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commsrc.pattern
パターン発生器オブジェクトの構築
説明
h = commsrc.pattern
はパターン発生器オブジェクト h
を構築します。
パターン発生器オブジェクトは、変調されたデータ パターンを生成します。このオブジェクトを使用して、変調された信号にジッターを投入できます。
h = commsrc.pattern(
は、指定の Name
,Value
)Name
プロパティが指定の Value
に設定されたパターン発生器オブジェクトを作成します。(Name1
,Value1
,...,NameN
,ValueN
) のように、追加の名前と値のペアの引数を任意の順番で指定できます。
プロパティ
パターン発生器オブジェクトには、次のプロパティが含まれます。明示的に注記のあるプロパティ以外はすべて編集可能です。
Property | 説明 |
---|---|
Type | パターン発生器オブジェクトのタイプ ('Pattern Generator' )。このプロパティは書き換え可能ではありません。 |
SamplingFrequency | 入力信号のサンプリング周波数 (Hz 単位)。 |
SymbolRate | 入力信号のシンボル レート。このプロパティは、SamplingFequency プロパティと SamplesPerSymbol プロパティに依存します。このプロパティは書き換え可能ではありません。 |
SamplesPerSymbol | シンボルを表すサンプル数。 |
PulseType | オブジェクトが生成するパルスのタイプ。使用可能なパルス タイプは、ゼロ復帰 ( |
OutputLevels | シンボルのインデックスに対応する振幅レベル。 |
DutyCycle | オブジェクトが生成するパルスのデューティ比。パルス パラメーターに基づき計算されたデューティ比を表示します。このプロパティは書き換え可能ではありません。 |
RiseTime | パルスの 10% ~ 90% の立ち上がり時間を秒単位で指定します。 |
PulseDuration | IEEE STD 181 標準で定義された秒単位のパルス存続時間 「非ゼロ復帰 (RZ) 信号の変換: STD–181 の理想的なパルス」の図 (オブジェクト関数) を参照してください。 |
FallTime | パルスの立ち下り時間 (秒単位)。10 ~ 90 の割合として指定します。 |
DataPattern | オブジェクトが使用するビット シーケンス。 |
UserDataPattern | ユーザー定義のビット列は、1 と 0 のベクトルで構成されます。 |
Jitter | ジッターの特性。 |
オブジェクト関数
パターン発生器オブジェクトには、この節で説明するように 5 つのオブジェクト関数があります。
generate
このオブジェクト関数は、変調されたシンボルおよび内挿されたシンボルに値するフレームを出力します。このメソッドにはフレーム内のシンボル数である入力引数が 1 つあります。出力は列ベクトルです。オブジェクト関数は次の構文で呼び出すことができます。
x = generate(h, N)
h
はオブジェクトのハンドル、N
は出力シンボルの数、x
は長さが N
と h.SamplesPerSymbol
の積の列ベクトルです。reset
このオブジェクト関数は、パターン発生器を既定の状態にリセットします。オブジェクトの状態に関連していないプロパティの値はリセットされません。このオブジェクト関数には入力引数はありません。
idealtostd181
このオブジェクト関数は、理想的なパルス仕様を IEEE STD-181 仕様に変換します。理想的な 0% ~ 100% の範囲の立ち上がり時間 (tr
) および立ち下がり時間 (tf
) は、50% のパルス幅存続時間 (pw
) で 10% ~ 90% の範囲に変換されます。次の構文を使用してオブジェクト関数 idealtostd181
を呼び出します。
h = idealtostd181(tr,tf,pw)
オブジェクト関数が適切なプロパティを設定します。IEEE STD-181 のゼロ復帰 (RZ) 信号パラメーターが次の図に示されています。
std181toideal
オブジェクト関数 std181toideal
は、パターン発生器に保存された IEEE STD-181 パルス仕様を理想的なパルス仕様に変換します。この関数は、立ち上がり時間および立ち下がり時間を 10% ~ 90% の範囲から 0% ~ 100% の範囲に変換し、50% のパルス存続時間をパルス幅に変換します。次の構文を使用してオブジェクト関数 std181toideal
を呼び出します。
[tr tf pw] = std181toideal(h)
h
はパターン発生器オブジェクト ハンドル、tr
は理想的な 0% ~ 100% の立ち上がり時間、tf
は理想的な 0% ~ 100% の立ち下がり時間、pw
は理想的なパルス幅です。理想的なパルスの非ゼロ復帰 (NRZ) 信号パラメーターが次の図に示されています。
IEEE STD-181 仕様のプロパティ値を使用してください。
computedcd
オブジェクト関数 computedcd
は、パターン発生器オブジェクト h で定義されたパルスのデューティ比歪み DCD を計算します。
DCD は、パルス オフの持続時間に対するパルス オンの持続時間の比を表します。NRZ パルスの場合、オンの持続時間はパルスがシンボル境界レベルより上にある時間です。オフの持続時間は、パルスがゼロより下にある時間です。次の構文を使用してオブジェクト関数 computedcd
を呼び出します。
dcd = computedcd(h)
ソフトウェアは、tR、tF、Tsym を与えられると DCD を計算します。この式は、シンボル限界レベルが 0 であることを仮定しています。
Th = (Ah-Al) * + (Ah-Al) * + PW+
Tl = (Ah-Al) * + (Ah-Al) * + PW-
DCD =
ここで Th は高信号の持続時間、Tl は低信号の持続時間、DCD は低信号の持続時間に対する高信号の持続時間の比を表します。
例
参照
[1] IEEE Standard for Transitions, Pulses, and Related Waveforms, STD-181-2011. Piscataway, NJ. 6 September 2011.
バージョン履歴
R2008b で導入