するか、参照モデル要素を含めるか除外するか、ASAP2 ファイルと CDF ファイルの生成をオフにするかオンにするかなどについて、最後に使用した設定が記憶されます。これらの設定は Simulink で MATLAB の基本設定に保存されます。この設定は既定の設定をオーバーライドします。

AUTOSAR Classic モデルについては、[AUTOSAR RTE 要素を含める] オプションを使用して、ツールで RTE 要素を ASAP2 ファイルに含めるか除外するかを指定できます。生成された ASAP2 ファイル内の RTE 要素は、RTE API サービス呼び出し名を使用します。

ASAP2 ファイルの生成

ASAP2 は、アプリケーションの実行時にパラメーターの調整と信号データの測定に使用される、内部の ECU 変数の記述形式を定義します。ASAP2 ファイルを生成するには、次の手順を実行します。

[Generate ASAP2] オプションは既定では有効になっています。有効になっていない場合は、[ASAP2 の生成] スイッチをオン位置にスライドして A2L の生成を有効にします。
A2L ファイルの名前を変更するには、[File name] フィールドで新しい名前を指定します。
コードジェネレーターでは、既定では、選択したモデルのフォルダーパスにビルドフォルダーが使用されます。A2L ファイル用に別のフォルダーパスを指定する場合は、[Folder path] フィールドで指定できます。
A2L ファイル内の ECU アドレスを置き換えるには、[Symbol file] フィールドでアプリケーションの実行可能ファイルに関連付けられているシンボルファイルを指定します。それ以外の場合は、[Address replacement] をオフにします。
このツールでは、ECU アドレスを置き換えるシンボルファイルとして、ELF、PDB、または DWARF ファイルがサポートされます。
[Version] を生成する A2L ファイルの必要なバージョンに設定します。既定のバージョンは 1.71 です。
A2L ファイルでコメントを除外するには、[Include comments] をオフにします。
A2L ファイルで参照モデル要素を除外するには、[参照モデルを含める] をオフにします。
AUTOSAR Classic モデルの場合、A2L ファイルで RTE 要素を除外するには、[AUTOSAR RTE 要素を含める] をオフにします。
CompuMethods とレコードレイアウトの個別のファイルの生成を除外するには、[共有要素を含める] をオフにします。
A2L ファイルで参照モデルデータ要素を除外するには、[参照モデルを含める] をオフにします。
[生成] をクリックします。

A2L ファイルをプログラムで生成するには、関数 coder.asap2.export を使用します。

CDF ファイルの生成

ASAM CDF は、ECU パラメーターの値と関連するメタデータを格納するデータ記述形式を定義します。ASAM CDF ファイルでは XML を使用しており、キャリブレーションツールや XML エディターで検証、編集、インポート、エクスポートを簡単に行えます。ツールを使用して CDF ファイルを生成するには、次の手順を実行します。

[CDF の生成] スイッチをオン位置にスライドします。
CDF ファイルの名前を変更するには、[File name] フィールドで指定します。
コードジェネレーターでは、既定では、選択したモデルのフォルダーパスにビルドフォルダーが選択されます。CDF ファイル用に別のフォルダーパスを指定する場合は、[Folder path] フィールドでパスを指定します。
[Schema type] フィールドを使用して [XSD] (XML スキーマ定義) または [DTD] (ドキュメントタイプ定義) に設定します。既定のスキーマタイプは [DTD] です。

CDF ファイルをプログラムで生成するには、関数 coder.cdf.export を使用します。

メモ

CDF ファイルの生成は、Simulink Real-Time システムターゲットファイルに対しては無効になります。

ASAP2 および CDF データ定義ファイルの生成

ライブスクリプトを開く

この例では、[キャリブレーションファイルの生成] ツールを使用して、データの測定およびキャリブレーション用に ASAP2 およびキャリブレーションデータ形式 (CDF) ファイルをエクスポートする方法を示します。

ASAP2 標準は、測定とキャリブレーションに使用される内部電子コントロールユニット (ECU) 変数の記述形式を定義しています。ASAM CDF 標準は、ECU パラメーター値および関連するメタデータを保存するためのデータを定義しています。これらの標準は Association for Standardization of Automation and Measuring Systems (ASAM) によって推奨されています。"ASAM MCD-2 MC" および "ASAM CDF" 標準の詳細については、www.asam.net を参照してください。

この例では、"ASAP2Demo.slx" モデルおよび "ASAP2DemoModelRef.slx" モデルを使用します。

ASAP2Demo モデルのビルド

"ASAP2Demo" モデルを開きます。

open_system("ASAP2Demo");

モデルをビルドして、親モデル "ASAP2Demo" と子モデル "ASAP2DemoModelRef" の両方の C コードを生成します。

slbuild("ASAP2Demo");

[キャリブレーションファイルの生成] ツールを開く

[C コード] タブで、[共有]、[キャリブレーションファイルの生成] を選択して、[キャリブレーションファイルの生成] ツールを開きます。

ファイル名、宛先フォルダー、ファイルにコメントを含めるか除外するかなど、キャリブレーションファイル生成の設定をカスタマイズできます。

ASAP2 ファイルの生成

モデルの ASAP2 ファイルを生成するには、次の手順に従います。

[ASAP2 の生成] スイッチをオン位置に移動します。既定では、[ASAP2 の生成] スイッチはオン位置になっています。
ファイルの名前を ASAP2Demo から変更するには、[ファイル名] フィールドに名前を指定します。
[フォルダーのパス] フィールドに A2L ファイルのパスを指定します。既定では、A2L ファイルはビルドディレクトリに生成されます。
A2L ファイル内の ECU アドレスを置き換える場合は、[シンボルファイル] フィールドでアプリケーションの実行可能ファイルに関連付けられているシンボルファイルを指定します。それ以外の場合は、[Address replacement] をオフにします。このツールでは、ECU アドレスを置き換えるシンボルファイルとして、ELF、PDB、DWARF ファイルがサポートされます。
[バージョン] オプションを生成する A2L ファイルの必要なバージョンに設定します。既定のバージョンは 1.71 です。
A2L ファイルでコメントを除外する場合は、[コメントを含める] オプションをオフにします。
A2L ファイルで参照モデルデータ要素を除外する場合は、[参照モデルを含める] オプションをオフにします。
[生成] をクリックします。

A2L ファイルをプログラムで生成するには、次のコマンドを使用します。

coder.asap2.export("ASAP2Demo");

CDF ファイルの生成

モデルの CDF ファイルを生成するには、次の手順に従います。

[CDF の生成] スイッチをオン位置に移動します。既定では、[CDF の生成] スイッチはオン位置になっています。
ファイルの名前を ASAP2Demo から変更するには、[ファイル名] フィールドに名前を指定します。
[フォルダーのパス] フィールドに CDF ファイルのフォルダーのパスを指定します。既定では、CDF ファイルはビルドディレクトリに生成されます。
[スキーマタイプ] フィールドで XML スキーマ定義 (XSD) またはドキュメントタイプ定義 (DTD) を選択します。既定では、DTD スキーマタイプに設定されています。
[生成] をクリックします。

CDF ファイルをプログラムで生成するには、次のコマンドを使用します。

coder.cdf.export("ASAP2Demo");

指定したフォルダーにキャリブレーションファイルが生成されていることを確認できます。これで、これらのキャリブレーションファイルをアプリケーションのキャリブレーションおよび測定に使用できるようになりました。

参考

coder.cdf.export | coder.asap2.export | キャリブレーションファイルの生成