MATLAB Copilot について
MATLAB Copilot は、生成 AI により、教員、学生、研究者が MATLAB コードの作成、改善、デバッグを行うのをサポートします。MATLAB Copilot はコーディング アシスタントとして使用されています。コーディング アシスタントは、面倒なタスクを自動化し、生産性を向上するものとして、近年業界での人気が高まっているツールです。
生成 AI を採用することは、次世代のエンジニアおよび科学者の育成における鍵になります。MathWorks では、教員がこうした転換期に対応できるよう、Campus-Wide License に MATLAB Copilot へのアクセスを含めています。
生成 AI がもたらす新たな学びの機会
生成 AI ツールを使用するには、プロンプトの作成・改善やアイデアの練り直し、生成された結果の評価など、学生にとって新たなスキルの習得が必要になります。こうした将来のキャリアにも役立つ新しいスキルを学生に教える機会が生まれます。
生成 AI ツールの適切な使用方法を学生に教えることで、教員はより多くの内容をコースで達成するための基盤を確立できます。コードのトラブルシューティングにかかる時間が短縮されることで、コース目標の実現に向けた実践的なプロジェクトにより多くの時間を割り当てることができます。
MATLAB Copilot などの生成 AI ツールでは、学生が必要なときに支援を受けられるように、リアルタイムのフィードバックとサポートも提供しています。
このようなスキルを教えるコースには、AI-assisted MATLAB Programming with ChatGPT などがあります。
授業における生成 AI に関する懸念
生成 AI ツールには多くの利点がある一方、学生のスキルを評価する際に問題が生じる場合があります。このような問題が生じる可能性があるのは、基礎的なコースです。基礎的なコースでは、基本的なコンセプトを課題として出して評価しますが、これらは現代の生成 AI ツールで簡単に解けるようになりました。このような場合、教員は学生に生成 AI を使用せずに問題を解いて欲しいと考えるかもしれません (以下の MATLAB Copilot の設定のセクションを参照)。
教員は、生成 AI ツールが普及していることを理解したうえで、プログラミング言語の構文よりも、学生の理解を重視した新しい評価方法を模索し、採用しています。たとえば、以下のような点に重点を置くことが挙げられます。
- プロジェクトベース ラーニング
- 多角的に考える能力
- システムレベルの思考
生成 AI を使用した学生の課題評価に関する研究では、バイアス、有効性、透明性に関する潜在的リスクが指摘されています。MATLAB Copilot は学生の評価を目的としたものではありません。学生の評価については、MathWorks では MATLAB Grader™ を提供しています。これは、学生の進捗状況に関する即時フィードバックを提供しながら、形成的評価および総括的評価を作成、共有し、自動で採点するブラウザーベースのプラットフォームです。MATLAB Grader は確定的に評価を行い、受講者の課題を評価する際に AI を使用することはありません。MATLAB Grader は学生が自力で問題を解く能力を測定することを目的としているため、学生が MATLAB Grader の課題に取り組むときは MATLAB Copilot は無効化されています。
MATLAB Copilot の設定
MATLAB Copilot は、初級レベルのプログラミングタスクで強みを発揮しますが、学生が将来的により高度なタスクに対処できるように、自力でプログラミングの基礎を確実に定着させることも重要です。MATLAB Copilot 設定では、オートコンプリート機能の有効・無効や、MATLAB Copilot 全体の有効・無効を切り替えることができます。
