非常に簡単なモデルの実行例をご紹介します。
系統連系インバータで流れる電流は平滑用のリアクトルにかかる電圧によって決まります。
インバータが出力する電圧と系統電圧の差がリアクトルにかかりますので、
力率1制御を実現したい場合、系統電圧と同期した電流指令に対してインダクタへの印加電圧を適切に制御する電流制御系を用意しなければなりません。
このポイントを抑えておけば理想的な回路モデルであれば簡単な制御構成で連係運転シミュレーションが可能です。
写真として添付したモデルでは、単純なP制御とフィードフォワード制御の組み合わせで電流制御系を構成していますが、力率1で動作しており、SimulinkおよびSimscapeで系統連系インバータのシミュレーション実行は可能であることがおわかりいただけるかと思います。
ただし、系統インピーダンスについて考慮する場合や、インダクタのL値によってはPI等他の補償器が必要になる場合があります。
Prefは電力指令値、iLは系統連系インバータの出力平滑リアクトルに流れる電流、Vs_FBは系統電圧、VDCはインバータ入力のDC電圧になります。
系統連系インバータの制御理論について網羅的に知りたい場合は、
洋書ではありますが
Control of Power Electronic Converters and Systems Volume 1 editid by Frede Blaabjergなどのパワーエレクトロニクス制御の教科書等に記述がありますので、そちらを参照されるほうがより理解が深まると思われます。


