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操作点について

操作点とは

動的システムの "操作点" は、ある特定時点でのモデルについて、状態とルートレベルの入力信号を定義します。たとえば、自動車のエンジンのモデルでは、エンジン速度、スロットルの角度、エンジンの温度、周囲の大気の状態などの変数で操作点を記述するのが一般的です。

次の Simulink® モデルには、2 つの変数からなる操作点があります。

  • 1 に設定されたルートレベルの入力信号

  • 5 に設定された Integrator ブロックの状態

次の表は、この操作点でのモデルの信号値をまとめています。

ブロックブロック入力ブロックの演算ブロック出力
Integrator1入力の積分5、初期条件 x0 = 5 により設定
Square5Integrator ブロックの初期条件により設定 入力の二乗25
SumSquare ブロックから 25Constant ブロックから 1入力の合計26
Gain26入力を 3 で乗算78

次のブロック線図は、Integrator ブロックのモデル入力と初期状態が、シミュレーション中にモデルでどのように伝播するのかを示しています。

モデルの初期状態と入力が既に目的の定常状態の操作条件を表している場合、この操作点を線形化または制御設計に使用できます。

定常状態の操作点とは

モデルの "定常状態の操作点" は、平衡または"平衡化" 条件とも呼ばれ、時間の経過によって変化しない状態変数を含みます。

モデルには、複数の定常状態の操作点が含まれる場合があります。たとえば、ぶら下がっている減衰振子には、時間が経過しても振子の位置が変わらない、2 つの定常状態の操作点があります。振子が真下にぶら下がっているとき、"安定した定常状態の操作点" が発生します。振子の位置が少し変化しても、振子は常に平衡状態に戻ります。したがって、操作点にわずかな変化があっても、システムは平衡値の周りの良好な近似の領域からは外れません。

振子が上方向を指した場合、"不安定な定常状態の操作点" が発生します。振子が "真上" を指している限り、平衡状態に保たれます。しかし、振子が真上の位置からわずかにずれた場合、振子は下方に揺れ、操作点は平衡値の近似値範囲になります。

最適化探索を使用して非線形システムの操作点を計算する場合、状態と入力レベルの初期推測値は、必ず収束するように最適な操作点の近くになければなりません。

複数の定常状態の操作点を含むモデルを線形化する場合、正確な操作点をもつことが重要です。たとえば、安定した定常状態の操作点を近似とした振子モデルを線形化すると、安定した線形モデルが生成され、不安定な定常状態の操作点を近似とした振子モデルを線形化すると、不安定な線形モデルが生成されます。

操作点オブジェクトに含まれる Simulink モデルの状態

Simulink Control Design™ ソフトウェアでは、Simulink モデルの操作点は操作点 (operpoint) オブジェクトで表されます。このオブジェクトは、調整可能なモデルの状態とその値を、操作点に関する他のデータとともに格納します。Backlash ブロック、Memory ブロック、Stateflow® ブロックなど、内部表現をもつブロックの状態は除外されます。

操作点オブジェクトから抽出された状態は、平衡化の計算に使用できません。これらの状態を operspec または operpoint で取得することや、initopspec で記述することはできません。そのような状態は、線形解析ツールを使用した操作点の表示や計算でも除外されます。次の表は、どの状態が操作点オブジェクトに含められ、どの状態が除外されるかをまとめています。

状態のタイプ操作点に含められるかどうか
倍精度の実数値の状態はい
値が double 型でない状態。たとえば、複素数値の状態、single 型の状態、int8 型の状態。いいえ
倍精度実数値の入力をもつルートレベルの入力端子ブロックからの状態はい
BacklashMemory、Stateflow の各ブロックの状態など、ブロック出力に影響する内部状態の表現。いいえ (内部状態表現をもつブロックの処理を参照)
入力がバス信号となる Unit Delay ブロックに属する状態いいえ

参考

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