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cvdata

MATLAB ワークスペースの Simulink Coverage データへのアクセス

説明

cvdata オブジェクトはモデル カバレッジ データを格納します。

作成

カバレッジが有効になっているモデルをシミュレートすると cvdata オブジェクトが自動的に生成されます。カバレッジ関数を使用してカバレッジ データにアクセスできます。cvdata オブジェクトはその親パネルを閉じるか変更すると無効になります。

プロパティ

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このプロパティは読み取り専用です。

元のカバレッジ データのリリース。文字配列として返されます。

データ型: char

このプロパティは読み取り専用です。

内部カバレッジ データ ID。スカラーとして返されます。

データ型: double

このプロパティは読み取り専用です。

内部カバレッジ タイプ。1 つのカバレッジのシミュレーションの場合は TEST_DATA、集計したカバレッジ データまたは累積カバレッジ データの場合は DERIVED_DATA として返されます。

データ型: char

このプロパティは読み取り専用です。

テスト データ。cvtest オブジェクトとして返されます。このプロパティはカバレッジ構成を示します。

データ型: cvtest

このプロパティは読み取り専用です。

内部ルート ID。スカラーとして返されます。

データ型: double

このプロパティは読み取り専用です。

カバレッジ データのチェックサム。構造体配列として返されます。たとえば、ブロックの削除や追加などのモデル構造の編集、一部のコンフィギュレーション パラメーターの変更など、モデルに何らかの変更を加えると、checksum が変更されます。カバレッジ結果を集計するには、cvdata.checksum プロパティが一致しなければなりません。

データ型: struct

このプロパティは読み取り専用です。

モデル情報。構造体配列として返されます。このプロパティにはカバレッジ用に解析されたモデルに関するメタデータが含まれます。

cvdata.modelinfo には、以下のフィールドが含まれます。

フィールド

説明

modelVersion

カバレッジ用に解析されたモデルのバージョン。

バージョン番号を含む character array

creator

モデルの最初の作成者。

システム名または組織名

lastModifiedDate

モデルが最後に変更された日時。

日時を含む character array

defaultParameterBehavior

既定のパラメーター動作設定を示します。

'Tunable' | 'Inlined'

blockReductionStatus

ブロック削減が有効かどうかを示します。

詳細については、ブロック削減を参照してください。

'off' | 'on'

conditionallyExecuteInputs

条件付き入力実行の切り替え。1 の値は 'on'0 の値は 'off' です。

1 | 0

mdcdMode

改良条件判定カバレッジ (MCDC) 解析に使用される定義。1 の値は MCDC のマスク定義で使用されるモデルを示し、0 の値は MCDC のユニークコーズ定義に使用されるモデルを示します。

詳細については、Simulink Coverage における改良条件判定カバレッジ (MCDC) 定義を参照してください。

1 | 0

analyzedModel

解析されたモデルまたはモデル オブジェクトの名前。解析のスコープがサブシステム、Stateflow® チャート、またはその他のモデル オブジェクトに設定されている場合、これはそのモデル オブジェクトへのパスです。

character array

reducedBlocks

有効になっていて、いずれかのブロックが削減される場合、ブロック削減パラメーターで削減されたブロックのリスト。

character array

ownerModel

テスト対象のコンポーネント、またはテスト対象のコンポーネントが含まれるモデル。ブロック線図のハーネスがある場合、これはハーネスがテストするモデルです。サブシステムのハーネスがある場合、これはそのサブシステムが含まれるモデルです。

character array

ownerBlock

モデルにサブシステムのハーネスが含まれる場合、これはハーネスがテストしているサブシステムです。

character array

harnessModel

ハーネス モデル名。複数のテスト実行から集計されたデータがあり、同じ ownerModel をもつ異なるハーネスを各実行が使用した場合、このフィールドには Not Unique が表示されます。

character array

logicBlkShortcircuit

ショートサーキット オプションが有効かどうかを示します。

0 | 1

データ型: struct

シミュレーション開始時のシステム時間。文字配列として返されます。

データ型: char

シミュレーション停止時のシステム時間。文字配列として返されます。

データ型: char

カバレッジ期間の開始時間。スカラーとして返されます。この値は CovStartTime パラメーターから取得されます。詳細については、カバレッジ期間の開始時間を参照してください。

データ型: double

カバレッジ期間の終了時間。スカラーとして返されます。この値は CovStopTime パラメーターから取得されます。詳細については、カバレッジ期間の終了時間を参照してください。

データ型: double

カバレッジ フィルター ファイル名。文字配列または文字配列の cell 配列として返されます。このプロパティにはカバレッジ フィルター ファイル名が含まれます。カバレッジ フィルターが適用されていない場合、このフィールドは空です。このプロパティに有効なフィルター ファイルの名前を割り当てることにより、シミュレーション後にカバレッジ フィルターを適用できます。

データ型: char | cell

シミュレーション モード。文字配列として返されます。詳細については、シミュレーション モードを参照してください。

データ型: char

カバレッジ レポートで非アクティブなバリアントを除外するかどうか。0 または 1 として指定します。カバレッジ レポートで非アクティブなバリアントをレポートする場合はこのプロパティを 0 に設定し、カバレッジ レポートから非アクティブなバリアントを除外する場合はこのプロパティを 1 に設定します。

このプロパティはアクティベーションのタイミングが [起動] である Simulink® バリアントと Stateflow チャート内の非アクティブなバリアント コンフィギュレーションにのみ影響します。

excludeInactiveVariants の値が異なる 2 つ以上の cvdata オブジェクトを集計する場合、結果として得られる集計された cvdata オブジェクトには excludeInactiveVariants プロパティ値 0 が含まれます。

例: covData.excludeInactiveVariants = 1;

データ型: double

オブジェクト関数

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cvhtmlモデル カバレッジ オブジェクトから HTML カバレッジ レポートを作成
cvmodelviewモデルを強調表示したモデル カバレッジ結果の表示
cvresultsアクティブなカバレッジ データを返す、アクティブなカバレッジ データを消去する、ファイルからアクティブなカバレッジ データを読み込む
cvsaveカバレッジ設定と結果のファイルへの保存
extractExtract subsystem coverage data from system-level coverage data
complexityinfocvdata オブジェクトから循環的複雑度カバレッジ情報を取得する
conditioninfoRetrieve condition coverage information from cvdata object
decisioninfoRetrieve decision coverage information from cvdata object
executioninfoRetrieve execution coverage information from cvdata object
getCoverageInfoRetrieve coverage information for Simulink Design Verifier blocks from cvdata object
mcdcinfoRetrieve modified condition/decision coverage information from cvdata object
overflowsaturationinfoRetrieve saturation on integer overflow coverage from cvdata object
relationalboundaryinfoRetrieve relational boundary coverage from cvdata object
sigrangeinfoRetrieve signal range coverage information from cvdata object
sigsizeinfoRetrieve signal size coverage information from cvdata object
tableinfoRetrieve lookup table coverage information from cvdata object

cvdata オブジェクトでは、これらの特殊な MATLAB® 演算子を使用できます。

+

2 つの cvdata オブジェクトの和集合を返します。返される cvdata オブジェクトには、2 つのシミュレーションまたはテストのカバレッジの集計が含まれます。

-

左右のオペランドの差集合を返します。返される cvdata オブジェクトには、左のオペランドでは達成され、右のオペランドでは達成されていないカバレッジ オブジェクティブの結果が含まれます。- は、特定のシミュレーションまたはテストに起因する追加カバレッジの数を特定するために使用します。

* and .*

2 つの cvdata オブジェクト間の共通集合を返します。返される cvdata オブジェクトには、両方のオペランドで達成されたカバレッジのみが含まれます。* は、2 つのシミュレーションまたはテストで重複しているカバレッジを検出するのに使用します。

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この例では、モデルのブロックの判定カバレッジ データを表示する方法を説明します。

モデルを読み込みます。

modelName = 'slvnvdemo_cv_small_controller';
load_system(modelName);

Simulink.SimulationInput オブジェクトを使用してモデルのカバレッジ設定を構成します。

simIn = Simulink.SimulationInput(modelName);
simIn = setModelParameter(simIn,'CovEnable','on');
simIn = setModelParameter(simIn,'CovMetricStructuralLevel','Decision');
simIn = setModelParameter(simIn,'CovSaveSingleToWorkspaceVar','on');
simIn = setModelParameter(simIn,'CovSaveName','covData');

simIn を入力として sim に渡し、モデルをシミュレートします。

simOut = sim(simIn);

SimulationOutput オブジェクトの simOut から、cvdata オブジェクトとしてカバレッジ データを抽出します。

covData = simOut.covData;

ブロック パスで decisioninfo を呼び出し、Saturation ブロックの判定カバレッジ結果を表示します。

blockPath = [modelName,'/Saturation'];
decisionCov = decisioninfo(covData,blockPath)
decisionCov =

     3     4

decisioninfo は、2 つのスカラーをもつ配列を返します。1 つ目の値は達成された判定結果の数で、2 つ目の値は判定結果の合計数です。これらを使用して、Saturation ブロックにおける達成された判定結果の割合を特定します。

percentDecisionCov = 100 * decisionCov(1) / decisionCov(2)
percentDecisionCov =

    75

バージョン履歴

R2006a より前に導入