電動化は、電気自動車 (乗用車、バスなど)、船舶、電動垂直離着陸機 (eVTOL)、バッテリーエネルギー貯蔵システム (BESS) など、さまざまな用途向けのバッテリーの使用を推進しています。これらの用途では、セルの選択、バッテリーパック設計 (電力/エネルギー密度、ボリューム、重量、寿命)、およびバッテリー マネジメント システム (BMS) の開発の面でバッテリーシステム設計に対する要件がそれぞれ異なります。
テスト前にバッテリーシステム設計をシミュレーションすることで、バッテリーパックの動的振る舞いを把握することができます。また、BMS アルゴリズムの探索と比較、運用テストケースの拡充、バッテリーセルからバッテリーシステムまでの技術開発サイクルの短縮も可能になります。
バッテリーシステムの開発ワークフローは、バッテリーモデリングから始まり、以下が続きます。
Simulink® と Simscape Battery™ によるバッテリーシステムの開発ワークフローは、バッテリーモデリングから始まり、次にバッテリーパック設計、そして BMS アルゴリズムの開発が続きます。その後、閉ループ デスクトップ シミュレーションを実行し、バッテリーパック設計および BMS の妥当性を確認できます。次の手順は、ラピッド プロトタイピングおよびハードウェアインザループ テストによるモデルのリアルタイム シミュレーションです。開発の最終段階では、ハードウェア実装、展開、およびテストを行います。
バッテリーモデルには、等価回路モデル (ECM)、電気化学モデル、データ駆動型モデルの 3 種類があります。Simscape Battery および Simulink 製品により、これらのモデルを作成し、シミュレーションを実行できます。これらのモデルはすべて Simulink に統合でき、コード生成もサポートされます。
等価回路モデル
バッテリー ECM は、抵抗、コンデンサ、電圧源などの電気回路素子を使用して、バッテリーセルの動的挙動を再現します。そのシンプルさと計算効率の高さから、ECM はバッテリー マネジメント システム (BMS) の設計やシステムレベルのシミュレーションに利用されています。Simscape Battery には、事前構築済みの ECM ブロックである Battery Equivalent Circuit ブロックが用意されています。このブロックはバッテリーの電気-熱動特性をモデル化し、開回路電圧 (OCV) におけるバッテリーのヒステリシス、バッテリー劣化 (サイクル劣化とカレンダー経年劣化)、故障シミュレーション (熱暴走を含む) をサポートしています。
電気化学バッテリーモデル
電気化学バッテリーモデルは、充電/放電時に内部で発生する物理プロセスと化学プロセスを表現する数学モデルです。ECM と比べて、電気化学バッテリーモデルはバッテリー内部のプロセスに関する詳細な挙動を把握できるため、セル設計、劣化解析、急速充電電流の最適化、極端な動作条件下における性能予測精度の向上などに役立ちます。
Simscape Battery には、以下が用意されています。
- リチウムめっきや固体電解質界面 (SEI) の成長などの電解質ダイナミクスを考慮した単一粒子モデル (SPMe) を用いてバッテリーを表現する Battery Single Particle ブロック
- リチウム拡散、電気化学反応、電荷保存、熱発生ダイナミクスなど、バッテリーの内部で発生する詳細な物理的/電気化学的プロセスをシミュレーションする Doyle-Fuller-Newman (DFN) バッテリーモデル (擬似 2D (P2D) バッテリーモデルとも呼ばれる)
データ駆動型バッテリーモデル
データ駆動型バッテリーモデルは、システム同定、機械学習、ディープラーニングなどの手法と実測データを組み合わせて、バッテリーの挙動をシミュレーションして予測します。これらはシステムレベルのシミュレーションのために Simulink に統合でき、コード生成もサポートされます。データ駆動型バッテリーモデルは、たとえばバッテリーの経年劣化のモデル化におけるバッテリー劣化メカニズムのように、解析的に内部ダイナミクスを捉えることが難しい場合に有効です。データ駆動型バッテリーモデルは、大規模なデータセットが利用可能な電気自動車のフリート管理、予知保全、高度な診断などの用途に適しており、バッテリー寿命の予測精度を高めることができます。
ディープラーニングにより、低次の非線形状態空間モデルを作成できます。この種のモデルの学習データには、実験データや極めて高忠実度のモデル (FEA バッテリーモデルなど) から得られるシミュレーション データを利用できます。
まとめ
- バッテリー劣化 (サイクル劣化とカレンダー経年劣化) および 故障シミュレーション (熱暴走) に対応した、事前構築済みの ECM (等価回路モデル) ブロックを使用する。
- SPMe および DFN バッテリーモデルにより、電気化学プロセスをシミュレーションする。
- データ駆動型バッテリーモデルを作成し、Simulink に統合し、コード生成をサポートする。
リソース
- バッテリーシステムにおける故障のモデル化とシミュレーション (30:23) - ビデオ
- 加速熱量測定 (ARC) 試験を用いたセルの熱暴走の特性評価 - ドキュメンテーション
- ニューラル状態空間モデルを使用した電気自動車バッテリーシステムの低次元化モデリング - ドキュメンテーション
- バッテリー モデリング
- Simscape Battery 入門
バッテリー ビルダー アプリまたは Simscape Battery アプリケーション プログラミング インターフェイス (API) を MATLAB® で使用して、バッテリーパックを設計できます。設計の基本的な要素には、セル設計、並列セルアセンブリ、モジュール、モジュール アセンブリ、バッテリーパック設計があります。
バッテリー ビルダー アプリまたは API により、以下を行うことができます。
- セルからモジュール、モジュールからパックへ、さまざまなジオメトリとトポロジを使用してバッテリーモデルを構築して可視化します。
- バッテリーパックへのカスタマイズ可能な流体経路および熱的接続を用いた冷却プレートをモデル化します。
- カスタム セル コンポーネントからバッテリーモデルを構築します。
- セル間の熱交換をモデル化します。
- セル間の温度変動を調べ、冷却効率を測定します。
- 特定のバッテリーパック設計用のカスタム Simulink ライブラリモデルを生成します。
- 適切なモデル分解能を設定して、モデル忠実度とシミュレーション速度のバランスを取ります。
まとめ
- さまざまなモデル分解能を用いてカスタマイズしたバッテリーパックを設計する。
- 熱効果をバッテリーモデルに追加する。
- シミュレーション用のバッテリー パック モデルを生成する。
リソース
- バッテリーセルからバッテリーシステムへ (2:44) - ビデオ
- バッテリー ビルダー アプリ入門 - ドキュメンテーション
- カスタム セル コンポーネントからのバッテリーモデルの構築 - ドキュメンテーション
- セル間熱交換を考慮したバッテリーモジュールのモデルの構築 - ドキュメンテーション
エンジニアは MATLAB および Simulink を使用して、バッテリーパックの温度を仕様の範囲内に制御し、多様な動作条件で最適なパフォーマンスを実現するバッテリー熱マネジメントシステムを設計できます。
バッテリーの熱挙動の把握
Simscape Battery により、エンジニアは、セルからパックに至る複数の忠実度レベルでバッテリーの熱挙動をモデル化し、温度の不均一性と、それが性能、安全性、経年劣化に与える影響を捉えることができます。
セルレベルでは、セルの高さ方向に熱モデルを離散化することで、熱モデリングの忠実度を高め、セル内部の温度勾配をモデル化できます。
モジュールおよびパックのレベルでは、カスタム構成可能なセル間の熱経路により、伝導、対流、および放射の影響を表現できます。これにより、セル間の温度の変動や熱伝播の解析がサポートされます。
精度とシミュレーション速度のバランスを取るために、Simscape Battery では、高忠実度の有限要素解析や有限体積解析から導出された低次元化熱モデルもサポートされます。これにより、主要な熱ダイナミクスを維持しながら、システムレベルのシミュレーション、リアルタイム実行、およびハードウェアインザループ (HIL) テストを行うことができます。
これらの熱モデルは、カスタム構成可能な流路をもつ水冷プレートなどの詳細な冷却表現と直接結合できます。そのため、現実的な動作条件下で温度分布や冷却効率を評価できます。Simscape Battery には、並列チャネル、U 字型矩形チャネル、および エッジ冷却などの各種フロー構成をサポートする冷却プレートブロックがあらかじめ用意されています。
Simscape Battery の Parallel Channels ブロック。
Simscape Battery の U-shaped Channels ブロック。
Simscape Battery の Edge Cooling ブロック。
バッテリー熱マネジメントの制御設計
Simulink により、供給流 (バルブ) 制御、質量流量 (ポンプ) 制御、熱交換経路選択制御など、循環システム制御のためにフィードフォワードと PID の手法を組み合わせた閉ループ制御を設計できます。Simscape Battery により、Battery Coolant Control や Battery Heater Control などの事前構築済みのブロックを使用して、バッテリーの熱マネジメント制御アルゴリズムを構築できます。Stateflow を使用することで、環境温度およびバッテリー温度に応じて複数の動作モード (加熱と冷却など) 間を切り替える監視制御ロジックを設計することもできます。
まとめ
- セル間熱交換を考慮したバッテリーモジュールを構築する。
- 事前構築済みの冷却プレートブロックを使用する。
- 液浸冷却を備えた熱離散化セルをモデル化する。
- 低次元化熱モデルを使用してバッテリー温度をモデル化する。
「Mahindra Electric では 1D シミュレーションを使用してバッテリーの熱マネジメントシステムを最適化しました。このシステムモデルでは、Simscape を使用して、バッテリー、冷却回路、および冷凍回路を効果的に実装しました。車両、ドライバー、および等価回路モデルは Simulink プラットフォームで実装しました。」
バッテリー マネジメント システムは、バッテリーの安全性、効率性、寿命に直接影響し、さらにはシステムの全体的な性能と信頼性にも影響します。バッテリー マネジメント システムの主な機能は、監視、状態推定、セルバランス、電力マネジメント、熱マネジメント、保護、通信です。
Simulink および Simscape を使用すれば、バッテリーパックの動的振る舞いを把握して、ソフトウェア アーキテクチャを検討し、運用ケースをテストし、ハードウェアテストを早期に開始することで、設計エラーを減らすことができます。エンジニアは、Simscape Battery の組み込みの BMS 制御ブロックを使用して、設計したバッテリーパックの性能評価、BMS アルゴリズムの開発、システムレベルのシミュレーションを実行できます。
充電状態 (SOC) の推定
充電状態 (SOC) を推定する手法は、単純な電流積分 (クーロン カウンティング) や電圧監視から、カルマンフィルターやニューラル ネットワークのような高度なモデルベースおよびデータ駆動型の手法まで、多岐にわたります。
正確なバッテリーモデルは、バッテリー マネジメント システムにおけるモデルベースの SOC 推定アルゴリズムの開発に不可欠です。開回路電圧 (OCV) ルックアップや電流積分 (クーロン カウンティング) など、バッテリー マネジメント システムにおける従来の SOC 推定手法は、実装が容易で、場合によっては十分な正確性が得られます。ただし、OCV ベースの手法では、OCV 測定に先立ち、長時間の休止期間を設ける必要があります。クーロン カウンティングには、初期化がうまくいかず、電流測定ノイズが蓄積されるという問題があります。拡張カルマンフィルター (EKF) 手法とアンセンテッド カルマン フィルター (UKF) 手法は、現実世界での BMS の実装において、妥当な計算量で正確な結果が得られることが実証されています。
Simscape Battery には、次の事前構築済みの複数の SOC Estimator ブロック (可変容量オプション付き) が用意されており、コード生成もサポートされています。クーロン カウンティング、適応型カルマンフィルター、およびカルマンフィルター。
カルマンフィルターとは対照的に、ニューラル ネットワークを使用して SOC 推定器を開発する場合には、バッテリーやその非線形動作に関する広範な情報は必要ありません。代わりに、電流、電圧、および温度のデータと応答としての SOC を使用してネットワークの学習を行います。射影を使用してニューラル ネットワークを圧縮できます。これは、CPU 上で実行する場合や、またはライブラリを使用しない C コードまたは C++ コード生成を使用して BMS 組み込みハードウェアに展開する場合に、より高速なフォワードパスを示します。
まとめ
- Simscape Battery には、次の 3 つの SOC 推定器が含まれている。クーロン カウンティング、適応型カルマンフィルター、およびカルマンフィルター。
- ニューラル ネットワークを使用することで、バッテリーに関する広範な情報なしで SOC 推定器を開発できる。
健全性状態 (SOH) の推定
製造時に性能仕様を満たしているバッテリーも含め、バッテリーはすべて、カレンダー寿命とサイクル寿命のため、時間とともに劣化して、リザーブ容量が徐々に低下し、内部抵抗が増加します。後者は短時間の測定によって比較的簡単に推定できますが、前者を正確に計算するには完全充電または完全放電が必要です。しかし、これは常に実践的とは限りません。
この課題から、健全性状態 (SOH) 推定、および状態に加えてバッテリーのパラメーターを組み込むように拡張された適応型カルマンフィルターの定式化への関心が高まっています。瞬時の内部抵抗を正確に推定できると、BMS での電力制限の設定に非常に有益です。
SOH 推定は、SOC 推定よりも主観的であり、SOH を定義する一般的な方法というものはありません。したがって、SOH 推定を定量化するための独自の手法が組織ごとに存在し、汎用的な既製のソリューションを使用できないことがあります。Simulink および Simscape を使用すれば、バッテリーの健全性に関する組織固有の解釈に適合するカスタムの SOH 推定アルゴリズムを開発してシミュレーションできます。
まとめ
- Simscape Battery には、カルマンフィルターや最小二乗法アルゴリズムを使用して容量を推定するための事前構築済みのブロックが用意されている。
セルバランス、バッテリー充電、およびバッテリー監視
Simscape Battery には、セルバランス、バッテリー充電、およびバッテリー保護のための事前構築済みのライブラリブロックが用意されています。
セルバランス機能は、ブリード抵抗器によって過剰な電荷を放電することで、すべてのセルを同じような SOC に保ちます。バランス機能は、過充電または放電によって損傷する可能性があるセルの寿命を延ばすために必要です。複数のセルは、セル間のバランスが取れている場合に容量を向上させます。
バッテリー充電は、定電流/定電圧 (CC-CV) アルゴリズムを使用して制御されます。これは、充電時の過電流および過電圧を防ぐことでバッテリー寿命を維持する一般的な手法です。充電中に規定の電圧に達すると、電流が制限されます。
バッテリーを保護するには、電流、電圧、および温度を監視する必要があります。Simscape Battery には、BMS アルゴリズムに組み込み可能なブロックが用意されています。
BMS モデルに実装された バッテリー監視ブロック。
まとめ
- Simscape Battery には、セルバランス、電流と電圧の制御、電圧、電流、および温度の監視のためのブロックが用意されている。
Simulink のデスクトップ シミュレーションを使用すると、バッテリーシステム設計の機能的な側面を検証できます。デスクトップ上で、動作モデルを使用してバッテリーシステム、環境、およびアルゴリズムをシミュレーションします。たとえば、アクティブとパッシブのセルバランスの構成とアルゴリズムを比較検討し、特定の用途における各バランス手法の適合性を評価できます。デスクトップ シミュレーションを使用することで、新しい設計アイデアを検討し、複数のシステム アーキテクチャをテストしてから、ハードウェア プロトタイプの作成に注力することができます。また、デスクトップ シミュレーションでは要件のテストも実行できます。たとえば、絶縁故障が検出されたときに接触器が開閉しなくなることを検証できます。
開発中のバッテリーシステムで安全性の要件を満たす必要がある場合は、IEC 61508、IEC 61851、ISO® 26262 などの規格に準拠したソフトウェア開発プロセスに、形式的手法に基づいたテストを統合できます。
「Simulink でのコントローラーモデルの開発中は、モデルアドバイザーを使用してスタイルガイドラインおよびモデリング標準への準拠を頻繁にチェックしました。また、Simulink Design Verifier™ を使用して、モデル内のデッドロジック、ゼロ除算エラー、およびその他の設計エラーについてもチェックしました。」
デスクトップ シミュレーションで妥当性を確認した Simulink モデルを使用して、ラピッド プロトタイピング (RP) またはハードウェアインザループ (HIL) テスト用の C および HDL コードを生成し、BMS アルゴリズムをリアルタイムでさらに検証できます。RP では、リアルタイムテスト用の制御ソフトウェアのコードを手書きするのではなく、コントローラーモデルからコードを生成し、量産マイクロコントローラーの機能を実行するリアルタイムのコンピューターに展開します。自動コード生成により、数日ではなく数時間のうちに、モデルに加えたアルゴリズムの変更をリアルタイムのハードウェアでテストできます。さらに、Simulink 内からリアルタイムの制御ハードウェアを操作して、アルゴリズムのパラメーターを変更し、テストデータをロギングできます。
ラピッド プロトタイピングと同様に、HIL テストでは、Simulink モデルからコードを生成し、リアルタイムのコンピューターに展開します。HIL テストの場合、コードは制御アルゴリズムのモデルではなく、バッテリーシステムのモデルから生成されます。これにより、バッテリーパック、アクティブおよびパッシブの回路素子、負荷、充電器、その他のシステム コンポーネントを表す、リアルタイムのバーチャル環境が得られます。このバーチャル環境を使用することで、ハードウェア プロトタイプを開発する前に、ハードウェアに損傷を与えない環境で、BMS コントローラーの機能の妥当性をリアルタイムに確認できます。
デスクトップ シミュレーション時に開発したテストを HIL テストに引き継いで、BMS 設計の進行に合わせて要件を満たしていることを確認できます。HIL テストは、主にマイクロコントローラーまたは FPGA で実行されるコードのテストに利用されますが、代わりに、量産コントローラー ハードウェアを選択する前に Simulink Real-Time™ や Speedgoat® ターゲット ハードウェアなどのラピッド プロトタイピング システムを使用して、HIL セットアップに接続できます。
「モデルベースデザインにより、アイデア段階から量産コード生成までの統合された開発プロセスを利用できます。MathWorks のツールのおかげで、設計を初期段階から継続的に検証できる環境が実現し、当社の専門知識を活用して、重要なバッテリー管理技術を開発できるようになりました。」
BMS ソフトウェアの検証
ラピッド プロトタイピングと HIL テストの両方が含まれるリアルタイム シミュレーションにより、パワー エレクトロニクス制御のエンジニアは、BMS 設計がどのようにハードウェアで実行されるのかに関して、より多くの洞察を得られます。RP と HIL の目的はともに、設計全体のうちの 1 つの側面 (RP では BMS コントローラー、HIL ではバッテリーシステムのバランス) をハードウェアでエミュレートすることです。リアルタイム シミュレーションには、BMS 設計におけるいくつかの大きなメリットがあり、以下を行うことができます。
- RP を実行することで、最終的なコントローラー ハードウェアの選択前にアルゴリズムの妥当性確認を開始する。
- リアルタイムのテストシステムの柔軟性を利用して、迅速な設計の反復およびテストを実現する。
- バッテリーシステムのプロトタイプ ハードウェアを入手する前に、HIL テストを実行する。
- RP テストと HIL テストを組み合わせて、実際のハードウェアを使用した場合には困難であるか、コストがかかるか、損傷が生じる可能性があるテストケースに対して BMS アルゴリズムを実行する。
バッテリー マネジメント システム ソフトウェアのハードウェアインザループ (HIL) テスト。BMS コードが、Simulink でモデル化された BMS アルゴリズムから生成され、Texas Instruments® C2000 マイクロコントローラーに展開されます。プラントモデル (バッテリーパック、接触器、インバーター、充電器) が Simulink でモデル化されます。コードが生成、展開され、バッテリー エミュレーターを使用して Speedgoat リアルタイムマシンで実行されます。
バッテリー マネジメント システム ソフトウェアのハードウェアインザループ (HIL) テスト。BMS コードが、Simulink でモデル化された BMS アルゴリズムから生成され、Texas Instruments® C2000 マイクロコントローラーに展開されます。プラントモデル (バッテリーパック、接触器、インバーター、充電器) が Simulink でモデル化されます。コードが生成、展開され、バッテリー エミュレーターを使用して Speedgoat リアルタイムマシンで実行されます。
Simulink でデスクトップ シミュレーション モデルを再利用してリアルタイム シミュレーション用のコードを生成することで、全体的な開発期間を短縮できます。リアルタイムのパフォーマンス用に最適化されたコンピューターで実行する C/C++ および HDL コードを生成できます。リアルタイム シミュレーション用に Simulink モデルから生成されたコードには、リアルタイム シミュレーションの実行中に制御パラメーターを調整できるインターフェイスが含まれています。
ラピッド プロトタイピングの実行
ハードウェアでのテスト中にコントローラーコードに変更を加えると、遅延やその他のリスクを生じる可能性があります。コードの手作業による変更、再コンパイル、マイクロコントローラーまたは FPGA への展開には時間を要します。特に、制御アルゴリズム開発者がソフトウェアまたはハードウェアのエンジニアに変更作業を依頼する場合は、この時間が長くなることがあります。必要な変更の程度によっては、実装済みのコードに新しい問題が生じるリスクもあります。
コントローラー ソフトウェアのコードを手書きで更新する代わりに、Simulink を使用して、専用コンピューターでリアルタイムに実行し、高速 I/O を使用してテストハードウェアと通信するコードを生成できます。手作業によるコーディングやそれに伴う遅延がなくなるだけでなく、この RP の手法の別の利点として、先にデスクトップでシミュレーション モデルを実行して他の問題が生じないことを検証することで、BMS ソフトウェアへの変更の妥当性を確認できることが挙げられます。
ハードウェアインザループを使用したテスト
バッテリーシステムのハードウェア プロトタイプの構築と変更には多大な労力がかかる可能性があり、また多くの場合、ハードウェア プロトタイプの修理はコストが高くなるため、バッテリーパックが動作する電気システムに対するこうしたプロトタイプのテストが常に実行可能であるとは限りません。このような制限を考慮すると、小さな設計上の変更でも開発スケジュールに影響が出かねません。また、開発チームは以前の設計から大幅に離れるのはリスクが高すぎると考えるため、BMS 設計の進行は遅くなりがちです。
Simulink を使用すれば、バッテリーシステム、およびバッテリーシステムが含まれるより大きなシステム (供給と負荷を含む) 内のハードウェアのモデルから C/C++ および HDL コードを生成できます。このコードをリアルタイムのコンピューターに展開すると、バッテリー システム プロトタイプでコントローラーをテストする前に、コントローラーのコードに対してハードウェアのリアルタイム シミュレーションを実行できます。これにより、高価で置き換えるのが困難なプロトタイプ ハードウェアに損傷を生じさせることなく、制御設計エラーを事前に検出して修正できます。また、コンポーネントのサイズ設定の誤りなど、ハードウェア設計エラーも検出できます。
Speedgoat ターゲット ハードウェアなど、HIL リアルタイムシステムの多くは、バッテリー エミュレーターが組み込まれています。これにより、ポータブルバッテリー電源や電気自動車のバッテリースタックをエミュレートしたり、電流を流して充電中のバッテリーをシミュレーションしたりすることができます。
「Speedgoat はまさに Simulink 用のプラグアンドプレイのリアルタイム プラットフォームを開発しました。そのおかげで、当社では制御システムのテストに振り向けられる時間が増え、HIL ベンチの開発にかかる期間を短縮できています。」
ハードウェア実装段階では、デスクトップ シミュレーション、RP、および HIL で検証した Simulink 制御モデルを使用して、BMS 用の効率的で量産可能なコードを生成します。必要に応じて、自動車、航空、およびその他の規制産業で使用される正式な認証規格に準拠したワークフローに量産コード生成を組み込むことができます。
量産可能なコードの生成
Simulink では、コントローラーモデルから可読性に優れたコンパクトで高効率の C/C++ および HDL コードを生成し、量産マイクロコントローラー、FPGA、ASIC にすぐに実装できます。RP 向けに生成されたコードとは異なり、量産用に生成されたコードには、"リアルタイム" の監視、パラメーターの調整、データのロギングのサポートに必要な追加のインターフェイスは含まれていません。最適化設定を使用することで、生成される関数、ファイル、およびデータを正確に制御できます。これにより、コードの効率性が向上し、レガシコード、データ型、キャリブレーションのパラメーターとの統合が容易になります。
プロセッサインザループ シミュレーションの実行
プロセッサインザループ (PIL) シミュレーションでは、C/C++ や HDL のコードをマイクロコントローラーまたは FPGA で実行します。一方、デバイスは BMS ハードウェアの Simulink モデルでステップ実行されるため、BMS コードの初期評価中にハードウェア プロトタイプが損傷を受けるリスクが抑制されます。PIL シミュレーションはリアルタイムでは実行されませんが、ビットトゥルーです。そのため、さまざまな条件下でコードを検証し、実際のシステムに展開したときに適切に実行されることを確信できます。
量産コードの生成
デスクトップ シミュレーション、RP、HIL、および PIL のシミュレーションのいずれを使用しても、BMS 向けの制御アルゴリズムの検証と妥当性確認を行えます。Simulink では、その同じアルゴリズムを量産可能なコードの生成の基礎として使用できます。マイクロコントローラーへの実装用に最適化された安定した C/C++ コードを生成することも、FPGA プログラミングまたは ASIC 実装用の論理合成可能な HDL コードを生成することもできます。自動コード生成を利用することで、手動によるアルゴリズム変換エラーがなくなり、Simulink で妥当性を確認したアルゴリズムと数値的に等価な C/C++ および HDL コードが生成されます。起こりうるすべての動作状態および故障状態に対して制御アルゴリズムをシミュレーションすることで、状態を網羅的にはテストできない場合でも、生成されたコードによって実際のシステムでも同じ状態が処理される信頼性が向上します。後のハードウェアテストでアルゴリズムの変更が必要であると示された場合は、モデルのアルゴリズムを変更し、シミュレーション テスト ケースを再実行して変更の正確性を検証し、更新された新しいコードを生成するだけで済みます。生成された C/C++ および HDL コードはすべて完全に移植可能で、さまざまなオプションで最適化でき、Simulink モデルとの間で双方向の追跡が可能です。
「当社では Simulink のシミュレーションによって認証に必要なすべての要件をチェックしてから、実際の回路で検証しています。Embedded Coder® を使用してモデルからコードを直接生成したため、シミュレーションと実際の組み込みソフトウェアにギャップはありません。」
リソース
- 量産コードの生成 - ユーザー事例
Web サイトの選択
Web サイトを選択すると、翻訳されたコンテンツにアクセスし、地域のイベントやサービスを確認できます。現在の位置情報に基づき、次のサイトの選択を推奨します:
また、以下のリストから Web サイトを選択することもできます。
最適なサイトパフォーマンスの取得方法
中国のサイト (中国語または英語) を選択することで、最適なサイトパフォーマンスが得られます。その他の国の MathWorks のサイトは、お客様の地域からのアクセスが最適化されていません。
南北アメリカ
- América Latina (Español)
- Canada (English)
- United States (English)
ヨーロッパ
- Belgium (English)
- Denmark (English)
- Deutschland (Deutsch)
- España (Español)
- Finland (English)
- France (Français)
- Ireland (English)
- Italia (Italiano)
- Luxembourg (English)
- Netherlands (English)
- Norway (English)
- Österreich (Deutsch)
- Portugal (English)
- Sweden (English)
- Switzerland
- United Kingdom (English)