スタンドアロン アプリケーション コンパイラ アプリを使用したスタンドアロン アプリケーションの作成
この例では、スタンドアロン アプリケーション コンパイラ アプリを使用して、実行に MATLAB® を必要としないデプロイ可能なスタンドアロン アプリケーションに MATLAB 関数をパッケージ化する方法を示します。
R2025a より前: アプリケーション コンパイラ アプリを使用した MATLAB 関数からのスタンドアロン アプリケーションの作成 (R2024b)に示すように、以前のバージョンのスタンドアロン アプリケーション コンパイラ アプリを使用してスタンドアロン アプリケーションを作成します。
MATLAB 関数の作成
まず、MATLAB コードを記述して、スタンドアロン アプリケーションにコンパイルします。.m、.p、.mlx、.mlapp、または .mex のいずれかのファイル タイプの MATLAB 関数、クラス、またはアプリをコンパイルできます。コードは完成した状態であり、エンド ユーザーによる実行の準備が整っている必要があります。詳細については、デプロイ可能な MATLAB コードの記述を参照してください。
この例では、次のコードを含む modfun.m という名前の関数ファイルを作成します。
function modfun(m,n) axis([-1 1 -1 1]) axis square axis off hold on z = exp(2i*pi*(0:n)/n); for j = 0:n zj = [z(j+1),z(mod(j*m,n)+1)]; plot(real(zj),imag(zj)) end end
modfun 関数は、m の倍数を法として使用して、複素単位円の周りの n 個の等間隔の点を直線で結びます。j 番目の線は、z(j+1) を z(mod(j*m,n)+1) に接続します。
プロジェクトとコンパイラ タスクの作成
スタンドアロン アプリケーション コンパイラ アプリを使用して、関数のコンパイラ タスクを作成します。コンパイラ タスクを使用すると、特定のデプロイ ターゲット用のプロジェクトでファイルをコンパイルできます。
アプリを開くには、[アプリ] タブで、[アプリ] ギャラリーを展開します。[アプリケーションのデプロイ] セクションで、[スタンドアロン アプリケーション コンパイラ] をクリックします。

MATLAB コマンド ウィンドウで standaloneApplicationCompiler 関数を使用してアプリを開くこともできます。
アプリを開くと、[コンパイラ タスクを作成] ダイアログ ボックスに、新規または既存の MATLAB プロジェクトにコンパイラ タスクを追加するように求める指示が表示されます。この例では、[新規プロジェクトを開始し、コンパイラ タスクを作成] を選択し、作業フォルダーで ModfunProject という名前の新しいプロジェクトを作成します。MATLAB プロジェクトの作成と使用の詳細については、プロジェクトの作成を参照してください。

StandaloneDesktopApp1 という名前の新しいコンパイラ タスクがエディターで開きます。別のデプロイ ターゲットのコードをコンパイルするには、コンパイラ タスク マネージャー アプリを開くか、[タスクの管理] タブに移動して新しいコンパイラ タスクを作成します。

ビルド オプションの指定
パッケージ化の前にスタンドアロン アプリケーションとそのインストーラーのオプションを指定して、ビルドとパッケージ化のプロセスをカスタマイズできます。たとえば、スプラッシュ スクリーンやアイコンを追加したり、MATLAB コードを難読化したり、生成されたインストーラーに MATLAB Runtime を含める方法を指定したりできます。
この例では、コンパイラ タスクの [メイン ファイル] セクションで、[メイン ファイルの追加] をクリックして、modfun.m を選択します。[プロジェクト] パネルでは、ファイルに Design と Main Function というラベルが付けられます。

[アプリケーション情報] セクションで、文字列 My Desktop Application をスタンドアロン アプリケーションの名前である Modfun Application に置き換えます。このセクションでは、作成者、会社、説明などのその他の詳細を指定できます。

[実行可能ファイルの詳細] セクションで、実行可能ファイルに Modfun という名前を付けます。[アプリケーション タイプ] で、Windows® を使用している場合は [スタンドアロン Windows アプリケーション] を選択し、それ以外の場合は [スタンドアロン アプリケーション] を選択します。[入力タイプ] で、[アプリへの入力を MATLAB double の数値として扱う] を選択します。

[インストーラーの詳細] セクションで、生成されるインストーラーに ModfunInstaller という名前を付けます。Runtime の引き渡し方法などのその他のインストーラー オプションも指定できます。これらのオプションは、compiler.package.installer 関数で使用できるオプションに対応しています。

コードの表示とスタンドアロン アプリケーションのパッケージ化
コンポーネントのビルドとパッケージ化に関する指示を含むコードを表示するには、[ビルド スクリプトのエクスポート] ボタンの横にある矢印をクリックし、[コードの表示] を選択します。右側にウィンドウが開き、ビルド オプションに対応する compiler.build.standaloneApplication 関数または compiler.build.standaloneWindowsApplication 関数と compiler.package.installer (MATLAB Compiler SDK) 関数を含むデプロイ スクリプトが表示されます。
[ビルド スクリプトのエクスポート] ボタンをクリックすると、このコードを MATLAB スクリプト ファイルに変換できます。生成されたビルド スクリプトを実行することは、[ビルドしてパッケージ化] ボタンをクリックすることと同等です。

スタンドアロン アプリケーションとインストーラーの両方を生成するには、[ビルドしてパッケージ化] をクリックします。インストーラーなしでアプリケーション実行可能ファイルを作成するには、[ビルドしてパッケージ化]、[ビルド] をクリックします。
コンパイラは、プロジェクト フォルダー内の フォルダーにファイルを生成します。<compiler_task_name>/outputbuild サブフォルダーにはスタンドアロン アプリケーションの実行可能ファイルが含まれ、package サブフォルダーにはスタンドアロン アプリケーションのインストーラーと MATLAB Runtime が含まれます。生成ファイルの別の出力場所を選択するには、[出力場所] セクションのパスを更新します。
アプリケーションのテストとデプロイ
デプロイ前に MATLAB でアプリケーションをテストできます。MATLAB コマンド ウィンドウで、感嘆符演算子と入力 111 および 200 を使用して実行可能ファイルを実行し、Figure を表示します。
!D:\Work\ModfunProject\StandaloneDesktopApp1\output\build\Modfun.exe 111 200
アプリケーションを MATLAB の外部にデプロイするには、アプリケーションのビルドに使用した MATLAB バージョンと同じバージョンの MATLAB Runtime がインストールされている必要があります。インストーラーに MATLAB Runtime を含めるか、そのダウンロード方法に関する情報をユーザーに提供することで、エンドユーザーが確実にアプリケーションを実行できるようにします。MATLAB Runtime のインストールと使用の詳細については、MATLAB Runtime についてを参照してください。
スタンドアロン アプリケーションのインストールの詳細については、デプロイされたアプリケーションのインストールを参照してください。デプロイの詳細については、MATLAB Compiler でのデプロイの手順を参照してください。
参考
compiler.build.standaloneApplication | compiler.build.standaloneWindowsApplication | compiler.package.installer