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力とトルクの検出

力とトルクの検出機能をもつブロックは、次の 2 つの Simscape™ Multibody™ ライブラリにあります。

  • Forces and Torques — 入力によって明示的に指定されていない、特定の力の大きさを測定します。力の検出機能をもつブロックには Inverse Square Law ForceSpring and Damper Force があります。各ブロックは、自分自身の力の大きさのみを測定できます。

  • Joints — ジョイントに直接働くさまざまな力やトルクを測定します。すべてのジョイント ブロックは力とトルクの検出機能を提供します。しかし、測定可能な特定の力やトルクのタイプは、ジョイントごとに異なります。力とトルクの検出機能は、ジョイントが接続するボディ間でのみ使用できます。

Simscape Multibody での力とトルクの検出

測定可能なジョイントの力とトルク

ジョイントで測定可能な力とトルクは次の 2 つのカテゴリに分けられます。

  • ジョイント プリミティブの力とトルク。このような力とトルクはそれぞれ、与えられた 1 つのジョイント プリミティブについて個別に計算されます。ジョイント アクチュエータの力とトルクが、このカテゴリに属します。

  • 複合力と複合トルク。このような力とトルクはそれぞれ、1 つのジョイント全体について累計として計算されます。拘束力と拘束トルク、合計の力とトルクが、このカテゴリに属します。

次の表は、ジョイントに働く各種の力とトルクをまとめています。

力/トルクのタイプ対象測定内容
アクチュエータ個々のジョイント プリミティブ個々のジョイント プリミティブを駆動する力またはトルク。測定される力またはトルクは入力によって指定するか、モデルにあるジョイントの運動入力に基づいて自動的に計算することができます。
拘束ジョイント全体ジョイントの自由度の法線方向に働く運動に対する、拘束力または拘束トルクの累計。定義上、これらの力やトルクは、ジョイント プリミティブの軸に垂直に働きます。
合計ジョイント全体ジョイントの端子の座標系間に働くすべての力またはトルクの正味の合計。これには、アクチュエータ、内部および拘束の力とトルクが含まれます。

次の図に、これらの力がクランクスライダー ピストンに働く基本的な例を示します。

この図では、以下のようになります。

  • FA は、ピストンをクランク リンクに向かって駆動する、アクチュエータの力です。

  • FI は、チャンバーに対するピストンの運動に抵抗するバネとダンパーの内力です。

  • FC は、ピストンに働く重力の影響に対抗し、ピストンの落下を防ぐ拘束力です。

合計の力は、FAFI および FC の正味の合計に等しくなります。

力とトルクの測定の方向

ニュートンの運動の第三法則に従って、2 つのジョイント端子の座標系の間に働く力またはトルクは、大きさの等しい逆向きの力またはトルクを伴います。Prismatic Joint ブロックの base 端子座標系が follower 端子座標系に力を及ぼす場合、follower 端子座標系は base 座標系に大きさの等しい力を及ぼします。ジョイント ブロックの複合力と複合トルクを測定する場合、この 2 つのどちらを測定するかを指定できます。

  • Follower on base — follower 端子座標系が base 端子座標系に及ぼす力またはトルクを測定します。

  • Base on follower — base 端子座標系が follower 端子座標系に及ぼす力またはトルクを測定します。

次の図に、測定の方向を反転させる効果を示します。この方向を反転すると、測定の符号が変わります。

参考

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