getFullLevel

(削除予定) 1 つのレベルの bigimage オブジェクトに含まれるすべてのデータの取得

bigimage オブジェクトの関数 getFullLevel は将来のリリースで削除される予定です。代わりに、blockedImage オブジェクトに関連付けられた関数 gather を使用してください。詳細については、バージョン履歴を参照してください。

構文

I = getFullLevel(bigimg)

I = getFullLevel(bigimg,level)

説明

I = getFullLevel(bigimg) は、最も粗い解像度レベルで bigimg 内の大きなイメージ データを読み取り、単一解像度のイメージ I を返します。

I = getFullLevel(bigimg,level) は、指定された解像度レベルで bigimg 内の大きなイメージ データを読み取り、単一解像度のイメージ I を返します。

例

多重解像度の大きなイメージからの単一解像度マスクの作成

サンプル イメージ "tumor_091R.tif" から、大きなイメージを作成します。このサンプル イメージは、CAMELYON16 データ セットの腫瘍組織が含まれるリンパ節の学習イメージです。このイメージは、3 つの粗い解像度レベルが含まれ、縦横比が一定に維持され、各レベルで特徴がレジストレーションされるように調整されています。

bim = bigimage("tumor_091R.tif");

最も細かい解像度レベルで bigimage 全体を表示します。ブロック境界のグリッドを表示します。

bshow = bigimageshow(bim,'GridVisible','on','GridLevel',1);

最も粗い解像度レベルと、そのレベルでの bigimage の空間参照を判定します。

clevel = bim.CoarsestResolutionLevel;
clevelLims = bim.SpatialReferencing(clevel);

次の手順に従って、最も粗い解像度レベルのマスクを作成します。

• 最も粗い解像度レベルの単一解像度イメージを取得します。

• イメージをグレースケールに変換します。

• イメージを 2 値化します。2 値化したイメージでは、対象オブジェクトは黒に、背景は白になります。

• 2 値化したイメージの補数を取ります。結果のマスクは、対象オブジェクトは白になり、背景は黒になる規則に従います。

imcoarse = getFullLevel(bim,clevel);
graycoarse = rgb2gray(imcoarse);
bwcoarse = imbinarize(graycoarse);
mask = imcomplement(bwcoarse);

マスクを含む bigimage を作成します。元の bigimage と同じ空間参照を使用します。

bmask = bigimage(mask,'SpatialReferencing',clevelLims);

マスクを表示します。

figure
bigimageshow(bmask);

元の bigimage にマスクを重ね合わせます。非ゼロ マスク ピクセルを少なくとも 1 つ含むすべてのブロックを強調表示するために、包含しきい値として 0 を指定します。

showmask(bshow,bmask,'InclusionThreshold',0);

入力引数

bigimg — 大きなイメージ

bigimage オブジェクト

大きなイメージ。bigimage オブジェクトとして指定します。

level — 解像度レベル

正の整数

解像度レベル。bigimg の解像度レベル値以下の正の整数として指定します。既定のレベルは最も粗い解像度レベル bigimg.CoarsestResolutionLevel です。

出力引数

I — 単一解像度のイメージ

数値配列

単一解像度のイメージ。数値配列として返されます。

ヒント

• 大きな入力イメージ bigimg の LevelSizes プロパティをチェックして、指定されたレベルのイメージ データのサイズが十分に小さく、メモリに収まることを確認します。

バージョン履歴

R2019b で導入

R2024b: 警告

getFullLevel 関数は、将来のリリースで削除されるという警告を発行します。

R2023b: 削除予定

bigimage オブジェクトとこの関数は将来のリリースで削除される予定です。代わりに、blockedImage オブジェクトの関数 gather を使用してください。

コードを更新するには、まず、イメージ データを読み取るための blockedImage オブジェクトを作成します。次に、以下の手順に従います。

• 関数名 getFullLevel のインスタンスを関数 gather に置き換えます。

• 最初の入力引数を blockedImage オブジェクトに置き換えます。

• 異なる解像度レベルでブロックを取得するには、名前と値の引数 Level を使用してそのレベルを指定します。

非推奨の使用方法	推奨される代替案
この例では、関数 getFullLevel を bigimage オブジェクトと共に使用して、最も粗い解像度レベルでイメージを返します。 filename = "tumor_091R.tif"; bim = bigimage(filename); img = getFullLevel(bim);	以下は、blockedImage オブジェクトと関数 gather を使用する等価なコードです。 filename = "tumor_091R.tif"; blockedIm = blockedImage(filename); img = gather(blockedIm);
この例では、解像度レベル 2 で操作を繰り返します。 lvl = 2; img = getFullLevel(bim,lvl);	この例では、名前と値の引数 Level を指定して、解像度レベル 2 で操作を繰り返します。 lvl = 2; img = gather(blockedIm,Level=lvl);

R2021a: 関数 getFullLevel は非推奨

bigimage オブジェクトの関数 getFullLevel は推奨されません。代わりに、blockedImage オブジェクトの関数 gather を使用してください。blockedImage オブジェクトには、N 次元の処理に拡張できる、インターフェイスがシンプルである、非標準イメージ形式の読み書きをカスタムでサポートしている、といったいくつかの利点があります。

参考

gather | blockedImage