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ボード線図設計

ボード線図設計は、特定の開ループ応答 (ループ整形) を達成するために補償器を変更する対話型のグラフィカルな方法です。制御システム デザイナーを使用して開ループ応答を対話型で整形するには、[ボード エディター] を使用します。エディターでは開ループ帯域幅と、ゲイン余裕と位相余裕の仕様に対する設計を調整できます。

ループ整形を調整するには、補償器に極と零点を追加し、それらの値を直接 [ボード エディター] で調整することも、補償器エディターを使用することもできます。詳細については、補償器のダイナミクスの編集を参照してください。

制御システム デザイナーで利用可能なすべての調整法の詳細については、制御システム デザイナーの調整法を参照してください。

ボード線図のグラフィカルな調整を使用した DC モーターの補償器の調整

この例では、ボード線図のグラフィカルな調整手法を使用して DC モーターの補償器を設計する方法を説明します。

プラント モデルと要件

SISO の例 :DC モーターで説明している DC モーター プラントの伝達関数は次のとおりです。

G=1.5s2+14s+40.02

この例の設計要件は次のとおりです。

  • 立ち上がり時間が 0.5 秒未満

  • 定常偏差が 5% 未満

  • オーバーシュートが 10% 未満

  • ゲイン余裕が 20dB より大きい

  • 位相余裕が 40°より大きい

制御システム デザイナーを開く

MATLAB® コマンド ラインで、プラントの伝達関数モデルを作成し、[ボード エディター] 構成で制御システム デザイナーを開きます。

G = tf(1.5,[1 14 40.02]);
controlSystemDesigner('bode',G);

アプリが開き、既定の制御アーキテクチャ [Configuration 1] のプラント モデルとして G がインポートされます。

アプリで、次の応答プロットが開きます。

  • LoopTransfer_C 応答の開ループの [ボード エディター]。この応答は開ループ伝達関数 GC です。ここで、C は補償器、G はプラントです。

  • IOTransfer_r2y 応答の [ステップ応答]。この応答は、閉ループ システム全体の入出力伝達関数です。

ヒント

制御システム デザイナーが既に開いているときに開ループの [ボード エディター] を開くには、[Control System] タブの [調整法] ドロップダウン リストで、[ボード エディター] を選択します。[編集する応答の選択] ダイアログ ボックスで、既存の応答を選択してプロットするか、[新規の開ループの応答] を作成します。

開ループ周波数応答と閉ループ ステップ応答を同時に表示するには、[表示] タブの [左/右] をクリックします。

アプリにより、[ボード エディター][ステップ応答] のプロットが並べて表示されます。

帯域幅の調整

設計では立ち上がり時間を 0.5 秒未満にする必要があるため、開ループ DC 交差周波数を約 3 rad/s に設定します。1 次近似まで、この交差周波数は 0.33 秒の時定数に対応します。

交差を確認しやすくするため、プロット グリッドをオンにします。[ボード エディター] プロット領域を右クリックし、[グリッド] を選択します。アプリにより、ボード応答プロットにグリッドが追加されます。

交差周波数を調整するには、補償器ゲインを増加させます。[ボード エディター] プロットの [ゲイン] 応答プロットで、応答を上方向にドラッグします。これにより、補償器のゲインが増加します。

ゲイン プロットをドラッグすると、アプリは補償器のゲインを計算し、応答プロットを更新します。

交差周波数が約 3 rad/s になるまでゲイン応答を上方向にドラッグします。

ステップ応答特性の表示

立ち上がり時間を [ステップ応答] プロットに追加するには、プロット領域を右クリックし、[特性][立ち上がり時間] を選択します。

立ち上がり時間を表示するには、カーソルを立ち上がり時間のインジケーターに移動させます。

立ち上がり時間は約 0.23 秒であり、設計要件を満たしています。

同様に、ピーク応答を [ステップ応答] プロットに追加するには、プロット領域を右クリックし、[特性][ピーク応答] を選択します。

ピークのオーバーシュートは約 3.5% です。

補償器への積分器の追加

5% の定常偏差の要件を満たすには、補償器に積分器を追加して閉ループ ステップ応答から定常偏差をなくします。[ボード エディター] でプロット領域を右クリックし、[極/零点の追加][積分器] を選択します。

積分器の追加により、定常偏差がゼロになります。ただし、補償器ダイナミクスを変更すると、交差周波数も変更され、立ち上がり時間が増加します。立ち上がり時間を減らすには、交差周波数を約 3 rad/s に増加させます。

補償器のゲインの調整

交差周波数を約 3 rad/s に戻すには、補償器のゲインをさらに増加させます。[ボード エディター] プロット領域を右クリックし、[補償器の編集] を選択します。

[補償器エディター] ダイアログ ボックスの [補償器] セクションで、99 のゲインを指定し、Enter キーを押します。

応答プロットは自動的に更新されます。

立ち上がり時間は約 0.4 秒であり、設計要件を満たしています。ただし、ピークのオーバーシュートは約 32% です。ゲインと積分器で構成される補償器は、設計要件を満たすためには不十分です。このため、補償器には追加のダイナミクスが必要です。

補償器へのリード ネットワークの追加

[ボード エディター] で、現在の補償器設計のゲイン余裕と位相余裕を確認します。設計では 20 dB を超えるゲイン余裕が必要であり、位相余裕は 40 度を超える必要があります。現在の設計はこれらの要件のいずれも満たしません。

安定余裕を増やすには、リード ネットワークを補償器に追加します。

[ボード エディター] で右クリックし、[極/零点の追加][リード] を選択します。

リード ネットワークの極の位置を指定するには、ゲイン応答をクリックします。アプリにより、実極 (赤色の X) と実数零点 (赤色の O) が補償器および [ボード エディター] プロットに追加されます。

[ボード エディター] で、極と零点をドラッグして位置を変更します。これらをドラッグすると、アプリにより極/零点の値が更新され、応答プロットが更新されます。

極または零点のゲインを小さくするには、左の方にドラッグします。極と零点は負の実数軸上にあるため、左にドラッグすると、複素平面内の原点の近くに移動します。

ヒント

極や零点をドラッグすると、その新しい値が右側のステータス バーに表示されます。

初期推定として、零点を -7 あたりの位置に、極を -11 あたりの位置にドラッグします。

位相余裕は設計要件を満たしていますが、ゲイン余裕はまだ低すぎます。

リード ネットワークの極と零点の編集

コントローラーの性能を改善するには、リード ネットワークのパラメーターを調整します。

[補償器エディター] ダイアログ ボックスの [ダイナミクス] セクションで、[リード] 行をクリックします。

[選択したダイナミクスの編集] セクションの [実数零点] テキスト ボックスで、-4.3 の位置を指定し、Enter キーを押します。この値は、DC モーター プラントの最も遅い (一番左にある) 極の近くです。

[実極] テキスト ボックスで、-28 の値を指定し、Enter キーを押します。

リード ネットワーク パラメーターを変更すると、[補償器] と応答プロットは自動的に更新されます。

アプリの [ボード エディター] で、20.5 のゲイン余裕はちょうど設計要件を満たしています。

システムのロバスト性を高めるには、[補償器エディター] ダイアログ ボックスで補償器のゲインを 84.5 まで下げ、Enter キーを押します。ゲイン余裕は 21.8 まで増加し、応答プロットが更新されます。

制御システム デザイナーの応答プロットで、システムの性能を設計要件と比較します。システムの性能特性は次のとおりです。

  • 立ち上がり時間は 0.445 秒。

  • 定常偏差はゼロ。

  • オーバーシュートは 3.39%。

  • ゲイン余裕は 21.8 dB。

  • 位相余裕は 65.6 度。

システム応答は設計要件をすべて満たしています。

参考

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