デプロイ用の MATLAB Runtime パスの設定
MATLAB® Compiler™ または MATLAB Compiler SDK™ で生成されたアプリケーションはシステム ライブラリ パスを使用して、MATLAB Runtime ライブラリを見つけます。Windows® 用の MATLAB Runtime インストーラーは、インストール時にライブラリ パスを自動的に設定しますが、Linux® または macOS では、ライブラリを手動で追加する必要があります。MATLAB Runtime をインストールした後、オペレーティング システムとシェル環境での手順に従って、ランタイム フォルダーをシステム ライブラリ パスに追加します。
あるいは、MATLAB Runtime の場所を入力として、Linux または macOS 上で関連付けられたシェル スクリプト (run_
) に渡し、アプリケーションを起動できます。 application
.sh
メモ
ライブラリ パスには、MATLAB Runtime の複数のバージョンが含まれている場合があります。シェル スクリプトを使用せずに起動したアプリケーションでは、パスにリストされている最初のバージョンが使用されます。
ライブラリ パスを変更する前に、現在のパスの値をバックアップとして保存してください。
MATLAB Runtime のネットワーク インストールを使用している場合は、アプリケーションと MATLAB Runtime のネットワーク ドライブへのデプロイを参照してください。
ライブラリ パスの環境変数と MATLAB Runtime のフォルダー
オペレーティング システム | 環境変数 | ディレクトリ |
---|---|---|
Windows | PATH |
|
Linux | LD_LIBRARY_PATH |
|
macOS (Intel® プロセッサ) | DYLD_LIBRARY_PATH |
|
macOS (Apple シリコン) | DYLD_LIBRARY_PATH |
|
Windows
Windows 用の MATLAB Runtime インストーラーは、インストール時にライブラリ パスを自動的に設定します。インストーラーを使用しない場合は、以下の手順を実行して環境変数 PATH
を永続的に設定します。
C:\Windows\System32\SystemPropertiesAdvanced.exe
を実行し、[環境変数...] ボタンをクリックします。システム変数
Path
を選択し、[編集...] をクリックします。メモ
マシンの管理者権限がない場合は、システム変数の代わりにユーザー変数
Path
を選択します。[新規] をクリックし、フォルダー
を追加します。<MATLAB_RUNTIME_INSTALL_DIR>
\runtime\<arch>
たとえば、64 ビット Windows の既定のインストール フォルダーにある MATLAB Runtime R2024b を使用している場合は、
C:\Program Files\MATLAB\MATLAB Runtime\R2024b\runtime\win64
を追加します。[OK] をクリックして変更を適用します。
メモ
パスに複数の MATLAB Runtime のバージョンが含まれている場合、アプリケーションではパスにリストされている最初のバージョンが使用されます。
Linux
Bash
以外のシェルにおける環境変数の設定の詳細については、シェルのドキュメンテーションを参照してください。
Bash シェル
ターミナルに、
LD_LIBRARY_PATH
の現在値を表示します。echo $LD_LIBRARY_PATH
現在のセッション用に、MATLAB Runtime のフォルダーを変数
LD_LIBRARY_PATH
に追加します。たとえば、既定のインストール フォルダーにある MATLAB Runtime R2024b を使用している場合は、次のコマンドを使用します。
export LD_LIBRARY_PATH="${LD_LIBRARY_PATH:+${LD_LIBRARY_PATH}:}\ /usr/local/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/runtime/glnxa64:\ /usr/local/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/bin/glnxa64:\ /usr/local/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/sys/os/glnxa64:\ /usr/local/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/extern/bin/glnxa64"
メモ
低水準グラフィックスの問題を解決するために Mesa Software OpenGL® のレンダリングが必要な場合は、パスにフォルダー
を追加します。詳細については、低水準グラフィックス問題の解決を参照してください。<MATLAB_RUNTIME_INSTALL_DIR>
/sys/opengl/lib/glnxa64LD_LIBRARY_PATH
の新しい値を表示して、パスが正しいことを確認します。echo $LD_LIBRARY_PATH
ldd --version
と入力して、GNU® C ライブラリ (glibc
) のバージョンを確認します。表示されたバージョンが 2.17 以前の場合は、次のコマンドを使用して
を環境変数<MATLAB_RUNTIME_INSTALL_DIR>
/bin/glnxa64/glibc-2.17_shim.soLD_PRELOAD
に追加します。export LD_PRELOAD="${LD_PRELOAD:+${LD_PRELOAD}:}\ /usr/local/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/bin/glnxa64/glibc-2.17_shim.so"
これらの変更を永続的なものにする場合は、UNIX でのパスの永続的な設定を参照してください。
macOS
ターミナルに、
DYLD_LIBRARY_PATH
の現在値を表示します。echo $DYLD_LIBRARY_PATH
現在のセッション用に、MATLAB Runtime のフォルダーを変数
DYLD_LIBRARY_PATH
に追加します。たとえば、既定のインストール フォルダーにある MATLAB Runtime R2024b を使用している場合は、システム アーキテクチャに応じて次のコマンドのいずれかを使用します。
Intel プロセッサベースの macOS の場合は、
maci64
ディレクトリを使用します。export DYLD_LIBRARY_PATH="${DYLD_LIBRARY_PATH:+${DYLD_LIBRARY_PATH}:}\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/runtime/maci64:\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/bin/maci64:\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/sys/os/maci64:\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/extern/bin/maci64"
Apple シリコンベースの macOS の場合は、
maca64
ディレクトリを使用します。export DYLD_LIBRARY_PATH="${DYLD_LIBRARY_PATH:+${DYLD_LIBRARY_PATH}:}\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/runtime/maca64:\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/bin/maca64:\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/sys/os/maca64:\ /Applications/MATLAB/MATLAB_Runtime/R2024b/extern/bin/maca64"
DYLD_LIBRARY_PATH
の値を表示して、パスが正しいことを確認します。echo $DYLD_LIBRARY_PATH
これらの変更を永続的なものにする場合は、UNIX でのパスの永続的な設定を参照してください。
UNIX でのパスの永続的な設定
注意
MATLAB Runtime ライブラリが、ライブラリ パスを使用する他のアプリケーションと競合することがあります。この場合には、現在のセッションについてのみパスを設定するか、生成されたシェル スクリプトを使用して MATLAB Compiler SDK のアプリケーションを実行します。
Linux または macOS へのログイン時に環境変数を設定するには、Bash
シェルの構成ファイル ~/.bash_profile
または Zsh
シェルの構成ファイル ~/.zprofile
に export
コマンドを追加します。
現在のシェル環境を確認するには、echo $SHELL
を入力します。