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Simulink での FM ブロードキャスト受信機
この例では、Simulink® および Communications Toolbox™ を使用して FM のモノラル受信機またはステレオ受信機を作成する方法について説明します。取得した信号を使用することも、RTL-SDR 無線機、ADALM-PLUTO 無線機、または USRP 無線機を使用してリアルタイムに信号を受信することもできます。
必要なソフトウェアとハードウェア
取得した信号を使用してこの例を実行するには、次のソフトウェアが必要です。
信号をリアルタイムに受信するには、次のいずれかのハードウェアも必要になります。
RTL-SDR 無線機と対応するソフトウェア Communications Toolbox Support Package for RTL-SDR Radio
ADALM-PLUTO 無線機と対応するソフトウェア Communications Toolbox Support Package for ADALM-PLUTO Radio
USRP 無線機と対応するソフトウェア Communications Toolbox Support Package for USRP Radio
Communications Toolbox でサポートされる SDR プラットフォームのすべてのリストについては、"ソフトウェア無線 (SDR)" のサポートされているハードウェアのセクションを参照してください。
はじめに
FM ブロードキャスト技術とそれらの信号の復調の概要については、FM ブロードキャスト受信機の例を参照してください。
例の実行
取得した信号を使用してこの例を実行するには、Signal Source Selector
ブロックを使用して、FM Broadcast Captured Signal
ブロックをソースとして選択します。次に実行ボタンをクリックします。
RTL-SDR 無線機、ADALM-PLUTO 無線機、または USRP 無線機をソースとして使用してこの例を実行するには、Signal Source Selector
ブロックを使用して、対応する RTL-SDR Receiver
ブロック、ADALM-PLUTO Radio Receiver
ブロック、または USRP Radio Receiver
ブロックをソースとして選択します。Center Frequency (MHz)
ブロックをダブルクリックし、近くのブロードキャスト FM ラジオ放送局の中心周波数の値を選択します。
音の途切れや遅延がある場合は、アクセラレータ モードでモデルを実行します。モデルのメニューから、[シミュレーション]、[アクセラレータ] を選択し、次に実行ボタンをクリックします。アクセラレータ モードでも依然として音の途切れや遅延が発生する場合は、ラピッド アクセラレータ モードでモデルを実行してみてください。
受信機の構造
次のブロック線図の受信機構造は、この例で使用される FMReceiverSimulinkExample.slx モデルを表しています。処理には、信号ソース、FM ブロードキャスト復調、およびオーディオ出力からなる 3 つの主要な部分があります。
信号ソース
この例では、3 つの信号ソースを使用できます。
"取得した信号": ファイルに書き込まれ、毎秒 228e3 サンプルでBaseband File Readerブロックを使用して取得される無線信号。
''RTL-SDR 無線機'': 毎秒 200e3 サンプルで動作する RTL-SDR 無線機。中心周波数を近くのブロードキャスト FM ラジオ放送局に設定します。
''ADALM-PLUTO 無線受信機'': 毎秒 200e3 サンプルで動作する ADALM-PLUTO 無線機。中心周波数を近くのブロードキャスト FM ラジオ放送局に設定します。
''USRP 無線受信機'': 毎秒 200e3 サンプルで動作する USRP 無線機。中心周波数を近くのブロードキャスト FM ラジオ放送局に設定します。
FM ブロードキャスト復調
信号ソースから受信したベースバンド サンプルは、FM Broadcast Demodulation Baseband
ブロックによって処理されます。このブロックは、228 kHz の入力サンプル レートを、ホスト コンピューターのオーディオ デバイスのサンプル レートである 45.6 kHz に変換します。米国の FM 放送の規格に従って、ディエンファシス ローパス フィルターの時定数が 75 マイクロ秒に設定されています。この例では、受信されたモノラル信号を処理します。復調器は、ステレオ信号も処理できます。
ステレオ復号化を実行するために、FM Broadcast Demodulator Baseband オブジェクトではピーク フィルターを使用して 19 kHz パイロット トーンを選択します。これは、38 kHz の搬送波を作成する基になります。得られた搬送波信号を使用して、FM Broadcast Demodulator Baseband ブロックは、中心が 38 kHz の L-R 信号をベースバンドにダウンコンバートします。その後に、L-R および L+R 信号が 75 マイクロ秒ディエンファシス フィルターを通過します。FM Broadcast Demodulator Baseband ブロックが L と R 信号を分離し、それらを 45.6 kHz 音声信号に変換します。
オーディオ デバイス ライター
Audio Device Writer
ブロックを使用して、復調されたオーディオ信号をコンピューターのスピーカーから再生します。
その他の調査
例をさらに調べるために、Center Frequency (MHz)
ブロックを使用して、RTL-SDR 無線機、ADALM-PLUTO 無線機、または USRP 無線機の中心周波数を変え、他のラジオ局を聴取することもできます。
FM Broadcast Demodulator Baseband
ブロックの Stereo プロパティを true に設定することで、信号がステレオ形式で処理され、音質を比較できます。