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第 2 章

ゴールデン リファレンス モデルの作成


アルゴリズム開発者は、MATLAB および Simulink を使用してアルゴリズムやテストベンチの数学モデルを開発しています。まず、アルゴリズムの動作をキャプチャするための動作モデルを作成し、そのモデルを FPGA や ASIC に実装するための準備を行います。

セクション

参照モデルの改良

参照モデルの準備に関するタスクは、以下のとおりです。

  • データストリームのシリアル化または逆シリアル化により、フレームベース処理をストリーミング アーキテクチャに変換する。
  • 浮動小数点モデルを、期待される動作条件の範囲をカバーする適切なダイナミックレンジを持つ固定小数点または整数表現に変換する。

ゴールデン リファレンスモデルは RTL と入出力が類似しているため、ベストプラクティスは、動作モデルと back-to-back で徹底的にシミュレーションを実行し、RTL 検証のためのゴールデン リファレンスとして使用できるようにすることです。

セクション

テストハーネスを使用したユニットテストの準備

体系的モデル検証は、要件ドキュメントを取得し、個々の要件を Simulink の参照モデルとして設計へトレースすることから始まります。その後、テストハーネスを使用したテスト用に、設計のコンポーネントを分離することができます。

テストハーネスは、高度に構成可能で、パラメーター化されたテストベンチとして機能します。テスト対象の各コンポーネントを参照モデルの他の部分から分離するテストハーネスは、参照モデルとは別に格納されるため、Simulink 参照モデルの整合性が保たれます。

各サブシステムのテストハーネスは、ASIC および FPGA の検証環境でのユニットテストに使用するために、最終的に SystemVerilog にエクスポートされます (「設計検証における参照モデルの再利用」参照)

各コンポーネントにテストハーネスを適用し、シミュレーションを実行することで、モデルカバレッジ統計を測定したり、カバーされていない条件を特定したりすることができます。この手法を使用して、従来のテストベンチ開発手法を使用するよりも設計プロセスの早い段階でテストベンチのカバレッジを評価することができます。