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displayChannel

CDL チャネル モデル特性の可視化と調査

説明

fig = displayChannel(cdl) は、送信機端と受信機端における指定されたクラスター遅延線 (CDL) チャネル モデルの幾何学的特性と電磁的特性を表示します。アンテナ素子の位置、偏波、指向性放射パターンに加え、クラスター パスの向き、平均パス ゲインが可視化されます。すべてのアンテナ素子は等しいため、この可視化では、最初のアンテナ素子のみの放射パターン、および最初のアンテナ素子を中心としたクラスター パスの向きが表示されます。カスタマイズされたデータ ヒントを可視化ウィンドウに追加することで、アンテナ素子、素子のパターン、クラスター パスの特性を調べることができます。この関数は、表示された可視化ウィンドウに対応する figure オブジェクトの配列も返します。

fig = displayChannel(cdl,Name,Value) は、1 つ以上の名前と値のペアの引数を使用して、表示されるチャネル特性の可視化オプションを指定します。たとえば、'LinkEnd','Tx' は送信機端のみを可視化するように指定します。指定していないオプションは既定値になります。

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この例では、CDL チャネル特性を可視化し、アンテナ素子、素子パターン、クラスター パスに関するチャネル情報を調査する方法を示します。

nrCDLChannelSystem object を使用して、チャネル構成の構造体を定義します。遅延プロファイルを CDL-D として指定します。

cdl = nrCDLChannel;
cdl.DelayProfile = 'CDL-D';

送信アレイのサイズを形式 [M N P Mg Ng]=[4 3 2 1 2] のベクトルとして構成します。これは、4 行 3 列のアンテナ アレイ (M=4N=3) を備え、かつ偏波が 2 つ (P=2) である 2 つのパネル (Mg=1Ng=2) を指定します。アレイの偏波素子の総数は、M×N×P×Mg×Ng=48 になります。

txSize = [4 3 2 1 2];
cdl.TransmitAntennaArray.Size = txSize;

垂直方向と水平方向の素子間隔 (波長) と、垂直方向と水平方向のパネル間隔 (波長) を、形式 [λv λh dgv dgh] のベクトルとして構成します。パネル間隔はパネルの中心から測定しているため、パネルがオーバーラップしないように dgh を 1 より大きな値の波長に設定します。垂直方向と水平方向に分離したパネルのアンテナ素子間隔を一様に確保するために、パネル間隔をそれぞれ dgv= λv×M および dgh=λh×N として構成します。

lambda_v = 0.5;
lambda_h = 0.5;
dg_v = lambda_v*txSize(1); % lambda_v * M
dg_h = lambda_h*txSize(2); % lambda_h * N
cdl.TransmitAntennaArray.ElementSpacing = [lambda_v lambda_h dg_v dg_h];

アレイの機械の方向を [α β γ]T=[0 15 0]T として構成し、方位を 0 度、ダウンチルト角を 15 度、傾斜を 0 度に指定します。

cdl.TransmitArrayOrientation = [0 15 0]';

送信アンテナ アレイのその他のプロパティの概要については、nrCDLChannel System object のTransmitAntennaArrayプロパティを参照してください。

送信機端のチャネル特性を表示します。

figTx = displayChannel(cdl,'LinkEnd','Tx');

生成された Figure は、カスタマイズされたデータ ヒントに対応しています。データ カーソル モードを有効にして、現在の Figure にデータ ヒントを追加します。

datacursormode on;

Figure contains an axes object. The axes object with title Delay Profile: CDL-D. Site: Transmitter, xlabel $x/ lambda $, ylabel $y/ lambda $ contains 79 objects of type patch, line, surface, quiver. These objects represent Antenna Panel, Polarization 2, Polarization 1, Element Pattern, Cluster Paths.

データ カーソル モードを有効にすると、データ ヒントを追加してチャネル特性を調査できます。データ ヒントを作成するには、データ点をクリックします。複数のデータ ヒントを作成するには、"Shift" キーを押しながらデータ点をクリックします。

たとえば、以下の Figure には、送信機端のアンテナ素子、素子パターン、クラスター パスに追加されたデータ ヒントを表示しています。

  • アンテナ素子のデータ ヒントには、各アンテナ素子の位置、偏波角、素子番号の情報を含めています。素子番号は、チャネル モデルが入力信号をアンテナ素子に列方向にマッピングする際の順序を示します。詳細については、nrCDLChannel System object の TransmitAntennaArray.size プロパティを参照してください。

  • 素子パターンのデータ ヒントには、任意の方位角と天頂角に対応する指向性を含めています。

  • クラスター パスのデータ ヒントには、平均パス ゲインと、クラスター パスの方位角と天頂角を含めています。

受信機端のチャネル特性を可視化して調査できます。受信アンテナ アレイをカスタマイズするには、nrCDLChannel System object のReceiveAntennaArrayプロパティを使用します。次に、名前と値のペアの引数 'LinkEnd','Rx' を使用して関数 displayChannel を呼び出し、受信機端のチャネル特性を表示します。

figRx = displayChannel(cdl,'LinkEnd','Rx');

現在の Figure のデータ カーソル モードを有効にして、受信機端のアンテナ素子、素子パターン、クラスター パスに関するチャネル情報を調査します。

datacursormode on;

Figure contains an axes object. The axes object with title Delay Profile: CDL-D. Site: Receiver, xlabel $x/ lambda $, ylabel $y/ lambda $ contains 31 objects of type line, surface, quiver. These objects represent Polarization 2, Polarization 1, Element Pattern, Cluster Paths.

入力引数

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CDL チャネル モデル。nrCDLChannel System object として指定します。nrCDLChannel オブジェクトは、TR 38.901 Section 7.7.1 で指定されている多入力多出力 (MIMO) リンクレベル フェージング チャネルを実装します。

名前と値の引数

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オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'LinkEnd','Tx' は送信機端のみを可視化するように指定します。

リンクレベルのチャネル端。'LinkEnd' と次の値のいずれかで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

  • 'Both' — この関数は送信機端と受信機端の両方のチャネル特性を表示します。

  • 'Tx' — この関数は送信機端のチャネル特性のみを表示します。

  • 'Rx' — この関数は受信機端のチャネル特性のみを表示します。

データ型: char | string

アンテナ素子の偏波角。'Polarization''on' または 'off' で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。'on' に設定すると、この関数はアンテナ素子の偏波角を表示します。

データ型: char | string

アンテナの指向性放射パターン。'ElementPattern''on' または 'off' で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。'on' に設定すると、この関数はアンテナ素子の指向性放射パターンを表示します。

メモ

指定された CDL チャネル モデル cdl では、アンテナ素子のパターンはすべてのアンテナ素子で同じです。この関数は、クラスター パスを基準にしてアレイの向きを決めるために、アレイの最初の素子を中心として素子のパターンを表示します。

データ型: char | string

クラスター パスの向きと平均ゲイン。'ClusterPaths''on' または 'off' で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。'on' に設定すると、この関数はクラスター パスの向きと平均ゲインを表示します。

メモ

指定された CDL チャネル モデル cdl では、クラスター パスの向きはすべてのアンテナ素子で同じです。この関数は、クラスター パスを基準にしてアレイの向きを決めるために、アレイの最初の素子を中心としてパスの向きを表示します。

データ型: char | string

出力引数

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可視化ウィンドウ。figure オブジェクトの 1 行 2 列の配列として返されます。

参照

[1] 3GPP TR 38.901. “Study on channel model for frequencies from 0.5 to 100 GHz.” 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network.

バージョン履歴

R2020b で導入

参考

関数

オブジェクト