Main Content

状態空間モデル

状態空間モデル表現

状態空間モデルは、システム ダイナミクスを記述するための線形微分方程式または差分方程式に依存します。Control System Toolbox™ ソフトウェアでは、連続時間または離散時間での SISO または MIMO 状態空間モデルがサポートされています。状態空間モデルにはむだ時間を含めることができます。状態空間モデルは、陽的、または記述子 (陰的) 形式のいずれかで表現できます。

状態空間モデルは次の操作によって生成されます。

  • システムの物理モデルを表す一連の常微分方程式の線形化

  • System Identification Toolbox™ ソフトウェアを使用した状態空間モデルの同定

  • 伝達関数の状態空間実現(詳細については、モデル タイプ間の変換を参照してください。)

状態空間モデルを表すには、ss モデル オブジェクトを使用します。

陽的な状態空間モデル

陽的な連続時間状態空間モデルは以下の形式を使用します。

dxdt=Ax+Buy=Cx+Du

ここで、x は状態ベクトルです。u は入力ベクトル、 y は出力ベクトルです。A、B、C および D は、システム ダイナミクスを表す状態空間行列です。

離散時間の陽的な状態空間モデルは以下の形式を取ります。

x[n+1]=Ax[n]+Bu[n]y[n]=Cx[n]+Du[n]

ここでベクトル x[n]、u[n] および y[n] は n 番目のサンプルの状態ベクトル、入力ベクトル、出力ベクトルになります。

記述子 (陰的な) 状態空間モデル

"記述子状態空間モデル" は一般化形式の状態空間モデルです。連続時間の記述子状態空間モデルは以下の形式を取ります。

Edxdt=Ax+Buy=Cx+Du

ここで、x は状態ベクトルです。u は入力ベクトル、 y は出力ベクトルです。A、B、C、D および E は、状態空間行列です。

状態空間モデルを作成するコマンド

次の表に記載のコマンドを使用して状態空間モデルを作成します。

コマンド説明
ss

陽的な状態空間モデルの作成

dss

記述子 (陰的な) 状態空間モデルの作成

delayss

指定されたむだ時間をもつ状態空間モデルの作成

行列からの状態空間モデルの作成

この例は、ss を使用して状態空間行列からから連続時間、単入力単出力 (SISO) 状態空間モデルを作成する方法を示します。

状態空間方程式が次の場合に、電気モーターのモデルを作成します。

dxdt=Ax+Buy=Cx+Du

ここで、状態変数は角度位置 θ と角速度 dθ/dt です。

x=[θdθdt],

u は電流、出力 y は角速度、状態空間行列は次のとおりです。

A=[0152],B=[03],C=[01],D=[0].

このモデルを作成するには、次のように入力します。

A = [0 1;-5 -2];
B = [0;3];
C = [0 1];
D = 0;
sys = ss(A,B,C,D);

sysss モデル オブジェクトであり、これは、状態空間モデルを表すデータ コンテナーです。

ヒント

Edxdt=Ax+Buy=Cx+Du

形式のシステムを表すには、dss を使用します。このコマンドは、記述子状態空間モデルとも呼ばれる、空ではない E 行列を含む ss モデルを作成します。例は、MIMO 記述子状態空間モデルを参照してください。

参考

| |

関連する例

詳細