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roadrunner

MATLAB を使用した RoadRunner アプリケーションの起動

R2022a 以降

説明

roadrunner オブジェクトにより、MATLAB^® コマンド ラインから、RoadRunner アプリケーション上でのシーンやプロジェクトの開閉や保存などの一般的なワークフロー タスクを実行できます。また、オブジェクト関数を使用して、ファイルからデータをインポートしたり、RoadRunner からシーンを他の形式にエクスポートしたりできます。

roadrunner オブジェクトを初めて作成する前に、RoadRunner のインストールと RoadRunner のライセンスのアクティベーションを対話的に行う必要があります。詳細については、RoadRunner のインストールとアクティベーションを参照してください。

roadrunner オブジェクトには Automated Driving Toolbox™ のライセンスが必要です。

作成

構文

rrApp = roadrunner(ProjectFolder=projectFolder)

rrApp = roadrunner

rrApp = roadrunner(Name=Value)

説明

rrApp = roadrunner(ProjectFolder=projectFolder) は、RoadRunner を既定のインストール フォルダーの場所から起動し、ProjectFolder で指定された場所にある既存のプロジェクトで新しいシーンを開きます。

rrApp = roadrunner は、MATLAB の settings API または関数を使用して定義された ProjectFolder および InstallationFolder に従って RoadRunner を開きます。

rrApp = roadrunner(Name=Value) は、名前と値のペアを使用してプロパティを設定します。

プロパティ

ProjectFolder — RoadRunner プロジェクト フォルダーのパス

string スカラー

RoadRunner プロジェクト フォルダーのパス。string スカラーとして指定します。MATLAB の settings API または関数を使用して、ProjectFolder の値をカスタマイズできます。RoadRunner プロジェクト フォルダーの構造の詳細については、RoadRunner プロジェクトとシーン システムを参照してください。

例: roadrunner("C:\My Project") は、Windows^® マシン上の RoadRunner アプリケーションで、C:\My Project フォルダーにあるプロジェクトを開きます。

データ型: string

InstallationFolder — ローカルの RoadRunner インストール フォルダーの場所

string スカラー

ローカルの RoadRunner インストール フォルダーの場所。string スカラーとして指定します。MATLAB の settings API または関数を使用して、InstallationFolder の値をカスタマイズできます。

以下は、Windows プラットフォームおよび Linux^® プラットフォーム上の既定の RoadRunner インストール場所です。

• Windows – C:\Program Files\RoadRunner R20NNx\bin\win64

• Linux, Ubuntu^® – /usr/local/RoadRunner_R20NNx/bin/glnxa64

R20NNx は、使用しているリリース バージョンです。RoadRunner インストール フォルダーの既定値をカスタマイズするには、MATLAB 設定 API を使用します。

データ型: char | string

NoDisplay — コンソール モードでの RoadRunner の起動

false or 0 (既定値) | true or 1

非グラフィカル環境で、RoadRunner をコンソール モードで起動します。logical 0 (false) または logical 1 (true) として指定します。コンソール モードでの RoadRunner の起動の詳細については、Control RoadRunner Programmatically in Console Modeを参照してください。

データ型: logical

Ports — 指定された apiPort および cosimPort での RoadRunner の起動

行列

指定された apiPort および cosimPort で RoadRunner を起動します。サイズ 1 行 2 列の行列として指定します。RoadRunner API サーバー ポート (apiPort) および RoadRunner Scenario シミュレーション API サーバー ポート (cosimPort) は、既定では RoadRunner アプリケーションを起動すると自動的に割り当てられます。RoadRunner プロジェクトを開いた後、サーバーは localhost:port でローカルに実行されます。割り当てられたポートが空きでない場合は、接続エラーが発生します。この場合、roadrunner オブジェクトまたは関数 connect を使用して apiPort および cosimPort に明示的に値を割り当てることができます。

例: rrApp= roadrunner(projectFolder,Ports= [54321, 54322]) は、RoadRunner および RoadRunner Scenario を apiPort および cosimPort でそれぞれ 54321 および 54322 で起動します。

データ型: int

オブジェクト関数

プロジェクト

newProject	Create new RoadRunner project using MATLAB
openProject	Open RoadRunner project using MATLAB
saveProject	Save RoadRunner project using MATLAB

シーン

newScene	MATLAB を使用した新しい RoadRunner シーンの作成
openScene	Open RoadRunner scene using MATLAB
saveScene	Save RoadRunner scene using MATLAB
exportScene	Export RoadRunner scene using MATLAB
exportCustomFormat	Export RoadRunner scene to custom format using MATLAB
importScene	Import scene into RoadRunner using MATLAB

シナリオ

newScenario (RoadRunner Scenario)	Create new scenario in RoadRunner Scenario using MATLAB
openScenario (RoadRunner Scenario)	Open scenario in RoadRunner Scenario using MATLAB
saveScenario (RoadRunner Scenario)	Save scenario in RoadRunner Scenario using MATLAB
exportScenario (RoadRunner Scenario)	Export scenario from RoadRunner Scenario using MATLAB
importScenario (RoadRunner Scenario)	Import file into RoadRunner Scenario using MATLAB
createSimulation (RoadRunner Scenario)	MATLAB を使用して RoadRunner Scenario シミュレーションを作成
prepareSimulation (RoadRunner Scenario)	Submit simulation data to RoadRunner Scenario simulation engine using MATLAB
simulateScenario (RoadRunner Scenario)	Simulate RoadRunner scenario using MATLAB
getScenarioVariable (RoadRunner Scenario)	Get the value of RoadRunner scenario variable using MATLAB
setScenarioVariable (RoadRunner Scenario)	MATLAB を使用した RoadRunner シナリオ変数の設定
remapAnchor (RoadRunner Scenario)	Remap anchors in RoadRunner Scenario in MATLAB
getAnchors (RoadRunner Scenario)	Retrieve anchor attributes from RoadRunner scenario using MATLAB
exportActorTrajectoryToCSV (RoadRunner Scenario)	Export trajectories of actors in RoadRunner scenario to comma-separated values (CSV) files using MATLAB

接続、閉じる、およびステータス

roadrunner.connect	Connect to open instance of RoadRunner using MATLAB
close	Close RoadRunner using MATLAB
status	Get current status of RoadRunner using MATLAB

例

既定のインストール フォルダーからの RoadRunner アプリケーションの起動

変数 ProjectFolder を使用して既存のプロジェクトへのパスを指定します。たとえば、次のコードは、Windows® マシン上の C:\RR\MyProject にあるプロジェクトへのパスを示しています。

projectFolder = "C:\RR\MyProject";

シーンを作成する場所としてプロジェクトを指定することで、roadrunner オブジェクトを作成し、RoadRunner を開きます。この例では、RoadRunner は既定の場所にインストールされていると仮定しています。

rrApp = roadrunner(ProjectFolder=projectFolder, InstallationFolder='C:\Program Files\RoadRunner R2023b\bin\win64'); 

既定の RoadRunner インストール フォルダー設定の変更

MATLAB 関数 settings を使用して、既定の RoadRunner インストール フォルダー設定を変更します。

関数 settings を使用して、指定の MATLAB セッションの、または MATLAB セッション間で維持される roadrunner オブジェクトの InstallationFolder プロパティの値を指定できます。

InstallationFolder property の永続的な既定値を設定するには、 PersonalValue の値を編集します。指定した値は、個別ユーザーの複数の MATLAB セッション間で維持されます。

s = settings;
s.roadrunner.application.InstallationFolder.PersonalValue = "C:\Program Files\RoadRunner R2022a\bin\win64";

InstallationFolder プロパティに一時的な既定値を設定することもできます。指定した値は、現在の MATLAB セッションでのみ維持され、セッション終了時にクリアされます。

s = settings;
s.roadrunner.application.InstallationFolder.TemporaryValue = "C:\MyRoadRunner Install\bin\win64";

複数の RoadRunner アプリケーション インスタンスの同時起動

roadrunner オブジェクトの複数のインスタンスを作成することで、複数の RoadRunner アプリケーションを開きます。各インスタンスを使用して、開いた RoadRunner アプリケーションをプログラムにより操作できます。このコードで使用されているシーンは、既定で RoadRunner プロジェクトに含まれています。

Lane Keep プロジェクトを指定して、RoadRunner の最初のインスタンスを開きます。この例では、プロジェクトはパス C:\RR\Lane Keep にあります。

rrApp1 = roadrunner("C:\RR\Lane Keep");

最初のプロジェクトの FourWaySignal シーンを開きます。

openScene(rrApp1,"FourWaySignal.rrscene");

USCity プロジェクトを指定して、RoadRunner の 2 番目のインスタンスを開きます。この例では、プロジェクトはパス C:\RR\USCity にあります。

rrApp2 = roadrunner("C:\RR\USCity");

2 番目のプロジェクトの SanAntonio シーンを開きます。

openScene(rrApp2,"SanAntonio.rrscene");

コンソール モードでの RoadRunner アプリケーションの起動

変数 projectFolder を使用して既存のプロジェクトへのパスを指定します。たとえば、次のコードは、Windows® マシン上の C:\RR\MyProject にあるプロジェクトへのパスを示しています。

projectFolder = "C:\RR\MyProject";

シーンを作成する場所としてプロジェクトを指定することで、roadrunner オブジェクトを作成し、RoadRunner を開きます。この例では、RoadRunner は既定の場所にインストールされていると仮定しています。NoDisplay プロパティを指定し、非グラフィカル ターミナルを使用してコンソール モードでアプリケーションを起動します。

rrApp = roadrunner(projectFolder,InstallationFolder="C:\Program Files\RoadRunner R2022b\bin\win64",NoDisplay=true); 

制限

• roadrunner オブジェクトおよびその関連付けられている関数は、RoadRunner R2022a 以降でのみサポートされています。

• roadrunner オブジェクトの作成時に projectFolder 引数を使用して指定するプロジェクトが既に存在している必要があります。

• projectFolder 引数および InstallationFolder プロパティは、パス内の Unicode 文字をサポートしていません。

• roadrunner オブジェクトおよびその関連付けられている関数は、MATLAB Online™ でサポートされていません。

ヒント

• MATLAB ワークスペースから roadrunner オブジェクトを削除するときに、このオブジェクトに関連付けられている RoadRunner アプリケーションは閉じられません。RoadRunner アプリケーションを手動で閉じる必要があります。また、現在の MATLAB セッションを終了するときに、roadrunner で作成された RoadRunner アプリケーションは閉じられません。

バージョン履歴

R2022a で導入

R2025a: シナリオ内のアクターの軌跡の CSV ファイルへのエクスポート

新しい exportActorTrajectoryToCSV オブジェクト関数を使用して、シナリオ内のアクターの軌跡を CSV ファイルにエクスポートできるようになりました。

参考

roadrunner.connect | newProject | openProject | newScenario (RoadRunner Scenario) | openScenario (RoadRunner Scenario) | close

トピック

• RoadRunner プロジェクトとシーン システム
• RoadRunner Scenario の基礎 (RoadRunner Scenario)
• MATLAB を使用した複数のシーンのエクスポート
• MATLAB 関数を使用した形式間でのシーンの変換