wrcoef2

2 次元ウェーブレット係数からの単一分岐の再構成

構文

x = wrcoef2(type,c,s,wname)

x = wrcoef2(type,c,s,LoR,HiR)

x = wrcoef2(___,n)

説明

wrcoef2 は、2 次元ウェーブレット解析関数です。wrcoef2 は、イメージの係数を再構成します。

x = wrcoef2(type,c,s,wname) は、wname で指定されたウェーブレットを使用して、イメージのウェーブレット分解構造 [c,s] (詳細については、wavedec2 を参照してください) に基づいてタイプ type の再構成係数の行列を返します。係数は最大の分解レベルで再構成されます。x のサイズは、元のイメージのサイズに等しくなります。

x = wrcoef2(type,c,s,LoR,HiR) は、ローパス再構成フィルター LoR とハイパス再構成フィルター HiR を使用します。

x = wrcoef2(___,n) は、前述の構文のいずれかを使用して、レベル n の係数を再構成します。

例

2 次元ウェーブレット係数の再構成

現在の拡張モードを保存します。イメージを読み込みます。

origMode = dwtmode("status","nodisp");
load woman
imagesc(X)
title("Original")
colormap gray

dwtmode を使用して拡張モードをゼロ パディングに変更します。sym5 ウェーブレットを使用して、イメージの 2 レベル ウェーブレット分解を求めます。

dwtmode("zpd","nodisp")
[c,s] = wavedec2(X,2,"sym5");

レベル 1 とレベル 2 の Approximation 係数を再構築します。結果を表示します。

a1 = wrcoef2("a",c,s,"sym5",1);
a2 = wrcoef2("a",c,s,"sym5",2);
subplot(1,2,1)
imagesc(a1)
title("Level 1")
subplot(1,2,2)
imagesc(a2)
title("Level 2")
colormap gray

レベル 2 の水平方向、垂直方向、および対角方向の Detail 係数を再構成します。

h2 = wrcoef2("h",c,s,"sym5",2);
v2 = wrcoef2("v",c,s,"sym5",2);
d2 = wrcoef2("d",c,s,"sym5",2);

すべての再構成が元のイメージと同じサイズであることを確認します。

sX = size(X);
sa1 = size(a1);
sa2 = size(a2);
sh2 = size(h2);
sv2 = size(v2);
sd2 = size(d2);
[sX;sa1;sa2;sh2;sv2;sd2]

ans = 6×2

   256   256
   256   256
   256   256
   256   256
   256   256
   256   256

拡張モードを元の設定に戻します。

dwtmode(origMode,"nodisp")

入力引数

type — 再構成する係数

"a" | "h" | "v" | "d"

再構成する係数。次のように指定します。

• "a" — Approximation 係数

• "h" — 水平方向の Detail 係数

• "v" — 垂直方向の Detail 係数

• "d" — 対角方向の Detail 係数

データ型: string | char

c — ウェーブレット分解ベクトル

実数値のベクトル

ウェーブレット分解ベクトル。実数値のベクトルとして指定します。ベクトル c には、Approximation 係数と Detail 係数がレベルごとに格納されます。ブックキーピング行列 s を使用して c が解析されます。wavedec2 を参照してください。

データ型: double

s — ブックキーピング行列

整数値の行列

ブックキーピング行列。整数値の行列として指定します。行列 s には、各レベルのウェーブレット係数の次元が格納されます。ウェーブレット分解ベクトル c の解析に使用されます。wavedec2 を参照してください。

データ型: double

wname — ウェーブレット

文字ベクトル | string スカラー

ウェーブレット。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。wrcoef2 は、タイプ 1 (直交) またはタイプ 2 (双直交) のウェーブレットのみをサポートします。直交ウェーブレットと双直交ウェーブレットの一覧については、wfilters を参照してください。

LoR,HiR — ウェーブレット再構成フィルター

偶数長の実数値のベクトル

ウェーブレット再構成フィルター。偶数長の実数値ベクトルのペアとして指定します。LoR はローパス再構成フィルター、HiR はハイパス再構成フィルターです。LoR と HiR の長さは等しくなければなりません。詳細については、wfilters を参照してください。

データ型: double

n — 係数レベル

size(s,1)-2 (既定値) | 整数

係数レベル。整数として指定します。

• type が "a" の場合、n は 0 ≤ n ≤ size(s,1)-2 を満たす整数でなければなりません。

• type が "h"、"v"、または "d" の場合、n は 1 ≤ n ≤ size(s,1)-2 を満たす整数でなければなりません。

データ型: double

出力引数

x — 再構成係数

行列

再構成係数。行列として返されます。x のサイズは、元のイメージのサイズに等しくなります。

データ型: double

バージョン履歴

R2006a より前に導入

参考

appcoef2 | detcoef2 | wavedec2