MathWorks は本日、3GPP 5G New Radio (NR) 通信システムの物理層のモデリング、シミュレーション、および検証のための、標準準拠した波形とリファレンス例を提供する5G Toolbox を発表しました。エンジニアは 5G Toolbox を使用することで、クリティカルなアルゴリズムを迅速に設計し、5G の標準仕様Release 15に準拠したシステムのエンドツーエンド リンクパフォーマンスを予測することができます。5G Toolbox は、LTE および WLAN 規格のサポート、Massive MIMO アンテナアレイおよび RF フロントエンド技術のシミュレーション、実信号テスト、無線ハードウェアのラピッド プロトタイピングなどを含む、ワイヤレス通信製品ポートフォリオに加わります。
MathWorks 信号処理アプリケーション担当シニア ストラテジストの Ken Karnofsky は次のように述べています。「5G を採用する場合、無線通信エンジニアは、進化し続ける新しい複雑な標準に自分たちの製品設計が適合または共存できることを検証する必要があります。5G 準拠の設計を理解し、実装するために十分なリソースや専門知識の蓄積をもつ企業はごくわずかです。LTE Toolbox がプレ5Gのラジオテストヘッド設計において果たした役割を見れば、5G Toolbox がこれからのワイヤレス市場に与えるインパクトも同様に大きいでしょう。」
5G Toolbox は、無線設計エンジニアが開発時間を短縮しながら、複雑な設計を管理するのに役立ちます。このToolboxを使用することで、ゼロからツールを作成することなく、リンクレベル シミュレーション、ゴールデン リファレンスによる検証、コンフォーマンス テスト、およびテスト波形生成を行うことができます。
5G Toolbox は、迅速な設計開発、プロトタイプ作成、およびテストの実行に役立つ、設計ワークフローの基盤となります。RF、アンテナ、およびベースバンド設計用にサイロ化されたツールを使用している企業、MIMO 技術の経験が浅い企業、シミュレーションからプロトタイピングまでの自動化が不完全な企業は、シミュレーション、実信号テスト、およびラピッド プロトタイピングにおいてMATLABを共通環境として活用することができます。
MATLAB は、3GPP ワーキンググループに属する複数の企業が使う共通の研究開発環境として選ばれており、5G 標準開発に使用されています。詳細については、Sony Corporation of America と InterDigital の合弁会社である Convida Wireless との Q&A をご覧ください (英語): mathworks.com/content/dam/mathworks/white-paper/convida-interdigital-qa.pdf
5G Toolbox に関するさらに詳しい情報は、以下をご覧ください。mathworks.com/products/5g.html