モデルカバレッジ

モデルカバレッジは、カバレッジ対象のオブジェクト、ステート、遷移の動作を解析し、シミュレーション経路のうちどの程度が実行されているかをモデル内のカバレッジ対象のオブジェクトごとに測定することによってモデルを検証するのに役立ちます。モデルでカバレッジを有効にしてからシミュレーションを開始することで、モデルのモデルカバレッジを収集できます。または、Simulink^® Test™ のテストマネージャーを使用してテストケースを作成することでテストケースが達成するカバレッジオブジェクティブの割合を測定できます。モデルカバレッジを測定可能なオブジェクトの詳細なリストについては、カバレッジの対象となるモデルオブジェクトを参照してください。

モデルカバレッジの概要

モデルのカバレッジを有効にするには、[モデル化] タブで、[モデル設定] をクリックします。[コンフィギュレーションパラメーター] ダイアログボックスの左側のペインで、[カバレッジ] をクリックしてから、[カバレッジ解析を有効にする] を選択します。

ブロック実行カバレッジ、判定カバレッジ、条件カバレッジ、および改良条件判定カバレッジなどのさまざまなカバレッジメトリクスでモデルを解析できます。モデルカバレッジで測定されるカバレッジの種類の完全なリストについては、モデルカバレッジの種類を参照してください。

Simulink Coverage™ は、ノーマルモードでのシミュレーション時のみ、モデルのモデルカバレッジを収集できます。

Embedded Coder^® ライセンスをお持ちの場合は、ソフトウェアインザループ (SIL) モードまたはプロセッサインザループ (PIL) モードのモデルから生成されたコードのコードカバレッジも測定できます。コードカバレッジで測定されるカバレッジの種類については、コードカバレッジの種類を参照してください。コードカバレッジを有効にする方法の例については、ソフトウェアインザループ (SIL) モードおよびプロセッサインザループ (PIL) モードのモデルのコードカバレッジを参照してください。

カバレッジデータの種類

[実行] ボタンを使用してカバレッジを有効にしてモデルをシミュレートすると、Simulink Coverage で [カバレッジの詳細] ペインが開き、カバレッジレポートが表示されます。

モデルカバレッジの解析結果を示すモデルカバレッジレポートの手動生成もできます。このレポートには、概要だけでなく、モデルに含まれるブロックと選択するカバレッジメトリクスに応じて、解析した各オブジェクトのカバレッジの詳細も含まれます。

いずれの場合も、表示されるカバレッジレポートの種類はカバレッジデータの形式によって決まり、カバレッジデータの形式はモデルに何が含まれているかによって決まります。

カバレッジデータ

外部コードファイルを呼び出さない、またはモデル参照を含まない 1 つのモデルを解析する場合、Simulink Coverage は cvdata オブジェクトにカバレッジデータを保存します。cvdata オブジェクトからカバレッジレポートを生成すると、モデルの最上位モデルカバレッジレポートが表示されます。このレポートには、モデル内の各解析対象オブジェクトの詳細が含まれます。

カバレッジデータグループ

外部コードファイルを呼び出す、またはモデル参照を含むモデルの場合、Simulink Coverage は各モデルまたはファイルに対する cvdata オブジェクトを含む cvdatagroup オブジェクトにカバレッジデータを返します。モデル概要カバレッジレポートは、cvdatagroup オブジェクトに含まれる各 cvdata オブジェクトのカバレッジレポートにリンクします。

参考

cv.cvdatagroup | cvdata