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設計エラー検出とは
設計エラー検出とは、Simulink® モデルの論理エラー、デッド ロジックなどの潜在的な問題を特定するプロセスを指します。設計エラー検出は、初期のモデル開発フェーズでエラーを早期に特定する際、モデルの更新時、および実際のシステムにモデルを実装する前に最も有益です。開発プロセスで設計エラーを早期に特定すると、以下に役立ちます。
設計フェーズの初期段階でエラーを検出することで、開発コストを削減する。
システムが予測したとおりに正しく動作することを確認して、設計を改善する。
自動車や航空宇宙などのセーフティ クリティカルなシステムで特に重要な安全性を高める。
判定結果または条件結果をもつモデル オブジェクトは、デッド ロジック検出を受けます。
Simulink Design Verifier を使用した設計エラー検出解析
設計エラー検出の解析モードは、Simulink Design Verifier™ による解析モデルの実行時エラー検出方法を制御するオプションを指定します。[コンフィギュレーション パラメーター] ダイアログ ボックスの [Design Verifier] ペインで、[設計エラー検出] を構成できます。
モデルのシミュレーションを実行する前に、設計エラー検出モードでモデルを解析し、これらのエラーを検出および診断します。設計エラー検出解析により、エラーの原因となる条件を特定して、潜在的な設計の不具合を見つけることができます。
設計エラー検出の解析モードでは、次のタイプのエラーが検出されます。
デッド ロジック
配列の範囲外へのアクセス
整数または固定小数点データのオーバーフロー
ゼロ除算
浮動小数点の使用のエラー (
Inf
/NaN および非正規)指定された最小値と最大値の範囲外の中間信号値
データ ストアのアクセス違反
指定したブロック入力範囲違反
高信頼性システム モデリングのチェック
モデルの設計エラーを解析するには、以下のワークフローを使用します。
モデルが Simulink Design Verifier ソフトウェアと互換であることを確認します。
Simulink Design Verifier によるモデル内の設計エラー検出の方法を制御するオプションを指定します。
一般的な設計エラーを検出するには、[欠陥チェッカー] を使用します。
Simulink Design Verifier 解析を実行します。
解析結果をレビューします。
解析後は次が可能です。
個々のブロックをクリックして、そのブロックの解析結果を表示する。
エラーを示すテスト ケースを含むハーネス モデルを作成する。
モデル全体についての詳細な結果を含む解析レポートを作成する。
設計エラー検出の解析結果の理解
設計エラー検出解析を実行すると、既定では、解析結果がレビューしやすくなるように、4 色のうちのいずれかでモデル オブジェクトが強調表示されます。
モデル オブジェクトの強調表示色 | 解析結果 |
---|---|
グリーン | 次の両方です。
|
レッド | 少なくとも次のいずれかです。
|
オレンジ | 1 つ以上のオブジェクティブで、モデル オブジェクトにデッド ロジックまたは他の設計エラー検出エラーの 1 つがあるかどうかを判別できませんでした。この状況は次の場合に発生します。
|
グレー | モデル オブジェクトが解析に含まれていなかった。 |
スチール ブルー | このモデル オブジェクトのすべてのオブジェクティブが、解析時に指定されたフィルター ファイルを使用して除外または正当化された。 |
まず Simulink Design Verifier の [結果] ウィンドウに解析結果の概要が表示されます。既定では、Simulink Design Verifier の [結果] ウィンドウは常に最前面に表示されます。この設定を変更するには、 アイコンをクリックし、コンテキスト メニューで、[常に手前に表示] の横にあるチェック マークをオフにします。
モデル内のオブジェクトをクリックすると、そのオブジェクトの結果の詳細が Simulink Design Verifier の [結果] ウィンドウに表示されます。
[結果の概要] ウィンドウでの最新の解析結果のレビュー
モデル内のエラーの原因を修正するために解析結果を閉じた場合、解析結果をもう一度レビューすることが必要になる場合があります。モデルが変更されないままであれば、[結果の概要] ウィンドウで最新の解析結果を表示できます。
最新の結果を表示するには、[Design Verifier] タブの [結果の確認] セクションで、[結果の概要] をクリックします。
[結果の概要] ウィンドウからは、任意の Simulink Design Verifier 解析に対して次のタスクを実行できます。
フィルター エクスプローラーを開きます。
モデルにおける、解析結果の強調表示。
シミュレーション データ インスペクターにテストを表示。
詳細な解析レポートの生成。
ハーネス モデルの作成。または既に存在する場合はモデルの開始。反証または達成されたオブジェクティブがない場合、ハーネス モデルは作成できないことに注意してください。
テスト ケースを Simulink Test にエクスポート。
データ ファイルの表示。
ログ ファイルの表示。