Thales Alenia Space における UHF 衛星通信プロセッサ用の宇宙準拠 HDL コードの生成

検証済みのモデルを将来のプロジェクトに再利用可能

「当社では他のプロジェクトで Simulink® を使用しており、UHF プロジェクトの多くのモデルを再利用できました。宇宙環境に適したカスタム構成可能なモデルのライブラリを簡単に作成して再利用できます。」

主な成果

  • モデルベースデザインにより市場投入までの時間が短縮され、コードを手書きした場合と比較して約半分の時間で標準に準拠した製品を納入できるようになりました。
  • モデルベースデザインを使用することで、アルゴリズム エンジニアと FPGA エンジニアの間で必要な反復作業が削減および促進され、ワークフローと妥当性確認の作業が合理化されました。
  • 検証済みモデルはターゲットに依存しないため、さまざまなプラットフォームで再利用できました。これにより、コードの書き換えが不要になり、標準のチェックにかかる時間を節約できました。
月を背景とした、最終的に宇宙に投入されるケースに入った UHF プロセッサのイメージ画。上部にはいくつかのインターフェイス ソケットが見えます。

宇宙に投入されるケースに入った UHF プロセッサ。

製品の納入を迅速化する必要があるため、宇宙アプリケーション向けの放射線耐性を備えた複雑な FPGA 用のコードを手書きすることは現実的ではなくなってきています。宇宙機器に関する 40 年の専門知識をもつ企業である Thales Alenia Space では、UHF 通信プロセッサの開発において、この課題を克服するためにコード生成を行うモデルベースデザイン (MBD、モデルベース開発) を採用しました。

チームはまず、モデルベースデザインを社内の宇宙標準への準拠プロセスに合わせて調整し、宇宙準拠のアプリケーションを開発するための一連のプラクティスを作成しました。アルゴリズム エンジニアと FPGA エンジニアが連携して、モデルの品質を反映し、コード生成プロセスに影響を与えるモデリング標準を取得し、Simulink Check™ を使用してこれらの標準のチェックを設定しました。アルゴリズムのエキスパートはこれらのチェックを自動実行でき、FPGA エンジニアはシステムの残りの部分に集中できました。生成されたコードは可読性に優れており、常に同じように生成されます。さらに、コードの任意の部分とモデル内の対応する要素を相互に双方向にトレースできます。

次に、Thales Alenia のチームは、クライアントの機器テストベンチでモデルをテストしました。FPGA は期待どおりに動作しました。この手法により、HDL Coder™ および Simulink Check からのレポートが証拠として機能するため、標準への準拠の検証が容易になりました。このワークフローにより、FPGA 設計者とアルゴリズム設計者間の反復作業も削減されました。

モデルベースデザインを使用することで、Thales Alenia Space はコードを手書きした場合と比較して、開発時間を 50% 削減しました。さらに、検証済みのモデルはターゲットに依存しないため、チームはモデルをさまざまなプロジェクトで再利用しています。