Main Content

最新のリリースでは、このページがまだ翻訳されていません。 このページの最新版は英語でご覧になれます。

直列 RLC 回路のモデル化

物理的なシステムは、陰的な形式の一連の微分方程式 $F\left(t,x,\dot{\left\lbrace x\right\rbrace } \right)=0$ または陰的な状態空間形式 $E\dot{x} =A\;x+B\;u\;$ として表すことができます。

$E$ が特異でない場合、このシステムは連立常微分方程式 (ODE) に簡単に変換して、次のように解くことができます。

$$\dot{x} =\left(E^{-1} A\right)x+\left(E^{-1} B\right)u$$

多くの場合、システムの状態はその導関数とは直接的な関係がないように見え、通常は物理的な保存則を表します。以下に例を示します。

$$\begin{array}{l}\dot{x_1 } =x_2 \\0\;=x_1 +x_2 \end{array}$$

この場合、$E$ は特異であり、逆行列は計算できません。一般的に、このクラスのシステムは "記述子" システムと呼ばれ、方程式は微分代数方程式 (DAE) と呼ばれます。

直列 RLC 回路

次のような簡単な直列 RLC 回路があるとします。

キルヒホフの電圧則によると、この回路の電圧低下は、各素子の電圧低下の合計と同じです。

$$V_{AC} = V_R+V_L+V_C$$

キルヒホフの電流則により、次が成り立ちます。

$$I_{AC}=I_R=I_L=I_C$$

ここで、添字 $R$$L$、および $C$ はそれぞれ抵抗、インダクタンス、静電容量を表します。

$V_{R} =I\left(t\right)R$

$V_L =L\dot{I_L }$ または $\dot{I_L } = \frac{1}{L}V_L$

$V_C =V_{AC} \left(0\right)+\int_0^t I_C \left(\tau \right)d\tau$ または $\dot{V_c } =\frac{1}{C}I_c$

陰的な状態空間形式の記述

$R=10\;\Omega$$L=1\times {10}^{-6} \;H$$C=1\times {10}^{-4} F$ でこのシステムを Simulink でモデル化し、抵抗 $V_R$ にかかる電圧を求めます。Descriptor State-Space ブロックを使用するため、システムは次のような陰的な、すなわち "記述子" 状態空間形式 $E\dot{x}=Ax+Bu$ として記述できます。

$$\left\lbrack \begin{array}{ccccc}1 & 0 & 0 & 0 & 0\\0 & 0 & 0 & 0 & 0\\0
& 0 & 0 & 0 & 0\\0 & 0 & 0 & 1 & 0\\0 & 0 & 0 & 0 & 0\end{array}\right\rbrack
\left\lbrack \begin{array}{c}\dot{V_C } \\\dot{V_L } \\\dot{V_R } \\\dot{I_L
} \\\dot{I_{AC} } \end{array}\right\rbrack =\left\lbrack \begin{array}{ccccc}0
& 0 & 0 & \frac{1}{C} & 0\\1 & 1 & 1 & 0 & 0\\0 & 0 & -1 & R & 0\\0 & \frac{1}{L}
& 0 & 0 & 0\\0 & 0 & 0 & 1 & -1\end{array}\right\rbrack \left\lbrack \begin{array}{c}V_C
\\V_L \\V_R \\I_L \\I_{AC} \end{array}\right\rbrack +\left\lbrack \begin{array}{c}0\\-1\\0\\0\\0\end{array}\right\rbrack
V_{AC}$$

ここで、$x = {\left\lbrack \begin{array}{ccccc}V_C &V_L& V_R& I_L& I_{AC}\end{array}\right\rbrack}^T$ は状態ベクトルです。

抵抗にかかる電圧を測定するため、$C=\left\lbrack \begin{array}{ccccc}0&0& 1& 0&0\end{array}\right\rbrack$ に設定します。

これを、代数ループによるシステムのモデル化で $V_R$ を求める場合と比較してください。

両方のモデルのシミュレーション結果は同じになります。しかし、Descriptor State-Space ブロックでは、ブロック線図がシンプルになり、代数ループを避けることができます。

参考

代数ループの概念

微分代数方程式のモデル化