上位バージョンで作成されたモデルを保存する時に、「ファイルの種類」を下位バージョンに合うように決定することで、下位バージョンで開くことの出来るモデルを作成することができます。
R2012a以降のバージョンでは、Simulinkのモデルウィンドウで「ファイル」→「モデルのエクスポート先」→「以前のバージョン」と選択すると上記画面が開きます。
また、コマンド実行による操作も可能です。ただし、モデルを作成したバージョンによって使用する関数が異なります。
■R14以降の場合
save_system関数を利用します。
例えば、モデルを起動した後、下記コマンドを実行すると、'vdp.mdl'をSimulink 5.1(R13SP1)で読み込めるように変換し、カレントディレクトリに 'vdp_r13sp1.mdl' という名前で保存します。
save_system('vdp','vdp_r13sp1','','R13SP1')
第3引数は''（ダブルクォーテーションではなく、シングルクォーテーションを2つ続けて記述）と'BreakLinks'のいずれかで、''の場合、ブロックライブラリのリンクは解除しません。（'BreakLinks'はリンクを解除します。）
※ save_system関数は、コマンド実行時にモデルを起動しておかないと、エラーが発生しますのでご注意ください。
■R13SP2以前の場合
slsaveas関数を利用します。
例えば、下記コマンドを実行すると、'vdp.mdl'をSimulink 4.1(R12.1)で読み込めるように変換し、カレントディレクトリに 'vdp_r12p1.mdl' という名前で保存します。
slsaveas('vdp','vdp_r12p1','SaveAsR12PointOne')
※ slsaveas関数は、コマンド実行時にモデルを起動しておく必要はありません。
上記各関数の詳細につきましては、下記コマンドによりヘルプドキュメントをご参照ください。
help 関数名
doc 関数名
注意：
モデルの変換に対応しているのはSimulinkライブラリブロックのみです。その他のBlockset等のオプションモジュールは対応しておりませんので、予めご了承ください。
また、下位バージョンで提供されていない機能・ブロックが含まれているモデルを変換すると、リンク切れのブロックとして現れたり、間違って変換される可能性があります。モデルのバージョンダウンの際は、バージョン間で共通の機能・ブロックに対して行ってください。
