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MATLAB Runtime について
MATLAB® Runtime (MCR) は、MATLAB のインストール バージョンがないコンピューター上で MATLAB ファイルの実行を可能にする、共有ライブラリ、MATLAB コード、およびその他のファイルの無償提供版のセットです。MATLAB Compiler™ または MATLAB Compiler SDK™ でビルドされたアーティファクトを使用するアプリケーションを実行するには、一致するバージョン (アップデート レベルは同じかそれ以降) の MATLAB Runtime にアクセスする必要があります。
コンパイル済みのアーティファクトのエンド ユーザーは、MATLAB にアクセスできない場合、MATLAB Runtime をインストールする必要があります。詳細については、MATLAB Runtime のダウンロードとインストールを参照してください。MATLAB Runtime のネットワーク インストールの使用の詳細については、アプリケーションと MATLAB Runtime のネットワーク ドライブへのデプロイを参照してください。
MATLAB Runtime を含む Docker® イメージをダウンロードするには、MATLAB Runtime コンテナーを参照してください。
コンパイラ アプリまたは compiler.package.installer
などの関数で生成したインストーラーは MATLAB Runtime インストーラーを含む場合があります。
MATLAB Runtime をインストールした後、オペレーティング システムとシェル環境によっては、ディレクトリをシステム ライブラリ パスに追加する必要がある場合があります。詳細については、デプロイ用の MATLAB Runtime パスの設定を参照してください。
MATLAB Runtime と MATLAB の違い
MATLAB Runtime は、いくつかの重要な点で MATLAB と異なっています。
MATLAB Runtime は MathWorks® の Web サイトで無償でダウンロードできます。MATLAB を使用するにはアクティブなライセンスが必要です。
MATLAB Runtime では MATLAB ファイルは暗号化され、不変です。
MATLAB にはデスクトップ グラフィカル インターフェイスがあります。MATLAB Runtime は、グラフィカル インターフェイスを除く MATLAB の機能をすべて備えています。
MATLAB Runtime はバージョン固有です。アプリケーションを作成した MATLAB Compiler のバージョンに関連付けられた MATLAB Runtime のバージョンを使用して、アプリケーションを実行しなければなりません。たとえば、MATLAB の Release R2023a を使用してアプリケーションをコンパイルした場合、エンド ユーザーは MATLAB Runtime の Version R2023a (アップデート レベルは同じかそれ以降) をインストールしていなければなりません。MATLAB Runtime のバージョン番号を調べるには、
mcrversion
を使用します。MATLAB Runtime インスタンス内の MATLAB のパスは固定されており、変更できません。変更するには、最初に MATLAB 内でカスタマイズしなければなりません。
MATLAB Runtime のサイズとパフォーマンスに関する考慮事項
MATLAB Compiler SDK は、MATLAB プログラミング言語が使用される広範なアプリケーションで動作するように設計されています。そのためランタイム ライブラリは大規模になります。
MATLAB Runtime は Java® プログラミング言語を含む MATLAB 言語を完全にサポートしているため、コンパイル済みのアプリケーションを起動するには、MATLAB を起動する場合とほぼ同じ時間がかかります。MATLAB のフル バージョンの能力と機能を保持するには、MATLAB Runtime によって消費されるリソース量が不可欠です。
MATLAB Runtime の呼び出しは直列化されるため、MATLAB Runtime の呼び出しはスレッドセーフとなっています。このことはパフォーマンスに影響する場合があります。
MATLAB Runtime のサイズの縮小
R2024b 以降
R2024b 以降、MATLAB Runtime インストールのサイズを縮小できます。compiler.runtime.customInstaller
関数を使用して、フットプリントが最小限のサイズのカスタム MATLAB Runtime インストーラーを作成します。
さらに、MATLAB Runtime の必要な依存関係から GPU ライブラリが除外されました。GPU ライブラリなしの MATLAB Runtime インストールを使用して、グラフィカル出力を表示しないパッケージ化された MATLAB コードを実行できます。GPU サポートなしの MATLAB Runtime を使用するには、compiler.runtime.customInstaller
関数を使用するか、MathWorks Docker リポジトリでホストされる MATLAB Runtime Docker イメージを使用します。詳細については、MATLAB Runtime コンテナーを参照してください。
参考
mcrversion
| compiler.runtime.download