第 1 章
光学検査の自動化とは
自動検査システムや自動欠陥検出システムでは、AI を使用して、製造部品の故障や欠陥を検査します。これらのシステムは、金属レール、半導体ウエハ、コンタクトレンズなど、さまざまな業界において、製品表面の欠陥の自動検出に使用されています。企業における自動検査システムの使用事例をご紹介します。
- Airbus - 航空機の複数の要素の欠陥を検出
- 武蔵精密工業 - 自動車部品のかさ歯車を検査
- 韓国鉄道技術研究院 - レール、枕木、締め具などの鉄道施設部品の表面欠陥、不足部品、ひび割れを検出
- 関西電力 - 鋼管溶接部のクリープ損傷を評価
自動光学検査を使用する理由
品質管理や欠陥検出で外観検査システムを使用したことのある方は、そのプロセスの複雑さがお分かりになるでしょう。
以下の例を見てみましょう。六角ナットが流れるベルトコンベアーと、これらの部品の画像をキャプチャする検査カメラがあります。
たとえば、カメラがキャプチャする画像が 4 枚の場合は、オペレーターがその画像を確認し、欠陥のあるナットを見つけることができます。
では、次はどうでしょうか。
画像が数千から数百万枚にもなると、欠陥のあるナットと良品のナットを自動分類するシステムが必要になります。
MATLAB による光学検査の自動化
この ebook では、MATLAB® を使用してディープラーニング ネットワークを開発し、さまざまなタイプの異常を検出して分類する方法をご紹介します。欠陥検出ワークフローの 3 つの主なステージは以下のとおりです。
- データの準備 (ノイズ除去、レジストレーション、ラベル付けを含む)
- ディープニューラルネットワークの構築と学習
- 複数のハードウェアプラット フォーム (CPU、GPU など) へのネットワークの展開
このワークフローは、以下のように反復的に行われます。
システムを展開すると、より多くのデータが得られます。そのデータを使用してモデルの改良および調整を行い、再度展開することにより、より精度の高い結果を得ることができます。