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ゲイン スケジューリングの基礎

"ゲイン スケジューリング" は、システムの異なる操作点で、各々が十分な制御を提供する線形コントローラー群を用いた、非線形システムを制御するアプローチです。通常、ゲイン スケジュール制御は、そのゲインが現在の操作点を記述する "スケジューリング変数" の関数として自動的に調整されるコントローラーを使用して実装されます。これらの変数には、時間、外部の操作条件、または方向や速度といったシステム状態が含まれます。

ゲイン スケジュール制御システムの設計では、多くの場合、少数の操作点セット、つまり "設計点" を選択して、各点に適した線形コントローラーを設計します。操作中、システムはスケジューリング変数の現在の値に応じてこれらのコントローラー間を切り替え、または内挿します。

ゲイン スケジューリングは、化学反応の周囲温度や巡航中の航空機の速度など、スケジューリング変数が制御帯域幅に比べてゆっくり変化する外部パラメーターである場合に最も適しています。ゲイン スケジューリングが最も難しいのは、スケジューリング変数がシステムの高速に変化する状態に依存している場合です。操作点に近い局所的な線形性能は、非線形システムの総体的な性能の保証にならないため、広範なシミュレーションベースの検証が必要です。ゲイン スケジューリングとその課題の概要については、[1]を参照してください。

ゲイン スケジュール制御システムを設計するには次が必要です。

  • "操作範囲"。操作中に関連するシステム パラメーターの値がとり得る範囲のセットとして定義します。たとえば、巡航中の航空機のシステムの場合、操作範囲は入射角が –20° ~ 20°、対気速度が 200 ~ 250 m/s の範囲などとなります。

  • システムが特定の時間に操作範囲のどこに位置するかを示す、測定可能ないくつかの変数。これらの信号がスケジューリング変数です。航空機システムの場合、たとえば入射角と対気速度がスケジューリング変数になります。

  • "ゲイン スケジュール"。スケジューリング変数の所定の値に対して適切なコントローラー ゲインを返す式またはデータ テーブルを含みます。航空機システムの場合、ゲイン スケジュールによって操作範囲内にある入射角と対気速度の任意の組み合わせに対する適切なコントローラー ゲインが与えられます。

Simulink のゲイン スケジューリング

Control System Toolbox™ は、Simulink® でゲイン スケジュール制御システムをモデル化するために役立つブロックを提供します。これらのブロックを使用して、可変パラメーターをもつ一般的な制御システム要素を実装することができます。たとえば、Varying PID Controller ブロックは入力として PID ゲインを受け入れます。モデルで n-D Lookup Table などのブロックや MATLAB Function ブロックを使用して、ゲイン スケジュールを実装します。詳細と例については、Simulink でのゲイン スケジュール制御システムのモデル化を参照してください。

ゲイン スケジュールの調整

systune を使用してゲイン スケジュールを調整し、操作範囲全体で性能目標を満たすような制御システムを作成できます。詳細については、Simulink でのゲイン スケジュールの調整を参照してください。

参照

[1] Rugh, W.J., and J.S. Shamma, “Research on Gain Scheduling”, Automatica, 36 (2000), pp. 1401-1425.

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