Stateflow チャートの複素数データ
"複素数データ" とは、その値が複素数に該当するデータです。たとえば、Simulink® モデルの Stateflow® チャートでは、3 + 5i
という値の入力信号は複素数です。複素数信号 (Simulink)を参照してください。
複素数データの定義
Stateflow データの追加の説明に従って、データ オブジェクトをチャートに追加します。
データ オブジェクトの [実数/複素数] プロパティを
[オン]
に設定します。詳細については、実数/複素数を参照してください。データ プロパティの設定の説明に従って、データ オブジェクトの名前、スコープ、サイズ、基本データ型、その他のプロパティを指定します。
[定数]
スコープでは複素数データはサポートされません。複素数データは、基本データ型
[ml]
、[struct]
、および[boolean]
をサポートしていません。
複素数データを使用する場合
通信システムやデジタル信号処理のアプリケーションをモデル化する場合に、複素数データを使用します。たとえば、この設計パターンを使用して、以下のように通信システムのフレーム同期アルゴリズムをモデル化できます。
Simulink ブロック (フィルターなど) を使用して、複素数信号を処理します。
チャートを使用して、フレーム同期用のモード ロジックを実装します。
チャートによる複素数入出力データへのアクセスを許可し、MATLAB® 入れ子関数によるモード ロジックの駆動を可能にします。
フレーム同期アルゴリズムのモデル化の例については、フレーム同期を使用した有効な伝送データの検出を参照してください。
メモ
複素数型の連続時間変数は、サポートされていません。詳細については、ローカル変数での連続状態情報の格納を参照してください。
複素数データを使用できる場所
複素数データは、以下の Stateflow 階層のレベルで定義できます。
チャート
サブチャート
ステート
関数
複素数データの使用方法
複素数データは、以下を定義する目的で使用できます。
複素数ベクトル
複素数行列
複素数データは、以下の引数としても使用できます。
ステート アクション
遷移アクション
MATLAB 関数 (MATLAB 関数の定義による MATLAB コードの再利用を参照)
真理値表関数 (真理値表を使用して組み合わせ論理をモデル化を参照)
グラフィカル関数 (グラフィカル関数の定義によるロジック パターンの再利用を参照)
変化検出演算子 (データと式の値の変化の検出 を参照)
メモ
エクスポートされた関数は、引数としての複素数データをサポートしません。