5G NR ダウンリンク ベクトル波形の生成
この例では、関数nrWaveformGenerator
を使用して、ベースバンド成分のキャリアに対する 5G NR ダウンリンク ベクトル波形を構成し、生成する方法を説明します。
はじめに
この例では、関数 nrWaveformGenerator
を使用して、5G New Radio (NR) ダウンリンク波形をパラメーター化し、生成する方法を説明します。生成される波形には、次のチャネルと信号が含まれます。
PDSCH および対応する DM-RS と PT-RS
PDCCH および対応する DM-RS
PBCH および対応する DM-RS
PSS と SSS
CSI-RS
この例では、複数のサブキャリア間隔 (SCS) キャリアと bandwidth part (BWP) を特徴とするベースバンド成分の搬送波形をパラメーター化し、生成する方法を説明しています。異なる BWP で、物理ダウンリンク共有チャネル (PDSCH)、物理ダウンリンク制御チャネル (PDCCH)、チャネル状態情報基準信号 (CSI-RS) の複数のインスタンスを生成できます。PDCCH をマッピングするための control resource set (CORESET) とサーチ スペース モニタリングのセットを構成できます。この例では、物理チャネルと物理量信号にプリコーディングを適用しません。
波形とキャリアの構成
nrDLCarrierConfig
オブジェクトを使用して、ベースバンド波形の生成をパラメーター化します。このオブジェクトには、波形チャネルと信号に対応する追加のオブジェクト セットが含まれており、次のダウンリンク キャリア構成パラメーターを設定できます。
DL キャリア構成のラベル
リソース ブロックの SCS キャリア帯域幅
キャリア セル ID
サブフレームで生成する波形の長さ
ウィンドウ処理
OFDM 変調波形のサンプル レート
シンボル位相補償の搬送周波数
nrSCSCarrierConfig
オブジェクトの NStartGrid
プロパティと NSizeGrid
プロパティを使用して、SCS キャリア帯域幅と保護帯域を制御できます。
waveconfig = nrDLCarrierConfig; % Create a downlink carrier configuration object waveconfig.Label = 'DL carrier 1'; % Label for this downlink waveform configuration waveconfig.NCellID = 0; % Cell identity waveconfig.ChannelBandwidth = 40; % Channel bandwidth (MHz) waveconfig.FrequencyRange = 'FR1'; % 'FR1' or 'FR2' waveconfig.NumSubframes = 10; % Number of 1 ms subframes in generated waveform (1, 2, 4, 8 slots per 1 ms subframe, depending on SCS) waveconfig.WindowingPercent = 0; % Percentage of windowing relative to FFT length waveconfig.SampleRate = []; % Sample rate of the OFDM modulated waveform waveconfig.CarrierFrequency = 0; % Carrier frequency in Hz. This property is used for symbol phase % compensation before OFDM modulation % Define a set of SCS specific carriers, using the maximum sizes for a % 40 MHz NR channel. See TS 38.101-1 for more information on defined % bandwidths and guardband requirements scscarriers = {nrSCSCarrierConfig,nrSCSCarrierConfig}; scscarriers{1}.SubcarrierSpacing = 15; scscarriers{1}.NSizeGrid = 216; scscarriers{1}.NStartGrid = 0; scscarriers{2}.SubcarrierSpacing = 30; scscarriers{2}.NSizeGrid = 106; scscarriers{2}.NStartGrid = 1;
SS バースト
この節では、信号同期 (SS) バーストのパラメーターを設定できます。SS バーストの numerology は、波形の他の部分と異なる場合があります。TS 38.213 の Section 4.1 に規定されているブロック パターン パラメーターによって指定されます。ビットマップは、5 ms のハーフフレーム バーストで送信するブロックを指定します。また、ミリ秒単位の周期性とバーストのパワーを設定できます。構成可能な SS バースト プロパティのすべてのリストについては、nrWavegenSSBurstConfig
を参照してください。
% SS burst configuration ssburst = nrWavegenSSBurstConfig; ssburst.Enable = 1; % Enable SS Burst ssburst.Power = 0; % Power scaling in dB ssburst.BlockPattern = 'Case B'; % Case B (30kHz) subcarrier spacing ssburst.TransmittedBlocks = [1 1 1 1]; % Bitmap indicating blocks transmitted in a 5ms half-frame burst ssburst.Period = 20; % SS burst set periodicity in ms (5, 10, 20, 40, 80, 160) ssburst.NCRBSSB = []; % Frequency offset of SS burst (CRB), use [] for the waveform center
BWP
BWP は、特定の SCS キャリアに対して numerology を共有する連続したリソースのセットで形成されます。cell 配列を使用して、複数の BWP を定義できます。nrWavegenBWPConfig
オブジェクトの cell 配列の各要素によって、BWP を定義します。それぞれの BWP に対して、SCS、サイクリック プレフィックス (CP) 長、帯域幅を指定できます。SubcarrierSpacing
プロパティで、先に定義済みの SCS 固有のキャリアの 1 つに BWP をリンクします。NStartBWP
プロパティで、キャリア内の BWP のポイント A に対する相対位置を制御します。NStartBWP
は、BWP numerology を基準に共通リソース ブロック (CRB) で表します。異なる BWP が互いにオーバーラップすることもあります。
% BWP configurations bwp = {nrWavegenBWPConfig,nrWavegenBWPConfig}; bwp{1}.BandwidthPartID = 1; % BWP ID bwp{1}.Label = 'BWP 1 @ 15 kHz'; % Label for this BWP bwp{1}.SubcarrierSpacing = 15; % BWP subcarrier spacing bwp{1}.CyclicPrefix = 'Normal'; % BWP cyclic prefix for 15 kHz bwp{1}.NSizeBWP = 25; % Size of BWP in PRBs bwp{1}.NStartBWP = 12; % Position of BWP, relative to point A, in CRBs bwp{2}.BandwidthPartID = 2; % BWP ID bwp{2}.Label = 'BWP 2 @ 30 kHz'; % Label for this BWP bwp{2}.SubcarrierSpacing = 30; % BWP subcarrier spacing bwp{2}.CyclicPrefix = 'Normal'; % BWP cyclic prefix for 30 kHz bwp{2}.NSizeBWP = 50; % Size of BWP in PRBs bwp{2}.NStartBWP = 51; % Position of BWP, relative to point A, in CRBs
CORESET とサーチ スペースの構成
CORESET と PDCCH サーチ スペース構成を指定します。CORESET とサーチ スペースは、特定の numerology について制御チャネル送信が取り得る位置 (時間と周波数) を指定します。nrCORESETConfig
オブジェクトの cell 配列の各要素によって CORESET を定義し、nrSearchSpaceConfig
オブジェクトの cell 配列の各要素によってサーチ スペースを定義します。
次のパラメーターを CORESET とサーチ スペースごとに設定します。
スロット内の各 CORESET モニタリングの最初のシンボルを指定する OFDM シンボル。
周期内に割り当てられたスロットのブロックの持続時間。
割り当てパターンの周期性。
CORESET 持続時間 (1、2、3 のいずれかのシンボル数)。
CORESET の割り当て物理リソース ブロック (PRB) を定義するビットマップ。CORESET の周波数割り当ては、ポイント A に対して相対的に CRB で番号付けされた 6 つの PRB ブロックで定義されます。ビットマップのそれぞれのビットは、該当する CRB 割り当てブロック内の 6 つの PRB すべてを選択します。
CCE から REG へのマッピング ('interleaved' または 'noninterleaved' が指定可能)。
リソース エレメント グループ (REG) バンドル サイズ (L) (CORESET 持続時間に基づき (2,6) か (3,6) のいずれか)。
インターリーバーのサイズ (2、3、6 のいずれか)。
シフト インデックス (0 ~ 274 の範囲のスカラー値)。
次の図は、CORESET のいくつかのパラメーターの意味を示しています。
% CORESET and search space configurations coresets = {nrCORESETConfig}; coresets{1}.CORESETID = 1; % CORESET ID coresets{1}.Duration = 3; % CORESET symbol duration (1,2,3) coresets{1}.FrequencyResources = [1 1 0 1]; % Bitmap indicating blocks of 6 PRB for CORESET (RRC - frequencyDomainResources) coresets{1}.CCEREGMapping = 'noninterleaved'; % Mapping: 'interleaved' or 'noninterleaved' coresets{1}.REGBundleSize = 3; % L (2,6) or (3,6) coresets{1}.InterleaverSize = 2; % R (2,3,6) coresets{1}.ShiftIndex = waveconfig.NCellID; % Set to NCellID searchspaces = {nrSearchSpaceConfig}; searchspaces{1}.SearchSpaceID = 1; % Search space ID searchspaces{1}.CORESETID = 1; % CORESET associated with this search space searchspaces{1}.SearchSpaceType = 'ue'; % Search space type, 'ue' or 'common' searchspaces{1}.SlotPeriodAndOffset = [5 0]; % Allocated slot period and slot offset of search space pattern searchspaces{1}.Duration = 2; % Number of slots in the block of slots in pattern period searchspaces{1}.StartSymbolWithinSlot = 0; % First symbol of each CORESET monitoring opportunity in a slot searchspaces{1}.NumCandidates = [8 8 4 2 0]; % Number of candidates at each AL (set to 0 if the AL doesn't fit in CORESET)
PDCCH インスタンスの構成
cell 配列を使用して、波形内の PDCCH 送信インスタンスのセットを指定します。nrWavegenPDCCHConfig
オブジェクトの cell 配列の各要素によって、PDCCH インスタンスのシーケンスを定義します。
次のパラメーターを PDCCH シーケンスごとに設定します。
PDCCH シーケンスの有効化/無効化。
PDCCH シーケンスのラベルの指定。
PDCCH を伝送する BWP の指定。PDCCH は、BWP に指定された SCS を使用します。
dB 単位のパワー スケーリング。
downlink control information (DCI) のチャネル符号化の有効化/無効化。
CORESET モニタリング シーケンス内の割り当てサーチ スペース。
PDCCH インスタンスを伝送するサーチ スペース (および CORESET)。
スロットの割り当て周期。空の周期は、スロット パターンの繰り返しがないことを示します。
PDCCH のアグリゲーション レベル (AL) (制御チャネル エレメント (CCE) の数)。
PDCCH の送信に使用する CCE を指定する割り当て候補。
RNTI。
この PDCCH および対応する DM-RS のスクランブリング NID。
DM-RS パワー ブースティング (dB)。
DCI メッセージのペイロード サイズ。
DCI メッセージのデータ ソース。ビット配列、または標準 PN シーケンス (
'PN9-ITU'
、'PN9'
、'PN11'
、'PN15'
、'PN23'
のいずれか) を使用できます。発生器のシードを{'PN9', seed}
の形式の cell 配列として指定できます。シードを指定しない場合は、すべて 1 で発生器が初期化されます。
pdcch = {nrWavegenPDCCHConfig}; pdcch{1}.Enable = 1 ; % Enable PDCCH sequence pdcch{1}.Label = 'UE 1 - PDCCH @ 15 kHz'; % Label for this PDCCH sequence pdcch{1}.BandwidthPartID = 1; % Bandwidth part of PDCCH transmission pdcch{1}.Power = 1.1; % Power scaling in dB pdcch{1}.Coding = 1; % Enable DCI coding pdcch{1}.SearchSpaceID = 1; % Search space pdcch{1}.SlotAllocation = 0; % Allocated slots indices for PDCCH sequence pdcch{1}.Period = 5; % Allocation period in slots pdcch{1}.AggregationLevel = 8; % Aggregation level (1,2,4,8,16 CCEs) pdcch{1}.AllocatedCandidate = 1; % PDCCH candidate in search space (1 based) pdcch{1}.RNTI = 11; % RNTI pdcch{1}.DMRSScramblingID = 1; % PDCCH and DM-RS scrambling NID pdcch{1}.DMRSPower = 0; % Additional DM-RS power boosting in dB pdcch{1}.DataBlockSize = 20; % DCI payload size pdcch{1}.DataSource = 'PN9'; % DCI data source
PDSCH インスタンスの構成
cell 配列を使用して、波形の PDSCH 送信インスタンスのセットを指定します。nrWavegenPDSCHConfig
オブジェクトの cell 配列の各要素によって、PDSCH インスタンスのシーケンスを定義します。この例では、2 つのユーザー端末 (UE) の送信をモデル化する 2 つの PDSCH シーケンスを定義しています。
基本パラメーター
次のパラメーターを PDSCH シーケンスごとに設定します。
PDSCH シーケンスの有効化/無効化。
PDSCH シーケンスのラベルの指定。
PDSCH を伝送する BWP の指定。PDSCH は、BWP に指定された SCS を使用します。
dB 単位のパワー スケーリング。
DL-SCH トランスポート チャネル符号化の有効化/無効化。
トランスポート ブロックのデータ ソース。ビット配列、または標準 PN シーケンス (
'PN9-ITU'
、'PN9'
、'PN11'
、'PN15'
、'PN23'
のいずれか) を使用できます。発生器のシードを{'PN9', seed}
の形式の cell 配列として指定できます。シードを指定しない場合は、すべて 1 で発生器が初期化されます。トランスポート ブロック サイズの計算に使用するターゲット符号化率。
オーバーヘッド パラメーター。
シンボル変調。
レイヤーの数。
冗長バージョン (RV) シーケンス。
バーチャル リソース ブロックから物理リソース ブロックへのマッピングのインターリーブの有効化/無効化。
上位レイヤーのパラメーター vrb-ToPRB-Interleaver で指定された、インターリーブ マップのバンドル サイズ。
pdsch = {nrWavegenPDSCHConfig}; % Create a PDSCH configuration object for the first UE pdsch{1}.Enable = 1; % Enable PDSCH sequence pdsch{1}.Label = 'UE 1 - PDSCH @ 15 kHz'; % Label for this PDSCH sequence pdsch{1}.BandwidthPartID = 1; % Bandwidth part of PDSCH transmission pdsch{1}.Power = 0; % Power scaling in dB pdsch{1}.Coding = 1; % Enable the DL-SCH transport channel coding pdsch{1}.DataSource = 'PN9'; % Channel data source pdsch{1}.TargetCodeRate = 0.4785; % Code rate used to calculate transport block sizes pdsch{1}.XOverhead = 0; % Rate matching overhead pdsch{1}.Modulation = 'QPSK'; % 'QPSK', '16QAM', '64QAM', '256QAM' pdsch{1}.NumLayers = 2; % Number of PDSCH layers pdsch{1}.RVSequence = [0 2 3 1]; % RV sequence to be applied cyclically across the PDSCH allocation sequence pdsch{1}.VRBToPRBInterleaving = 0; % Disable interleaved resource mapping pdsch{1}.VRBBundleSize = 2; % vrb-ToPRB-Interleaver parameter
割り当て
次の図は、PDSCH の割り当てのパラメーターを示しています。
次のパラメーターを設定して、PDSCH の割り当てを制御できます。これらのパラメーターは BWP が基準になります。PDSCH の割り当てを指定した場合、SS バーストに使用される位置が回避されます。
各 PDSCH インスタンスに割り当てるスロット内のシンボル。
PDSCH のシーケンスに使用するフレーム内のスロット。
スロットの割り当て周期。空の周期は、スロット パターンの繰り返しがないことを示します。
BWP に対して割り当てられる PRB。
RNTI。この値は、PDSCH を PDCCH のインスタンスにリンクするために使用されます。
PDSCH ビットのスクランブル用の NID。
pdsch{1}.SymbolAllocation = [2 9]; % First symbol and length pdsch{1}.SlotAllocation = 0:9; % Allocated slot indices for PDSCH sequence pdsch{1}.Period = 15; % Allocation period in slots pdsch{1}.PRBSet = [0:5, 10:20]; % PRB allocation pdsch{1}.RNTI = 11; % RNTI for the first UE pdsch{1}.NID = 1; % Scrambling for data part
必要に応じ、CORESET と PRB セットをレート マッチングの中心として指定できます。
PDSCH は、1 つ以上の CORESET を中心としてレート マッチングできる。
PDSCH は、その他のリソース割り当てを中心としてレート マッチングできる。
pdsch{1}.ReservedCORESET = 1; % Rate matching pattern, defined by CORESET IDs pdsch{1}.ReservedPRB{1}.PRBSet = []; % Rate matching pattern, defined by set of PRB (RRC 'bitmaps') pdsch{1}.ReservedPRB{1}.SymbolSet = []; pdsch{1}.ReservedPRB{1}.Period = [];
PDSCH DM-RS 構成
DM-RS パラメーターを設定します。
% Antenna port and DM-RS configuration (TS 38.211 section 7.4.1.1) pdsch{1}.MappingType = 'A'; % PDSCH mapping type ('A'(slot-wise),'B'(non slot-wise)) pdsch{1}.DMRSPower = 0; % Additional power boosting in dB pdsch{1}.DMRS.DMRSConfigurationType = 2; % DM-RS configuration type (1,2) pdsch{1}.DMRS.NumCDMGroupsWithoutData = 1; % Number of DM-RS CDM groups without data. The value can be one of the set {1,2,3} pdsch{1}.DMRS.DMRSPortSet = []; % DM-RS antenna ports used ([] gives port numbers 0:NumLayers-1) pdsch{1}.DMRS.DMRSTypeAPosition = 2; % Mapping type A only. First DM-RS symbol position (2,3) pdsch{1}.DMRS.DMRSLength = 1; % Number of front-loaded DM-RS symbols (1(single symbol),2(double symbol)) pdsch{1}.DMRS.DMRSAdditionalPosition = 0; % Additional DM-RS symbol positions (max range 0...3) pdsch{1}.DMRS.NIDNSCID = 1; % Scrambling identity (0...65535) pdsch{1}.DMRS.NSCID = 0; % Scrambling initialization (0,1)
PDSCH PT-RS 構成
PT-RS パラメーターを設定します。
% PT-RS configuration (TS 38.211 section 7.4.1.2) pdsch{1}.EnablePTRS = 0; % Enable or disable the PT-RS (1 or 0) pdsch{1}.PTRSPower = 0; % Additional PT-RS power boosting in dB pdsch{1}.PTRS.TimeDensity = 1; % Time density (L_PT-RS) of PT-RS (1,2,4) pdsch{1}.PTRS.FrequencyDensity = 2; % Frequency density (K_PT-RS) of PT-RS (2,4) pdsch{1}.PTRS.REOffset = '00'; % PT-RS resource element offset ('00','01','10','11') pdsch{1}.PTRS.PTRSPortSet = 0; % PT-RS antenna ports must be a subset of DM-RS ports
PT-RS を有効にする場合、DM-RS ポートは、DM-RS 構成タイプ 1 では範囲 0 ~ 3、DM-RS 構成タイプ 2 では範囲 0 ~ 5 でなければなりません。公称では、PT-RS のアンテナ ポートが最小の DM-RS ポート番号になります。
複数の PDSCH インスタンスの指定
2 番目の BWP に対して 2 番目の PDSCH シーケンスを指定します。
pdsch{2} = pdsch{1}; % Create a PDSCH configuration object for the second UE pdsch{2}.Enable = 1; pdsch{2}.Label = 'UE 2 - PDSCH @ 30 kHz'; pdsch{2}.BandwidthPartID = 2; % PDSCH mapped to the second BWP pdsch{2}.RNTI = 12; % RNTI for the second UE pdsch{2}.SymbolAllocation = [0 12]; pdsch{2}.SlotAllocation = [2:4, 6:20]; pdsch{2}.PRBSet = [25:30, 35:38]; % PRB allocation, relative to BWP
CSI-RS インスタンスの構成
この節では、波形の CSI-RS を構成します。nrWavegenCSIRSConfig
オブジェクトの cell 配列の各要素によって、BWP に対応する CSI-RS リソースのセットを定義します。CSI-RS リソースの 2 つの無効化セットを定義します。
基本パラメーター
CSI-RS リソースのセットに対して、次のパラメーターを設定します。
CSI-RS リソース セットの有効化/無効化。
CSI-RS リソース セットのラベルの指定。
CSI-RS リソース セットを伝送する BWP の指定。CSI-RS リソースの構成は、BWP に指定された SCS を使用します。
dB 単位でのパワー スケーリングの指定。スカラーの指定では、単一の CSI-RS リソースまたは構成されたすべての CSI-RS リソースのパワー スケーリングを定義します。ベクトルの指定では、CSI-RS の各リソースに対して個別のパワー レベルを定義します。
csirs = {nrWavegenCSIRSConfig}; csirs{1}.Enable = 0; csirs{1}.Label = 'CSI-RS @ 15 kHz'; csirs{1}.BandwidthPartID = 1; csirs{1}.Power = 3; % Power scaling in dB
CSI-RS 構成
次のパラメーターを、1 つ以上のゼロ電力 (ZP) または非ゼロ電力 (NZP) の CSI-RS リソース構成に対して設定できます。
CSI-RS リソースのタイプ ('nzp'、'zp')。
TS 38.211 の Table 7.4.1.5.3-1 で定義されている CSI-RS リソースに対応する行番号 (1 ~ 18)。
CSI-RS リソースの周波数密度。
'one'
、'three'
、'dot5even'
、または'dot5odd'
を指定できます。リソース ブロック (RB) 内の CSI-RS リソースのサブキャリア位置。
CSI-RS リソースに割り当てられる RB の数 (1 ~ 275)。
キャリア リソース グリッドに対する CSI-RS リソース割り当ての RB 開始インデックス (0 ~ 274)。
スロット内の CSI-RS リソースの OFDM シンボルの位置。
CSI-RS リソースのスロットの周期とオフセット (0 ベース)。このパラメーターには、ベクトルまたはベクトルの cell 配列を指定できます。後者の場合、各 cell が個々の CSI-RS リソースに対応します。ベクトルの場合、すべての CSI-RS リソースに対して同じスロットのセットが使用されます。
疑似乱数シーケンス生成用の CSI-RS リソースに対応するスクランブリング アイデンティティ (0 ~ 1023)。
csirs{1}.CSIRSType = {'nzp','zp'}; csirs{1}.RowNumber = [3 5]; csirs{1}.Density = {'one','one'}; csirs{1}.SubcarrierLocations = {6 4}; csirs{1}.NumRB = 25; csirs{1}.RBOffset = 12; csirs{1}.SymbolLocations = {13 9}; csirs{1}.CSIRSPeriod = {[5 0], [5 0]}; csirs{1}.NID = 5;
複数の CSI-RS インスタンスの指定
2 番目の BWP に対して 2 番目の CSI-RS リソースのセットを指定します。
csirs{2} = nrWavegenCSIRSConfig; csirs{2}.Enable = 0; csirs{2}.Label = 'CSI-RS @ 30 kHz'; csirs{2}.BandwidthPartID = 2; csirs{2}.Power = 3; % Power scaling in dB csirs{2}.CSIRSType = {'nzp','nzp'}; csirs{2}.RowNumber = [1 1]; csirs{2}.Density = {'three','three'}; csirs{2}.SubcarrierLocations = {0 0}; csirs{2}.NumRB = 50; csirs{2}.RBOffset = 50; csirs{2}.SymbolLocations = {6 10}; csirs{2}.CSIRSPeriod = {[10 1], [10 1]}; csirs{2}.NID = 0;
波形生成
すべてのチャネルと信号のパラメーターをメインのキャリア構成オブジェクト nrDLCarrierConfig
に割り当て、波形を生成してプロットします。
waveconfig.SSBurst = ssburst;
waveconfig.SCSCarriers = scscarriers;
waveconfig.BandwidthParts = bwp;
waveconfig.CORESET = coresets;
waveconfig.SearchSpaces = searchspaces;
waveconfig.PDCCH = pdcch;
waveconfig.PDSCH = pdsch;
waveconfig.CSIRS = csirs;
% Generate complex baseband waveform
[waveform,info] = nrWaveformGenerator(waveconfig);
定義したアンテナ ポートのセットについて、ベースバンド波形の振幅をプロットします。
figure; plot(abs(waveform)); title('Magnitude of 5G Downlink Baseband Waveform'); xlabel('Sample Index'); ylabel('Magnitude');
最初のアンテナ ポートの波形のスペクトログラムをプロットします。
samplerate = info.ResourceGrids(1).Info.SampleRate; nfft = info.ResourceGrids(1).Info.Nfft; figure; spectrogram(waveform(:,1),ones(nfft,1),0,nfft,'centered',samplerate,'yaxis','MinThreshold',-130); title('Spectrogram of 5G Downlink Baseband Waveform');
波形発生器関数は、時間領域の波形と構造体 info
を返します。info
構造体には、基となるリソース エレメント グリッドと、すべての PDSCH と PDCCH のインスタンスが波形で使用するリソースの内訳が格納されます。
ResourceGrids
フィールドは、次のフィールドを含む構造体配列です。
各 BWP に対応するリソース グリッド。
各 BWP のチャネルと信号を含む帯域幅全体のリソース グリッド。
各 BWP に対応する情報をもつ情報構造体。たとえば、最初の BWP の情報を表示します。
disp('Modulation information associated with BWP 1:')
disp(info.ResourceGrids(1).Info)
Modulation information associated with BWP 1: Nfft: 4096 SampleRate: 61440000 CyclicPrefixLengths: [320 288 288 288 288 288 288 320 ... ] (1x14 double) SymbolLengths: [4416 4384 4384 4384 4384 4384 ... ] (1x14 double) Windowing: 0 SymbolPhases: [0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0] SymbolsPerSlot: 14 SlotsPerSubframe: 1 SlotsPerFrame: 10 k0: 0
生成されるリソース グリッドは 3 次元行列です。グリッドの各平面は、ポート番号の昇順でアンテナ ポートを表します。
参考
関数
オブジェクト
nrWavegenBWPConfig
|nrSCSCarrierConfig
|nrULCarrierConfig
|nrWavegenPDSCHConfig
|nrWavegenSSBurstConfig
|nrSearchSpaceConfig
|nrWavegenPDCCHConfig
|nrCORESETConfig
|nrWavegenCSIRSConfig