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MATLAB Runtime のインストールと構成

サポートされるプラットフォーム: Windows®、Linux®macOS

MATLAB® Runtime には、コンパイル済みの MATLAB アプリケーションを MATLAB のライセンス コピーなしにターゲット システム上で実行するために必要なライブラリが含まれています。

MATLAB Runtime インストーラーのダウンロード

次のいずれかのオプションを使用して、MATLAB Runtime インストーラーをダウンロードします。

  • 選択したリリースの MATLAB Runtime インストーラー (最新の更新レベル) を Web サイト (https://www.mathworks.com/products/compiler/matlab-runtime.html) からダウンロードする。このオプションは、デプロイ アプリケーションを実行するエンド ユーザーに最適です。

  • MATLAB 関数 compiler.runtime.download を使用して、コマンドを実行する MATLAB とバージョンおよび更新レベルが一致する MATLAB Runtime インストーラーをダウンロードする。インストーラーが既にマシンにダウンロードされている場合は、MATLAB Runtime インストーラーへのパスが返されます。マシンがオフラインの場合は、MATLAB Runtime インストーラーの URL が返されます。このオプションは、MATLAB Runtime を含むアプリケーション インストーラーを作成する開発者に最適です。

メモ

MATLAB Runtime を共有ネットワーク ドライブにインストールする場合は、MATLAB Runtime のネットワーク インストールを使用したアプリケーションの実行を参照してください。

MATLAB Runtime の対話的インストール

MATLAB Runtime をインストールするには、以下を行います。

  1. MATLAB Runtime インストーラーを含むアーカイブを解凍します。インストーラー ファイル名のリリース部分 (_R2023b_) はリリースごとに変更されます。

    プラットフォーム手順
    Windows

    MATLAB Runtime インストーラーを解凍します。

    ZIP ファイル MATLAB_Runtime_R2023b_win64.zip を右クリックして、[すべて展開] を選択します。

    Linux

    ターミナルで unzip コマンドを使用して、MATLAB Runtime インストーラーを解凍します。

    たとえば、R2023b MATLAB Runtime インストーラーを解凍する場合は、ターミナルで次を入力します。

    unzip MATLAB_Runtime_R2023b_glnxa64.zip

    macOS

    ターミナルで unzip コマンドを使用して、MATLAB Runtime インストーラーを解凍します。

    Intel® プロセッサベースの macOS の場合は、次を入力します。

    unzip MATLAB_Runtime_R2023b_maci64.zip

    Apple シリコンベースの macOS の場合は、次を入力します。

    unzip MATLAB_Runtime_R2023b_maca64.zip

  2. MATLAB Runtime インストーラーを起動します。

    プラットフォーム手順
    Windows

    抽出されたファイルからファイル setup.exe をダブルクリックして、インストーラーを起動します。

    Linux

    ターミナルで、次を入力します。

    sudo -H ./install

    sudo は、書き込み権限のないディレクトリにインストールする場合にのみ必要です。

    メモ

    ルート ユーザーに、実行中の X サーバーへのアクセスを許可しなければならないことがあります。

    xhost +SI:localuser:root
    sudo -H ./install
    xhost -SI:localuser:root

    macOS

    DMG ファイルをダブルクリックしてインストーラーを開始します。

  3. MATLAB Runtime インストーラーが起動すると、ダイアログ ボックスが表示されます。情報を確認し、[次へ] をクリックしてインストールを続行します。

  4. [フォルダーの選択] ダイアログ ボックスで、MATLAB Runtime をインストールするフォルダーを指定します。

    複数のバージョンの MATLAB Runtime をコンピューターにインストールできますが、各バージョンのインストールは 1 件に限られます。同じバージョンの既存のインストールがある場合は、同じフォルダー内にある既存のインストールが上書きされるため、MATLAB Runtime インストーラーに [フォルダーの選択] ダイアログ ボックスは表示されません。

  5. 選択を確認して、[次へ] をクリックします。

    MATLAB Runtime インストーラーが、インストール フォルダーへのファイルのコピーを開始します。

  6. Linux プラットフォームと macOS プラットフォームでは、ディスクにファイルがコピーされた後、MATLAB Runtime インストーラーの [製品の設定に関するメモ] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスには、PATH 環境変数の設定に必要な情報が含まれています。このダイアログ ボックスからパスの情報をコピーしてテキスト ファイルに保存し、[次へ] をクリックします。

    PATH 環境変数の設定手順については、デプロイ用の MATLAB Runtime パスの設定を参照してください。

  7. [終了] をクリックしてインストーラーを終了します。

既定のインストール フォルダー

R2023b の既定の MATLAB Runtime インストール フォルダーを次の表に示します。

プラットフォームMATLAB Runtime インストール フォルダー
WindowsC:\Program Files\MATLAB\MATLAB Runtime\R2023b
Linux/usr/local/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2023b
macOS/Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2023b

MATLAB Runtime の非対話的インストール

サポートされるプラットフォーム: Windows、Linux

多数のインストールを実行する場合、インストール引数をコマンド ライン引数として指定するか、インストーラー コントロール ファイルで指定することにより、時間を節約してエラーを防ぐことができます。インストール引数を指定すると、MATLAB Runtime インストーラーがバックグラウンド タスクとして実行され、ダイアログ ボックスは一切表示されません。

非対話的に実行する場合、インストーラーはインストール場所を上書きします。

注意

Linux では、インストーラーによって、環境変数の設定に必要な情報が [製品の設定に関するメモ] ダイアログ ボックスに表示されます。インストーラーを非対話的に使用する場合は、インストール後にライブラリ パスを設定するために、MATLAB Runtime インストール ディレクトリを配置しなければなりません。詳細については、デプロイ用の MATLAB Runtime パスの設定を参照してください。

サイレント モードでのインストーラーの実行

MATLAB Runtime をサイレント モードでインストールするには、以下を行います。

  1. MATLAB Runtime インストーラー アーカイブの内容を一時フォルダーに解凍します。

  2. システム コマンド プロンプトで、インストーラーを解凍したフォルダーに移動します。

  3. コマンド ラインで -agreeToLicense yes オプションを指定して、MATLAB Runtime インストーラーを実行します。最初のオプションとして -agreeToLicense yes を含めない場合、インストーラーは MATLAB Runtime をインストールしません。

    メモ

    ほとんどのプラットフォームでは、インストーラーはアーカイブが展開されたフォルダーのルートに配置されます。64 ビットの Windows の場合、インストーラーはアーカイブの bin フォルダーに配置されます。

    プラットフォームコマンド
    Windowssetup -agreeToLicense yes
    Linux

    sudo ./install -agreeToLicense yes

    メモ

    sudo は、書き込み権限のないディレクトリにインストールする場合にのみ必要です。

    メモ

    MATLAB Runtime R2022a 以前をインストールするには、コマンドで -mode silent も指定する必要があります。

  4. インストールのログを表示します。

    • Windows システムでは、インストーラーによって環境変数 TEMP で定義された場所に mathworks_username.log というログ ファイルが作成されます。ここで username は Windows のログイン名です。

    • Linux では、インストーラーによりコマンド プロンプトにログ情報が表示されます。-outputFile オプションを使用すると、ファイルにも保存されます。

非対話的インストールのカスタマイズ

非対話的に実行する場合、特に指定しなければインストーラーでは既定値が使用されます。MATLAB インストーラーと同様に、MATLAB Runtime インストーラーは、既定のインストール プロパティを変更するいくつかのオプションを受け入れます。

コマンド ライン オプションと値を含むインストーラー コントロール テキスト ファイルを作成します。各オプションの前のダッシュを省略し、各オプションと値のペアを個別の行に配置します。以下に例を示します。

agreeToLicense=yes destinationFolder=/usr/MATLAB/MATLAB_Runtime outputFile=myapp_log.txt

次に、引数 -inputfile を使用してファイルを指定します。たとえば、Linux では次のようになります。

./install -inputfile installer_input.txt

インストーラー入力ファイルでは次のオプションを指定できます。

オプション説明
-agreeToLicenseMATLAB Runtime ライセンスに同意します。
-destinationFolderMATLAB Runtime をインストールする場所を指定します。そのフォルダーに対する書き込みアクセス権限がユーザーにない場合は、インストーラーを管理者権限で実行する必要があります。
-outputFileインストール ログ ファイルの書き込み先を指定します。

メモ

MATLAB インストーラーのアーカイブには、installer_input.txt というサンプルのインストーラー コントロール ファイルが含まれています。これには、MATLAB の完全インストールで使用できるすべてのオプションが含まれています。ただし、MATLAB Runtime インストーラーはこのセクションに記載されているオプションのみを受け入れます。

管理者権限なしでの MATLAB Runtime のインストール

Linux の場合、MATLAB Runtimesudo 権限なしでインストールするには、インストール時に書き込み権限があるフォルダーを選択します。

Windows の場合、管理者権限のないユーザーとして MATLAB Runtime をインストールするには、以下を行います。

  1. MATLAB Runtime を、管理者権限のある Windows マシンにインストールします。

  2. MATLAB Runtime がインストールされたフォルダーを管理者権限のないマシンにコピーします。フォルダーは、配布用の zip ファイルに圧縮できます。

  3. 管理者権限のないマシンで、<MATLAB_RUNTIME_INSTALL_DIR>\runtime\arch ディレクトリをユーザーの環境変数 PATH に追加します。詳細については、デプロイ用の MATLAB Runtime パスの設定を参照してください。

1 台のマシンへの複数の MATLAB Runtime バージョンのインストール

MCRInstaller は、1 台のターゲット マシンに対する複数バージョンの MATLAB Runtime のインストールをサポートしています。この機能によって、異なるバージョンの MATLAB Runtime でコンパイルした複数のアプリケーションを、同一のマシン上に共存させて実行できます。

複数のバージョンの MATLAB Runtime がターゲット マシンに不要な場合は、不要なバージョンを削除できます。Windows で特定のバージョンを削除するには、コントロール パネルから [プログラムの追加と削除] を実行します。Linux では、不要な MATLAB Runtime ディレクトリを手動で削除します。バージョンのインストールや削除は任意の順序で行えるため、不要なバージョンの削除は、より新しいバージョンの MATLAB Runtime をインストールする前後のいずれでもかまいません。

メモ

macOS では、同一マシンに対する複数バージョンの MATLAB Runtime のインストールはサポートされていません。

同一マシンでの MATLABMATLAB Runtime

デプロイされたコンポーネントを開発マシンでテストする場合、MATLAB Runtime のインストールは必要ありません。コンポーネントのコンパイルに使用する MATLAB インストールは、MATLAB Runtime の代替として機能させることができます。

デバッグの目的で MATLAB Runtime をインストールできます。

パスの変更

MATLAB が既にインストールされているマシンに MATLAB Runtime をインストールする場合は、必要に応じてシステム ライブラリ パスを調整しなければなりません。

デプロイされた MATLAB コードを MATLAB ではなく MATLAB Runtime に対して実行するには、ライブラリ パスで、MATLAB Runtime ディレクトリがどの MATLAB ディレクトリよりも前にリストされていることを確認してください。環境変数の設定の詳細については、デプロイ用の MATLAB Runtime パスの設定を参照してください。

あるいは、コンパイル済みアプリケーションに対して生成されたシェル スクリプトを使用して MATLAB Runtime の場所を指定できます。

MATLAB Runtime のアンインストール

Windows

  1. アンインストーラーを起動します。

    Windows の [スタート] メニューからコントロール パネルで [プログラムの追加と削除] を見つけ、リストにある [MATLAB Runtime] をダブルクリックします。

    MATLAB Runtime アンインストーラーは <MATLAB_RUNTIME_INSTALL_DIR>\bin\<arch> フォルダーからも起動できます。ここで、<MATLAB_RUNTIME_INSTALL_DIR>MATLAB Runtime のインストール フォルダー、<arch>win32win64 などのアーキテクチャ固有のフォルダーです。

  2. [製品のアンインストール] ダイアログ ボックスの製品一覧から MATLAB Runtime を選択し、[次へ] をクリックします。

  3. [終了] をクリックします。

Linux

  1. MATLAB と MATLAB Runtime のインスタンスをすべて閉じます。

  2. Linux ターミナルで次のコマンドを入力します。

    rm -rf <MATLAB_RUNTIME_INSTALL_DIR>

    注意

    rm コマンドを使用する場合、削除したファイルは復元できませんので注意してください。

macOS

  1. MATLAB と MATLAB Runtime のインスタンスをすべて閉じます。

  2. MATLAB Runtime のインストール フォルダーに移動します。たとえば、インストール フォルダーは Applications フォルダー内で MATLAB_Compiler_Runtime.app のような名前が付けられています。

  3. MATLAB Runtime のインストール フォルダーをゴミ箱にドラッグし、[Finder] メニューから [ゴミ箱を空にする] を選択します。

参考

関連するトピック