状態空間モデル推定法
次のいずれかの推定法を使用して状態空間モデルを推定できます。
N4SID — 非反復的な部分空間法。この手法は時間領域データと周波数領域データの両方で機能し、通常 "SSEST" アルゴリズムより高速です。
n4Weight
オプションを使用してCVA
、SSARX
、MOESP
などの部分空間アルゴリズムを選択できます。この手法を使用して初期モデル (n4sid
を参照) を取得してから、反復予測誤差法ssest
を使用して初期推定を調整することもできます。このアルゴリズムの詳細については、[1]を参照してください。
SSEST — "予測誤差最小化" アルゴリズムを使用する反復的な手法。この手法は時間領域データと周波数領域データの両方で機能します。ブラックボックス推定では、この手法は
n4sid
を使用してモデル パラメーターを初期化してから、反復探索を使用してパラメーターを更新して予測誤差を最小化します。1 つ以上のパラメーターの初期値を固定した初期モデルを使用して、構造化推定でこの手法を使用することもできます。このアルゴリズムの詳細については、[2]を参照してください。
SSREGEST — 非反復的な手法。この手法は離散時間領域データと周波数領域データで機能します。これはまず正則化された高次 ARX または FIR モデルを推定して状態空間モデルに変換してから、平衡化された削減を実行します。この手法により、短くノイズの多いデータ セットでの精度が向上します。
すべての推定手法で、モデルの初期状態、遅延、直達動作、および外乱成分を処理する方法を指定するオプションがあります。
参考文献
[1] van Overschee, P., and B. De Moor. Subspace Identification of Linear Systems: Theory, Implementation, Applications. Springer Publishing: 1996.
[2] Ljung, L. System Identification: Theory For the User, Second Edition, Upper Saddle River, N.J: Prentice Hall, 1999.
[3] T. Chen, H. Ohlsson, and L. Ljung. “On the Estimation of Transfer Functions, Regularizations and Gaussian Processes - Revisited”, Automatica, Volume 48, August 2012.