Mapping Toolbox
地理情報を解析して可視化
Mapping Toolbox™ は、地理データを変換し、地図表示を作成するためのアルゴリズムと関数を備えています。地理的なコンテキストでデータを可視化し、60 種類を超える地図投影から地図表示を作成し、さまざまなソースから取得したデータを一貫性のある地理座標系に変換します。
Mapping Toolbox は、地理データを管理するためのワークフロー全体をサポートしています。さまざまなファイル形式や Web マップサーバーからベクトルデータおよびラスターデータをインポートできます。このツールボックスでは、トリミング、補間、再標本化、座標変換などの手法を使用して、データの処理やカスタマイズが可能です。1 つの地図表示上で、データと複数のソースから収集したベースマップレイヤーとを結合できます。作成したデータは、シェープファイル、GeoTIFF、KML などのファイル形式でエクスポートできます。
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ファイルベースのデータのインポートとエクスポート
Mapping Toolbox では、さまざまな形式の GIS ファイルと地理空間ファイルをインポートできます。シェープファイルや GPX などの形式からベクトルデータをインポートしたり、GeoTIFF や Esri Binary Grid などの形式、および DTED や USGS DEM といった地形図の形式からラスターデータをインポートしたりできます。
Mapping Toolbox では、データをさまざまなファイル形式にエクスポートすることもできます。これにより、Google Earth™ や ArcGIS® などのアプリケーションとデータの共有が可能です。
Web Map Service (WMS) サーバーからのデータへのアクセス
Mapping Toolbox では、Web Map Service (WMS) を経由して、公開されている多数のサーバーからデータを検索したり、ダウンロードしたりできます。WMS は、インターネット上でジオリファレンス地図画像を利用できるようにするための標準プロトコルです。
2D 地図表示の作成
Mapping Toolbox には、カスタマイズした 2D 地図表示を生成するための可視化関数が用意されています。この地図表示では、スケールが異なるラスターデータセットとベクトルデータセットを、同じ表示内で簡単に結合することができます。たとえば、解像度や対象領域に関係なく、画像とデータグリッドを正しい位置に表示し、その上にベクトル地図の機能を重ねることが可能です。
このツールボックスの可視化関数を使用して、次を作成できます。
- ラスターデータとベクトルデータを使用した 2D 地図表示
- ラスターおよび位置情報グリッドデータに基づく等高線図
- テーマ別の地図
3D 地図表示の作成
Mapping Toolbox で、カスタマイズ可能な 3D 地図表示を生成できます。高ズームレベルのベースマップ上に航空機の飛行経路を表示したり、地形図上に GPS データを表示したり、可視化された視程範囲を表示したりできます。
MATLAB の地図
MATLAB® は地理座標軸とチャートによって、さまざまなベースマップ上で、地理的位置 (緯度と経度) を含むデータを可視化します。2 つの地点の間で線をプロットしたり、特定の地点をマーカーでプロットしたり、関連する値 (人口など) によってサイズの異なる位置マーカーを使用したり、場所の密度を可視化したりできます。Mapping Toolbox があれば、URL 文字列を指定して、ベースマップをカスタマイズできます。
ベースマップの選択
ベースマップとは、ベクトルやラスターの地理データを重ねることができる参照マップです。地図表示内にあるデータや解析のコンテキストを表現するのに便利です。
Web 地図、地理学的な地球儀、地理座標軸では、高解像度の衛星画像、地形的な特徴、土地被覆、複数スタイルの市街地図など、組み込まれている多数のベースマップから選択できます。また、カスタムベースマップを、URL 文字列で指定してオプションのリストに追加することもできます。
Mapping Toolbox では、数値地形や数値海底地形、その他のグリッドデータ製品など、3D データの可視化および解析をサポートしています。このツールボックスには、勾配、傾斜、縦横比、視程範囲、可視領域を計算するための関数が含まれています。
幾何測地学
Mapping Toolbox の幾何測地学の機能を使用して、地球などの惑星体の曲率を考慮した測地計算が行えます。球体や楕円体上の任意の多角形や四角形の表面積、幾何オブジェクトの交差部、球体や楕円体上の任意の 2 点間の距離を計算できます。
地図投影
Mapping Toolbox には、惑星体の曲面を 2D 地図表示で表現するための、よく使用される主要な 65 種類以上の地図投影法が用意されています。これには、円筒図法、円錐図法、方位図法に分類された正積、正距、正角、それらの混合型の投影法が含まれます。これらの投影法の多くは、地球などの惑星体の球体と楕円体の両方のモデルをサポートしています。
3D 座標変換
Mapping Toolbox では、複数のソースからのデータを結合するときに必要になる、一般的な 3D 座標系の変換が可能です。地球に近い環境で 3D の幾何計算を行い、3D の測地座標系、地心座標系、局地 ENU (East-North-Up) 座標系、局地 NED (North-East-Down) 座標系、局地球面座標系の間で地点を変換することができます。
座標参照系
インポートしたデータや名前付き空間参照コード、または一般的なテキスト文字列から、投影座標系、地理座標系の CRS オブジェクトを作成
座標参照系
projcrs
オブジェクトを使用した座標の投影または非投影
座標参照系
projcrs
または geocrs
オブジェクトを使用した、座標参照系の情報の取得、および解析関数での使用
3D 地理プロット
カメラ関数を使用して地球儀表示をプログラムで操作
これらの機能や対応する関数の詳細については、リリースノートをご覧ください。