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compiler.build.ExcelAddInOptions

Excel アドインのビルドのオプション

R2021a 以降

    説明

    opts = compiler.build.ExcelAddInOptions(FunctionFiles) は、FunctionFiles で指定された MATLAB® 関数を使用して ExcelAddInOptions オブジェクトを作成します。ExcelAddInOptions オブジェクトを関数 compiler.build.excelAddIn への入力として使用します。

    opts = compiler.build.ExcelAddInOptions(FunctionFiles,Name,Value) は、名前と値の引数を 1 つ以上使って指定したオプションを用いて、ExcelAddInOptions オブジェクトを作成します。オプションには、アドイン名、含める追加ファイル、出力ディレクトリなどがあります。

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    ファイル入力を使用して ExcelAddInOptions オブジェクトを作成します。

    この例では、matlabroot\extern\examples\compiler にあるファイル magicsquare.m を使用します。

    appFile = fullfile(matlabroot,'extern','examples','compiler','magicsquare.m');
    opts = compiler.build.ExcelAddInOptions(appFile)
    opts = 
    
      ExcelAddInOptions with properties:
    
                      AddInName: 'magicsquare'
                   AddInVersion: '1.0.0.0'
                      ClassName: 'magicsquareClass'
                     DebugBuild: off
                   EmbedArchive: on
                  FunctionFiles: {'C:\Program Files\MATLAB\R2025b\extern\examples\compiler\magicsquare.m'}
        GenerateVisualBasicFile: off
                AdditionalFiles: {}
            AutoDetectDataFiles: on
          ExternalEncryptionKey: [0×0 struct]
               ObfuscateArchive: off
                SecretsManifest: ''
                SupportPackages: {'autodetect'}
                        Verbose: off
                      OutputDir: '.\magicsquareexcelAddIn'

    ドット表記を使用して、既存の ExcelAddInOptions オブジェクトのプロパティ値を変更することができます。たとえば、詳細な出力を有効にします。

    opts.Verbose = 'on'
    opts = 
    
      ExcelAddInOptions with properties:
    
                      AddInName: 'magicsquare'
                   AddInVersion: '1.0.0.0'
                      ClassName: 'magicsquareClass'
                     DebugBuild: off
                   EmbedArchive: on
                  FunctionFiles: {'C:\Program Files\MATLAB\R2025b\extern\examples\compiler\magicsquare.m'}
        GenerateVisualBasicFile: off
                AdditionalFiles: {}
            AutoDetectDataFiles: on
          ExternalEncryptionKey: [0×0 struct]
               ObfuscateArchive: off
                SecretsManifest: ''
                SupportPackages: {'autodetect'}
                        Verbose: on
                      OutputDir: '.\magicsquareexcelAddIn'

    ExcelAddInOptions オブジェクトを関数 compiler.build.excelAddIn への入力として使用して、Excel® アドインをビルドします。

    buildResults = compiler.build.excelAddIn(opts);

    ExcelAddInOptions オブジェクトを作成し、名前と値の引数を使用してカスタマイズします。

    この例では、matlabroot\extern\examples\compiler にあるファイル magicsquare.m を使用します。名前と値の引数を使用して出力ディレクトリを指定し、Visual Basic® ファイルを生成して、詳細な出力を有効にします。

    appFile = fullfile(matlabroot,'extern','examples','compiler','magicsquare.m');
    opts = compiler.build.ExcelAddInOptions(appFile, ...
    'OutputDir','D:\Documents\MATLAB\work\MagicSquareAddIn', ...
    'GenerateVisualBasicFile','On')

    ExcelAddInOptions オブジェクトを関数 compiler.build.excelAddIn への入力として使用して、Excel アドインをビルドします。

    buildResults = compiler.build.excelAddIn(opts);

    入力引数

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    MATLAB 関数を実装するファイルのリスト。文字ベクトル、string スカラー、string 配列、または文字ベクトルの cell 配列として指定します。ファイルの拡張子は .m.p.mlx.mexa64 のいずれかである必要があります。

    例: {'myFunction1.m','myFunction2.m'}

    データ型: char | string | cell

    名前と値の引数

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    オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

    R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

    例: 'Verbose','on'

    Excel アドインの名前。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。生成されたアドインの既定の名前は、FunctionFiles 引数の最初のエントリです。名前は文字で始まり、英字とアンダースコアのみを使用していなければなりません。

    例: 'AddInName','myAddIn'

    データ型: char | string

    アドインのバージョン。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。

    例: 'AddInVersion','4.0'

    データ型: char | string

    Excel アドインに含める追加のファイルとフォルダー。文字ベクトル、string スカラー、string 配列、または文字ベクトルの cell 配列として指定します。パスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

    例: 'AdditionalFiles',["myvars.mat","data.txt"]

    データ型: char | string | cell

    データ ファイルを自動的に含めるためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) または 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off' の値は false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    • このプロパティを 'on' に設定した場合、特定の関数 (loadfopen など) の入力として指定されるデータ ファイルは自動的にアドインに含められます。

    • このプロパティを 'off' に設定した場合、データ ファイルは AdditionalFiles プロパティを使用してアドインに追加しなければなりません。

    例: 'AutoDetectDataFiles','Off'

    データ型: logical

    クラスの名前。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。クラス名は Excel アドインのクラス名の要件に適合しなければなりません。

    既定値は、FunctionFiles 引数にリストされている最初のファイルの名前に Class を追加したものです。

    例: 'ClassName','magicsquareClass'

    データ型: char | string

    デバッグ シンボルを有効にするためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) か 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off' の値は false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    • このプロパティを 'on' に設定した場合、コンパイルされたアーティファクトにデバッグ シンボル情報が含まれます。このオプションによって、mbuild からシステム コンパイラに適切なデバッグ フラグも渡されます。このデバッグ オプションを使用すると、MATLAB Runtime の初期化、関数呼び出し、または終了ルーチンのいずれでエラーが発生したかを特定できる箇所まで戻ることができます。このオプションでは、外部デバッガーで MATLAB ファイルをデバッグすることはできません。

    • このプロパティを 'off' に設定した場合、デバッグ シンボルは含まれません。これは既定のオプションです。

    例: 'DebugSymbols','on'

    データ型: logical

    デプロイ可能なアーカイブを組み込むためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) か 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off' の値は false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    • このプロパティを 'on' に設定した場合、関数はデプロイ可能なアーカイブを Excel アドインに組み込みます。

    • このプロパティを 'off' に設定した場合、関数はデプロイ可能なアーカイブを別個のファイルとして生成します。

    例: 'EmbedArchive','Off'

    データ型: logical

    R2024b 以降

    外部の AES 暗号化キー ファイルおよび MEX キー ローダー ファイルへのパス。char 行ベクトルまたは string スカラーの正確に 2 つのフィールドをもつスカラー struct として指定します。フィールド名はそれぞれ EncryptionKeyFileRuntimeKeyLoaderFile です。struct のフィールドはどちらも必須です。ファイル パスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

    たとえば、struct keyValueStruct を使用して暗号化キーを encrypt.key、ローダー ファイルを loader.mexw64 と指定します。

    keyValueStruct.EncryptionKeyFile='encrypt.key'; keyValueStruct.RuntimeKeyLoaderFile='loader.mexw64'
    

    暗号化キー ファイルは、サポートされている次のいずれかの形式でなければなりません。

    • バイナリ 256 ビットの AES キー、32 バイトのファイル サイズ

    • 16 進数でエンコードされた AES キー、64 バイトのファイル サイズ

    MEX ファイル ローダーは実行時に復号化キーを取得します。これは次の引数をもつインターフェイスでなければなりません。

    • prhs[0] — 入力、固定値 'get' として指定される char 配列

    • prhs[1] — 入力、CTF コンポーネント UUID として指定される char 配列

    • plhs[0] — 出力、キーの形式に応じて 32 バイトの UINT8 数値配列または 64 バイトの 16 進数でエンコードされた char 配列

    複数の CTF で同じキーを共有することは避けてください。

    例: 'ExternalEncryptionKey',keyValueStruct

    データ型: struct

    Visual Basic ファイル (.bas) および Excel アドイン ファイル (.xla) を生成するためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical の 1 (true) か 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off' の値は false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    • このプロパティを 'on' に設定した場合、関数は Excel アドイン XLA ファイルと、アドインに対する Microsoft® Excel の数式関数インターフェイスを含む Visual Basic BAS ファイルを生成します。

    • このプロパティを 'off' に設定した場合、関数は Visual Basic ファイルや Excel アドイン ファイルを生成しません。

    メモ

    Excel アドイン ファイル (.xla) を生成するには、Excel の設定で [VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する] を有効にする必要があります。

    例: 'GenerateVisualBasicFile','on'

    データ型: logical

    デプロイ可能なアーカイブを難読化するためのフラグ。'on'/1/true または 'off'/0/false として指定します。値は、matlab.lang.onoffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    このプロパティを 'on' に設定した場合、デプロイ可能なアーカイブのフォルダー構造およびファイル名はエンド ユーザーに対して難読化され、.m.mlapp.p.mat、MLX、SFX、および MEX ファイルに含まれているユーザー コードおよびデータはアーカイブ内のユーザー パッケージに配置されます。また、すべての .m ファイルがパッケージ化の前に P ファイルに変換されます。

    実行時に、MATLAB コードとデータはファイル システムに抽出されるのではなく、ユーザー パッケージから直接復号化されて読み込まれます。MEX ファイルは、一時的にユーザー パッケージから抽出されてから、読み込まれます。

    追加のファイル タイプをユーザー パッケージに手動で含めるには、それぞれのファイル タイプを個別の拡張子タグでファイル matlabroot/toolbox/compiler/advanced_package_supported_files.xml に追加します。

    以下はサポートされて "いません"

    • ver 関数

    • DLL などの外部ライブラリの呼び出し

    • アウトプロセスの MATLAB Runtime (MATLAB データ配列の C++ 共有ライブラリ)

    • アウトプロセスでの MEX ファイルの実行 (mexhostfevalmatlab.mex.MexHost)

    • R2023b より前: v7.3 以外の .mat ファイル

    このオプションを有効にすることは、-j および -s を指定して mcc を使用するのと等価です。

    このプロパティを 'off' に設定した場合、デプロイ可能なアーカイブは難読化されません。これは既定の動作です。

    例: 'ObfuscateArchive','on'

    データ型: logical

    ビルド ファイルが保存される出力ディレクトリへのパス。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。このパスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

    ビルド フォルダーの既定の名前は、アドイン名に excelAddIn を追加したものです。

    例: 'OutputDir','D:\Documents\MATLAB\work\mymagicexcelAddIn'

    データ型: char | string

    R2024b 以降

    デプロイ可能なアーカイブに組み込む秘密鍵を指定する secret マニフェスト JSON ファイルへのパス。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。このパスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

    MATLAB コードで関数 getSecretgetSecretMetadata、または isSecret を呼び出す場合、デプロイ可能なアーカイブに組み込む秘密鍵を JSON secret マニフェスト ファイルで指定しなければなりません。コードで getSecret を呼び出す場合に SecretsManifest オプションが指定されていないと、MATLAB Compiler™ は警告を発行し、<component_name>_secrets_manifest.json という名前の出力フォルダーにテンプレート JSON ファイルを生成します。"Embedded" フィールドで秘密鍵の名前を指定して、このファイルを修正します。

    関数 setSecret はデプロイ可能ではありません。デプロイ可能なアーカイブに秘密鍵を組み込むには、アーカイブをビルドする前に MATLAB で setSecret を呼び出す必要があります。

    シークレットを使用したデプロイの詳細については、Handle Sensitive Information in Deployed Applicationsを参照してください。

    例: 'SecretsManifest','D:\Documents\MATLAB\work\mycomponent\mycomponent_secrets_manifest.json'

    データ型: char | string

    含めるサポート パッケージ。次のオプションのいずれかとして指定します。

    • 'autodetect' (既定) — 依存関係の分析プロセスにより、必要なサポート パッケージが自動的に検出され、含められます。

    • 'none' — サポート パッケージは含められません。このオプションを使用すると、ランタイム エラーの原因となる可能性があります。

    • string スカラー、文字ベクトル、または文字ベクトルの cell 配列 — 指定されたサポート パッケージのみが含められます。インストールされている、または特定のファイルで使用されるサポート パッケージのリストを表示するには、compiler.codetools.deployableSupportPackages を参照してください。

    例: 'SupportPackages',{'Deep Learning Toolbox Converter for TensorFlow Models','Deep Learning Toolbox Model for Places365-GoogLeNet Network'}

    データ型: char | string | cell

    ビルドの詳細を制御するためのフラグ。'on' または 'off'、もしくは数値または logical 1 (true) または 0 (false) として指定します。'on' の値は true と等価であり、'off' の値は false と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    • このプロパティを 'on' に設定した場合、MATLAB コマンド ウィンドウには、ビルド プロセス中のコンパイラ出力を示す進行状況情報が表示されます。

    • このプロパティを 'off' に設定した場合、コマンド ウィンドウには進行状況の情報は表示されません。

    例: 'Verbose','on'

    データ型: logical

    出力引数

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    Excel アドインのビルド オプション。ExcelAddInOptions オブジェクトとして返されます。

    バージョン履歴

    R2021a で導入

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