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カイザー ウィンドウ FIR フィルター設計の推定パラメーター
構文
説明
例
入力引数
出力引数
ヒント
フィルターの長さと次数の意味を混同しないように注意してください。フィルターの長さとは、FIR フィルターにおけるインパルス応答のサンプル数です。一般的に、フィルターの長さを L とした場合、インパルス応答のインデックスは n = 0 から n = L – 1 になります。フィルターの "次数" とは、フィルターを Z 変換表記した場合の最大の指数のことです。FIR の伝達関数の場合、この表記は z の多項式になり、最大の指数は zL–1、最小の指数は z0 となります。フィルターの次数は長さ (L – 1) よりも 1 小さく、z の多項式の零点の数と同じになります。
ベクトル
dev
で、帯域ごとに異なるリップルの変動を指定すると、カイザー ウィンドウ法は、全帯域でリップルの変動が最小になるようなフィルターを作成するように制限されているため、指定した最小の変動が使用されます。場合によっては、
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によって次数n
が大きく、または小さく推定されることがあります。フィルターが仕様を満たさない場合には、n+1
、n+2
などの高めの次数、あるいは低めの次数を試してください。カットオフ周波数が、0 かナイキスト周波数の近くにある場合、または、
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が大きい (10% を超える) 場合、結果は不正確になります。
アルゴリズム
一連の周波数領域の仕様が設定されると、kaiserord
では、仕様を近似的に満たす最小 FIR フィルター次数が求められます。kaiserord
では、与えられたフィルター仕様が通過帯域リップルおよび阻止帯域リップルに変換され、カットオフ周波数がウィンドウ適用後の FIR フィルター設計で要求される形式に変換されます。
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では、微分器やヒルベルト変換器と同様に、ローパス フィルターの次数推定に関する経験的に導かれた公式が使用されます。マルチバンド フィルター (バンドパス フィルターなど) に関する推定は、ローパス設計の公式から導かれます。
カイザー ウィンドウや、FIR フィルター設計への同ウィンドウの応用の基礎となる設計公式は、次のとおりです。
ここで、α = –20log10δ は、デシベル単位で表記される阻止帯域の減衰量です。
ここで、n はフィルター次数で、Δω は遷移領域の最小幅です。
参照
[1] Digital Signal Processing Committee of the IEEE Acoustics, Speech, and Signal Processing Society, eds. Selected Papers in Digital Signal Processing. Vol. II. New York: IEEE Press, 1976.
[2] Kaiser, James F. “Nonrecursive Digital Filter Design Using the I0-Sinh Window Function.” Proceedings of the 1974 IEEE International Symposium on Circuits and Systems. 1974, pp. 20–23.
[3] Oppenheim, Alan V., Ronald W. Schafer, and John R. Buck. Discrete-Time Signal Processing. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall, 1999.
拡張機能
バージョン履歴
R2006a より前に導入